石川智史
2016年9月6日更新
シングルとブレンドの違いとは?|珈琲の楽しみ方[Tettoh Coffee]
第1回「シングルとブレンドの違いとは?」珈琲豆専門店「テットウコーヒー」の石川智史さんがわかりやすい珈琲の話をつぶやきます。
みなさま、はじめまして。うるま市で珈琲豆屋を営むTettoh Coffee(テットウコーヒー)の石川と申します。このサイトを通してみなさんに珈琲の楽しみ方やさまざまな情報を気軽に楽しく提供できたらと思います。
まずは自己紹介です。
私の出身地は静岡県の浜松市。ホンダ、スズキ、ヤマハが生まれた工業の街であり、方言で「やらまいか(まずはやってみよう!)」と呼ばれる、何事もまずは挑戦してみようというフロンティア精神に溢れる街です。
そして静岡県と言えば富士山と並び、お茶の産地としても有名です。
幼いころから良質なお茶を祖母が毎日飲ませてくれた事が、飲料に対するうま味や甘味、良質な渋み等を感じる味覚の基礎となっている気がします(静岡を訪れた際は是非、街の御茶屋さんに行ってみて下さい!)。
縁があって沖縄に移住したのは二十歳のころです。ある日、とある珈琲店の一杯を飲んだことから、この世界に入り、珈琲の探求を今なお続けています。
現在はうるま市内で小さな珈琲豆屋を夫婦で営んでおります。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。
(十月には同・うるま市内に移転オープンします)
さて、これから珈琲に関してさまざまな話をさせていただきます。
第一回目のテーマは
昔は「キリマンジャロ」や「モカ」といったコーヒーが有名でしたね。
キリマンジャロは酸味がある、モカは香りが良い等々・・・。
ちなみにキリマンジャロはタンザニア国内で収穫された豆の事を指します(ブコバ地区を除く)。
また、エチオピア、イエメンで採れた豆がイエメンのモカ港から出荷されていた事から「モカ」と呼ばれるようになりました。
例えるなら「日本産の珈琲」「九州・沖縄地方産の珈琲」といったように、産地情報があいまいな中で味の判断をしていたということですね。
加工者、消費者はそこまでの情報しか知ることができませんでした・・・。
現在はというと、当店の豆「エチオピア」を例にすると、「オロミア州・ゲデオゾーン・イルガチェッフェ村・コンガ農協・ナチュラル・2014/2015年産」といった情報まで追跡できるようになっています(実際はさらに情報追跡が可能です)。
収穫エリアが広域で、味を調整して出荷していた時代から、個々の農園、農協、生産者が味に責任を持ち、個々の価値を高める時代に変わっているんですね。
収穫された豆のコンテストやオークションも行われていて、上位入賞した農園の豆は非常に高値で取引されています。
こうしたことで生産者が精力的に高品質珈琲の栽培に力をいれるというのは、珈琲産業の文化経済の発展に寄与し、生産者の経済的なベースアップ、各精製施設の設備増強にもつながります。
農園・生産者まで情報を絞り込む事で、明確な風味、特性の違いを顕著に感じ取ることができる。
これがシングルオリジンの珈琲豆です。
「ブレンド」は上述したとおり、さまざまな産地の珈琲豆を配合し、新たな味を作りだしたコーヒーです。
ちなみに当店では「テットウブレンド」「深煎(ふかい)りブレンド」の2種類のみを販売しています。
当店のブレンドは
「新たな味の創造」
「毎日飲んでも飽きのこない味」
「家計に優しい価格」
をテーマにしています。
では「テットウブレンド」を例にしてみましょう。
まず味の狙いは「爽やかな香り・甘味の中にフルーティーな酸味」です。
エチオピアの豆を70%、ブラジルの豆を30%を使用しています。
エチオピアの個性が非常に強いため、若干個性が弱いブラジルの豆を使用することで味を調和させ、風味を安定させています。
味の良い豆をただ混ぜるだけでなく、少し味が弱い豆を配合することで見事に調和するところがブレンドの面白さのひとつでしょう。
なんだか組織作りと似ていますね。
シングルもさることながら、ブレンドの味作りは珈琲店の腕のみせどころと言っても過言ではないと思います。
ちなみに各農園、農協毎の豆の個性だけを味わって欲しいと、ブレンドコーヒーを作らないお店も最近は非常に増えています。
味が多様化することで、珈琲屋も多様化していきます。これからますますいろんな珈琲屋さんが出てくることでしょう。とても良いことです。
選択肢が増えると、みなさんもお店選び、味選びが楽しくなるのではないでしょうか。
珈琲屋さんに行ったらいろんな事を聞いてみましょう。
店主は話したくてうずうずしているかもしれませんよ。
それでは!
Tettoh Coffee
石川智史
まずは自己紹介です。
私の出身地は静岡県の浜松市。ホンダ、スズキ、ヤマハが生まれた工業の街であり、方言で「やらまいか(まずはやってみよう!)」と呼ばれる、何事もまずは挑戦してみようというフロンティア精神に溢れる街です。
そして静岡県と言えば富士山と並び、お茶の産地としても有名です。
幼いころから良質なお茶を祖母が毎日飲ませてくれた事が、飲料に対するうま味や甘味、良質な渋み等を感じる味覚の基礎となっている気がします(静岡を訪れた際は是非、街の御茶屋さんに行ってみて下さい!)。
縁があって沖縄に移住したのは二十歳のころです。ある日、とある珈琲店の一杯を飲んだことから、この世界に入り、珈琲の探求を今なお続けています。
現在はうるま市内で小さな珈琲豆屋を夫婦で営んでおります。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。
(十月には同・うるま市内に移転オープンします)
さて、これから珈琲に関してさまざまな話をさせていただきます。
第一回目のテーマは
「シングルとブレンドの違いとは?」です。
シングル(オリジン)
「生産地、農園、品種等の情報が明確で、他産地の豆と混ざっていないコーヒー豆」ブレンド
「さまざまな珈琲豆を調整配合し、シングルオリジンでは味わえない新たな味を作り出したコーヒー豆」です(一定品質と味の安定を保つためにブレンドしている店もあります)。昔は「キリマンジャロ」や「モカ」といったコーヒーが有名でしたね。
キリマンジャロは酸味がある、モカは香りが良い等々・・・。
ちなみにキリマンジャロはタンザニア国内で収穫された豆の事を指します(ブコバ地区を除く)。
また、エチオピア、イエメンで採れた豆がイエメンのモカ港から出荷されていた事から「モカ」と呼ばれるようになりました。
例えるなら「日本産の珈琲」「九州・沖縄地方産の珈琲」といったように、産地情報があいまいな中で味の判断をしていたということですね。
加工者、消費者はそこまでの情報しか知ることができませんでした・・・。
現在はというと、当店の豆「エチオピア」を例にすると、「オロミア州・ゲデオゾーン・イルガチェッフェ村・コンガ農協・ナチュラル・2014/2015年産」といった情報まで追跡できるようになっています(実際はさらに情報追跡が可能です)。
収穫エリアが広域で、味を調整して出荷していた時代から、個々の農園、農協、生産者が味に責任を持ち、個々の価値を高める時代に変わっているんですね。
収穫された豆のコンテストやオークションも行われていて、上位入賞した農園の豆は非常に高値で取引されています。
こうしたことで生産者が精力的に高品質珈琲の栽培に力をいれるというのは、珈琲産業の文化経済の発展に寄与し、生産者の経済的なベースアップ、各精製施設の設備増強にもつながります。
農園・生産者まで情報を絞り込む事で、明確な風味、特性の違いを顕著に感じ取ることができる。
これがシングルオリジンの珈琲豆です。
「ブレンド」は上述したとおり、さまざまな産地の珈琲豆を配合し、新たな味を作りだしたコーヒーです。
ちなみに当店では「テットウブレンド」「深煎(ふかい)りブレンド」の2種類のみを販売しています。
当店のブレンドは
「新たな味の創造」
「毎日飲んでも飽きのこない味」
「家計に優しい価格」
をテーマにしています。
では「テットウブレンド」を例にしてみましょう。
まず味の狙いは「爽やかな香り・甘味の中にフルーティーな酸味」です。
エチオピアの豆を70%、ブラジルの豆を30%を使用しています。
エチオピアの個性が非常に強いため、若干個性が弱いブラジルの豆を使用することで味を調和させ、風味を安定させています。
味の良い豆をただ混ぜるだけでなく、少し味が弱い豆を配合することで見事に調和するところがブレンドの面白さのひとつでしょう。
なんだか組織作りと似ていますね。
シングルもさることながら、ブレンドの味作りは珈琲店の腕のみせどころと言っても過言ではないと思います。
ちなみに各農園、農協毎の豆の個性だけを味わって欲しいと、ブレンドコーヒーを作らないお店も最近は非常に増えています。
味が多様化することで、珈琲屋も多様化していきます。これからますますいろんな珈琲屋さんが出てくることでしょう。とても良いことです。
選択肢が増えると、みなさんもお店選び、味選びが楽しくなるのではないでしょうか。
珈琲屋さんに行ったらいろんな事を聞いてみましょう。
店主は話したくてうずうずしているかもしれませんよ。
それでは!
Tettoh Coffee
石川智史