終わりと始まりの季節|おきなわ 暮らし散歩|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

COLUMN

本村ひろみ

2016年8月20日更新

終わりと始まりの季節|おきなわ 暮らし散歩

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.22」



ガッツポーズに沸いたリオ・オリンピック。
甲子園では頂点に登りつめた一校に真紅の優勝旗が手渡され
気が付けば水色の空にトンボが飛んでいる。

春も秋も冬もいつの間にか過ぎて行き
新しい季節は気が付けばそこにある。
なのに「夏」だけは、きっぱりと終わりを告げる。
「夏は終わった」と。

8月の初め、暑さの中でまだ夏の幻影を見ていたころに
暦の上ではとっくに立秋を迎えた。
クラクラ日射しの目くらましでうっかりしていたら
エイサーの太鼓の音が次の季節の幕開けとなり
お盆の後
街を歩けば文具店に真新しい手帳やカレンダーが並んでいる。

学生のころに覚えた『枕草子』は今でも色あせない。
「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁(がん)などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず」
(清少納言 『枕草子』より)




メークの新商品がカウンターに並ぶ。
明るめのアイシャドーは少しダークな色に。
目元が変わると口元も変わって表情が新しくなる。
自然がオレンジ色をまといはじめ
少しずつ光を内に秘めた色彩へと変化し
まぶしさに細めていた目が憂いを含んだ濃い色に染まっていく。

始まりの季節は音楽が連れてくる。
ボビー・コールドウェル、スティックス、ボズ・スキャッグズ、ポリス、スティング、ギルバート・オサリバン、アルバート・ハモンド、クリストファー・クロス、ビリー・ジョエル、ロバータ・フラック、ノラ・ジョーンズ、アデル。
秋の声が耳をノックする。

8月
ヘッドホンから流れるのは
リリー・アレンの“little things”
メランコリックなピアノの音色。
切なくてロマンチックに酔いしれる。





かつて、イギリスで留学生活をスタートしたのは8月の終わりだった。
黄金の風景と突然舞い降りる北風。
図書館からの帰り道に季節の終わりと始まりの闇に出合った。
あの瞬間あの場所が今でも私の“秋の境界線”になっている。


 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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