トンネル抜ければ春の海|本村ひろみさんのコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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COLUMN

本村ひろみ

2024年3月19日更新

トンネル抜ければ春の海|本村ひろみさんのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。fun okinawaコラム「おきなわ暮らし散歩 Vol.111」

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今年も出会いと別れの季節が巡ってきた。
3月という空気に別れのムードが刷り込まれていて、すでにだいぶ大人になった今でも「春三月」という言葉を口にするだけでセンチメンタルな気分になる。何かを卒業するわけでもないのに。
皆さんはどんな3月を送っていますか? 旅立つ人が近くにいるっていう方にとってはこの三寒四温でぐずついたお天気も、心情的にグッとくるかもしれませんね。そんな私もニュース映像で東京の雪景色を見ては思わず「なごり雪」を口ずさんでしみじみしています。



高校卒業以来のバンド仲間と新年に飲んだ時、メンバーの一人が「あっそういえば、これ覚えてる?」ってカバンから古いノートを取り出した。年季の入ったノートが3冊。みんなそのノートのことを忘れていて、一瞬キョトンとしたけど、めくって見ると懐かしい文字、授業中の落書きに試験勉強の日程、クラスメートが書いたらしい部活のぼやきにジャンジャンのライブチケットも貼られていた。わーっ!なにこれーと、しばしみんな夢中になって盛り上がり、日記のようなメッセージを声にして読んでは笑った。教室に置いていたり、ライブの時には会場にも置いていたようで、バンドのライブ演奏への感想や応援の言葉、次回への反省や誓い、演奏曲のリスト(実際にその曲を演奏したかは定かではないけど)クラクラするほどそのノートは青春そのものだった。



当時メンバー(5人)が変わるがわるにこのノートを持っていて、メンバー以外でも誰でも好き勝手に思い思いのことをつづっている。「試験終わって家に帰ったら、昼ご飯は俺の嫌いなピーマンだった。だから長嶺商店の弁当食べた。」とか「授業中、暇だったから俳句作った。“今日もまたいつの間にか夢の中”(季語なし)」「今日はでーじショックなことがあった。あのツェッペッリンのドラマー・ジョンボーナムが亡くなった」「久々に漫画に熱中した。翔んだカップルとレモン白書、面白いよ」などなど。



ノートいっぱいに与儀から寄宮あたりの自分の家の地図を書いている人もいれば、学校帰りに沖映通りや国際通りのバーガーショップや喫茶店に行った話とか。1980年当時の教室の風景や放課後の様子が立ち上ってくる内容で、あまりに面白くて、今そのノートは私が保管係として手元にある。40年以上も前の制服姿の友人たちにタイムスリップして会えるこのノートは宝物だ。
あと10年20年たって、再びこのノートを持ってみんなと集まりたい。
そのころ私たちの目にはどんな風景が広がっているのだろうか。



いとおしい過去をみんなでまた笑える未来だといいな。

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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