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COLUMN

金城真知子

2020年12月11日更新

自分の意見を声にする怖さ 〜その背景に見えてきたジェンダー観〜|金城真知子のコラム

3人の子育てワーキングママ金城真知子が綴る「ホッとする沖縄時間vol.66」を綴ります。

自分の意見を声にする怖さ 〜その背景に見えてきたジェンダー観〜


〜〜 コロナ禍で広がったつながり 〜〜

気がつけば12月。
今年は例年になく、たくさんの人と話すチャンスが広がった1年だった。
オンラインのおかげで、北海道で暮らす農家の友人や、仙台の元日本代表の女性オリンピア、三つの事業を経営している男性に、コロナ患者を受け入れている病院の研修担当の方まで、、、場所や職業・立場を超えて、多くの方とつながり言葉を交わし合った、ありがたい1年だった。



〜〜 話して初めて違いに気付く  〜〜
オンラインでつながった新しい出会いは、生い立ちも文化も少しずつ違っている人が多くて、面白い気づきの連続だった。
たくさん話して通じ合ってるハズなのに、時々意味がわからなくなって「え〜! そういう事だったの?」「これって、もしかしてウチの地元だけ?」って、自分にとっての常識が、ごくごく狭い範囲でしか通じないと知ることも多い。
日本語でさえ「どの地域でも使われている言葉」かどうかは、環境が異なる人と話してみないと気が付けない。

〜〜 意見を求められると焦る 〜〜
それ以外にも、たくさんの出会いの中で感じたのは、
「マチコさんはどう思う?」という何げない言葉に、何度となく立ち止まってしまう自分がいたコト。
「私の意見をその場ですぐに伝える」
どうやら、すごく「苦手」らしい。。。
というのも、司会やリポーターの経験から、相手に質問したり話題を引き出したり、それを伝わるようにまとめるのは日常的にやっているが
つい相手軸で話を展開することに慣れてしまって、
「自分がどう考え、今どう感じている」
という意見や感情を、その場で言葉にして伝えるのは置き去りにしてしまっていた。
一見、相手とたくさん話しているようで、実は「自分の意見を言葉にすることを避けている」。40代になっても意見を口にするのをためらっているなんて・・・気付いた時には、恥ずかしさがこみ上げてきた。



〜〜 ジェンダー観 〜〜
実は、私以外の日本人女性にも「意見を求められると困る」という人が意外に多いようだ。
理由は大きく二つあって
・社会の「意思決定」の場に女性が求められなかったため「意見」を言う必要がなかった。
・「空気を読む」「気配り」「家庭内ケアワークの担当」が女性の担当
 (※ケアワークとは 家事・育児・介護・看護など、家庭内の無償ワーク)

結婚後の基本系が「家庭を任される」ことだったので、家族や親しい人とのおしゃべりは上手になっていったとしても、社会的に「意見」を求められることや、決定の場での「発言」になると、これまで求められてこなかった分、「え?わたしの意見なんて・・・」と気が引けてしまうのである。

沖縄の年中行事の風景を思い返してみても、
男性が社交的な部分を担い、女性は裏方の台所作業。
男性は家に来てくれた客人との会話で外からの情報を吸収しつつ、この家ではどうだと、家を代表して発信する。それに比べて裏方を任される女性は、育った環境も似ている気心のしれた親族同士の会話なので、わざわざ言葉にしなくても通じ会える中でのおしゃべりになっていく。。。
とここまで書いてきて『昔はそうだったけど、今はそうじゃないよね』って声もたくさん聞こえてきそうである。
そう、、、女性だから意見を言わなくてよいとか、女性だから家庭内のことをしなきゃいけないなんて、そんな壁はもう無くなってきていることも知っている。

そんな事、よく分かっているし、頭では理解しているつもりなのに、
自分の意見がすっと出てこなかったり、
病気になったわが子を完全に夫に任せられなかったり、「変えても良い」ちょっとした日々の日常に、すぐに対応できていない自分にもどかしさを感じてしまうのである。



女性活躍推進法ができて、もう4年以上・・・
日本全体が女性の活躍、女性リーダーをきっと求めている。
オンラインのおかげで出会える人の枠が格段に広がった今だからこそ、40年染み付いた私の中のジェンダー観をひとつひとつ解きほぐそう。新しい出会いで「違いに気付くこと」、自分の中の「違和感に出会うこと」からはじめてみよう。。。少し時間がかかったとしても、ひとりひとり内なる変化が、結果、大きな変化を生み出すことを信じて。




金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]


 

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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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