スキルアップ
2020年8月20日更新
[続・働き方ラボ]知恵を出し合い事業継続へ
文・比嘉華奈江[15]
8月に入り、沖縄独自の緊急事態宣言が発令され、再び、テレワークに切り替えた企業も多いのではないだろうか。4月・5月の外出自粛時期の経験が生かされ、今回のテレワークや働き方は前回より進化した、という企業が増えているといいなと思う。
考えること・対話を止めない
オンライン化のメリット
弊社のお客さまの動物病院「琉球動物医療センター」では、新型コロナウイルス感染症が問題となる前から働き方改革に取り組んでいた。
残業削減を目標の一つに掲げて進める中で、新型コロナウイルスが感染拡大。すぐに働き方改革推進のため事業戦略とビジョンを見直し、5月の段階でペットの診療の一部を、オンラインで可能にした。
働き方改革に取り組んだ県内の動物病院。ペットのオンライン診療を始めることで、コロナ対策だけではなく、飼い主やペットの負担軽減につながった
5月、6月、7月も事業展開を視野に入れた働き方改革の動きを止めることなく、在宅勤務をしているスタッフの皆さんも交えた社内会議や弊社との会議もオンラインを活用して重ねてきた。ITや法律の専門家にも相談し、戦略や内容を整えてきた。
もちろんまだ課題はあるが、オンライン化により薬の受け取りだけのために来院しなければならなかった方から、人との接触を減らすことができて助かっていると好評だ。
そして、このオンライン化は、コロナ対策だけではなく、日頃忙しい飼い主にとって、来院の往復の移動時間の軽減やケージに入れての移動を嫌がるペットの負担軽減、また、これまで機会が無かった自宅での飼育環境を看護師さんに見てもらい、アドバイスをもらえたりと、たくさんの利点がある。
一つのオンライン化によって、さまざまな事が整理された。自社の強みやスタッフのみなさんの能力の活用、そして何より生産性の向上を視野に入れた未来戦略となった。実際に、前年比で生産性も上がっている。まさにコロナを機に、さらなる発展へとかじを切った素晴らしい事例の一つだ。
一人一人何ができるか考える
「今」に対応するのは、「未来」のためである。今回の第2波によって、事業継続が厳しく、働き方改革どころじゃないという企業もあるだろう。
だが、事業継続をするために働き方を見直すのだ。働き方を見直すことは、ただ単に労働時間を減らすことや有給休暇の取得だけではなく、経営戦略を描き、事業や業務の整理をすることからがスタートなのだ。
とにかく今はできることをやろう。その知恵を出し合おう。経営戦略を練るのはトップの役割だが、この変化の激しい時には、とにかく多様な意見と視点を集結して、これまでにない発想で自社の未来を考えることが重要だ。
だからこそ、社員一人一人が自分と自社に責任を持って「今、社会から何が求められているか」「今、自分には何ができるか」「失敗から学んだことをどう生かすか」などと自律型の思考を持つことが重要だ。
現場の感覚を経営陣に伝える
あなたは、現場の肌感覚をきちんと経営陣に伝えているか? テレワークをやってみて、良かった点や今後も継続したいこと、逆にやりにくかったことや、これを機に見えてきた問題点・課題を現場で共有し、管理職や経営陣に伝えているだろうか。そんな場が社内にあるだろうか。なければぜひその場を作ってほしい。
今回の新型コロナウイルス感染症によって、働き方改革は一気に10年進んだと言われている。テレワークやオンライン会議を苦手とする企業は多いが、まずはやってみることが大事だ。そこから改善策が必ず見つかる
経営自体が苦しい企業も多い。今はなんとか持ちこたえているが、来年以降どうなるかわからないという声も聞く。今潤っている企業も先はわからない。先行き不透明なのはみんな一緒だ。だから、今は考えること、対話することを止めてはいけない。
ひが・かなえ
(株)Life is Love代表。日本教育推進財団認定コミュニケーション・トレーナー。2児の母。客室乗務員を14年務め2012年起業。経営戦略や働き方改革・チームビルディングなどの組織活性から人事評価制度や賃金制度構築までコンサルティング。
http://www.lifeis-love.com/
過去の記事はこちらから
『週刊ほ〜むぷらざ』続・働き方ラボ[15]
第1723号 2020年8月20日掲載
この記事のキュレーター
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- 比嘉華奈江
これまでに書いた記事:35
株式会社Life is Love代表
日本教育推進財団 認定コミュニケーション・トレーナー
14年間の客室乗務員経験を経て、2012年起業。
経営戦略構築・働き方改革・チームビルディングなどの組織活性化コンサルティングから
人事評価制度や賃金制度を構築していく労務コンサルティングまでを
ワンストップサービスで提供。また、元客室乗務員メンバーから成るチーム「PLUS+」の総括も担当。
”価値をプラスする印象づくり”をテーマに、印象戦略支援や沖縄観光の価値の向上をお手伝い。