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2020年3月26日更新

[特集]県内でも流行する? マスクは必要? 新型コロナウイルスQ&A

感染拡大が続く新型コロナウイルス。県内でも流行する? マスクは必要? 気になることを沖縄県立中部病院の椎木創一医師に聞きました。

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椎木創一さん 
沖縄県立中部病院 感染症内科所属


Q 県内でも流行する?暖かくなったら大丈夫?

A パンデミック(世界的大流行)を起こしている状況であり、ウイルスがすぐには世界から消えないと思われます。日本国内でも各地域で新規感染者の報告が続いており、沖縄にもいつウイルスが入り込んでもおかしくない状況が続きます。そうした中で大人数が集まるイベントや介護・医療施設の中にウイルスが入ると、多くの感染者が発生し、県内での流行が進む可能性はあります。コロナウイルスにはいくつかあり、以前からあるウイルスは寒冷で湿度が高い気候だとその環境に残りやすいことが分かっていますが、今回流行している新型コロナウイルスについては十分な研究がなされていません。気温が流行に影響を与える可能性はありますが、夏になれば感染が収束するかは現時点では不明です。寒冷の気温を好むウイルスなら、冬になるとまた流行することも懸念されます。


Q 予防するには?

 手にウイルスがついているだけでは感染症を起こしませんが、顔に手を近づける・触る動作をすると、ウイルスが目や口から入り感染を起こすことがあります。日ごろから手を顔に近づけないようにして、動作が必要な場合は事前に手洗いを心がけることも大切です。手洗いは、せっけんを使い流水でしっかりと時間をかけて(せめて20秒以上)行いましょう。また、狭い密閉した空間に大人数が滞在すると、その中に発症者がいる場合には多くの感染者が発生してしまいます。そのようなリスクの高い集まりはできるだけ避けたほうがいいのですが、換気を適切にすることでそのリスクを減らすことはできます。





Q どんな特徴がある?

 いろいろな意味で「幅が広い」ウイルスです。一つ目に、感染したときの症状が幅広いです。症状がとても軽い、または無症状で終わってしまう人がいる一方で、重症の肺炎を起こして入院が必要になる人もいます。二つ目に、人へのうつしやすさ・うつりやすさが状況によって大きく変わります。基本的には、手洗いをしっかりして手からウイルスが自分の目や口に入ることを防ぎ、症状のある人からの咳(飛沫)を直接受けることがなければ、簡単には感染は起こりません。


Q 特に気をつけた方がいい人は?

A 高齢者や、もともと免疫が低下する病気をお持ちの人です。中国のデータでは、50歳未満で重症化する人はとても少ないのですが、60歳を超えると年齢に伴って急激に死亡率が高くなります。また、糖尿病や心臓病、悪性腫瘍、慢性の肺疾患(COPDなど)、慢性腎臓病(血液透析を受けている方)などがある人は重症になりやすく、死亡率も高まります。一方、小児や妊婦などでは悪化しにくいことが、季節性インフルエンザと比べて異なる傾向です=下表参照。


※褥婦(じょくふ)とは、産後間もない女性のこと
※-は重症化リスクが低い、+はリスクがある、++はリスクが高い



症状(発熱や咳がなど)があるときは?

厚生労働省は、発熱や風邪の症状がある場合には外出を控えるよう呼びかけている。受診・相談の目安は「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いたり(高齢者や基礎疾患のある人、妊婦は2日程度続く場合)、強いだるさや息苦しさがある場合」としている。相談は「帰国者・接触者相談センター」(最寄りの保健所)へ。


Q アルコール消毒液、マスクが手に入りません…

A アルコール消毒液は手洗い場がない場所ですぐに消毒する必要があるときに便利ですが、せっけんと流水での手洗いは、アルコール消毒液と同等のウイルス除去効果があります。マスクは、咳がある人が周囲にウイルスを広げないために使うのは有効的です。また、症状のある人を世話する家族や介護・医療関係者は必要だと思います。しかし、自分の周りに人がいない場合や、自宅など特定の人しかいない場所であれば不要です。屋外に出るときにマスクをすることで感染を防ぐ効果は期待できません。また、症状がない方々との日常的な接触で感染が起こることは多くはないので、そうした場面でマスクをつけ続ける必要はありません。マスクの代用品として使う布マスクやハンカチには、自分が咳をした際、周囲にウイルスを広げない効果はあると考えられます。自分の肘の内側で咳が飛ばないようにして代用してもよいでしょう。しかし、外から入ってくるウイルスを捉えて感染を防ぐ効果は布マスクなどでは十分ではないと思われます。
 

Q 感染するとどんな症状になる?

A かかり始めはほとんど通常の風邪と同じです。発熱、咳、喉の痛みなどが典型的な症状ですが、筋肉痛、頭痛、下痢などを起こす人もいます。いずれにしても症状だけで通常の風邪やインフルエンザと区別することは困難ですが、そうした症状が長引く傾向にあります。風邪は発症してから2〜3日で回復に向かいますが、新型コロナウイルスは4日目以降も症状が改善せずに続きます。それでもその後は自然に良くなる場合が多いのですが、7日目前後から急激に悪化してしまう人がおり、そうした人は肺炎を起こしています。


Q 他人の咳が気になります…

A 症状のある人との距離(1.5m以上)がとれれば、簡単に感染を引き起こす力はこのウイルスにはありません。また、咳をしている人がマスクをしていれば、よりその可能性は下がります。多くの人が安全に日常生活や仕事を行える環境をつくるためには、「症状のある人は適切に自宅で休む」という心がけと、そのための環境づくりが重要です。
 

編集/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』特集・新型コロナどう防ぐ?

第1704号 2020年3月26日掲載

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比嘉知可乃

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1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
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