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2020年3月26日更新

[彩職賢美]キモノ着たい教室主宰 比嘉初代さん|「ふだん着物」 復活させたい

私たちが着る服には、洋服と和服があります。着物は帯を結んだり、ルールが難しいというイメージがありますが、普段着として着る着物は気軽で自由で簡単です。和服を取り入れた暮らしは、ちょっと違う自分を発見できて、日々が楽しく、豊かになる。「ふだん着物」の魅力を伝えていきたいと思っています。

自分流で楽しむ着物を提案

キモノ着たい教室
主宰
比嘉初代
 
さん

自宅アトリエと学校で 着付け指導し魅力伝える

「自分のために、自由に、普段着として着物を楽しむ」。比嘉初代さん(60)が目指しているのはそんな「ふだん着物」の復活だ。

着物と言えば、成人式や結婚式に着る振袖や訪問着などフォーマルな着物をイメージして敷居が高くなりがち。しかし、比嘉さんは「洋服にふだん着があるように、和服にも小紋、紬、ウール、木綿に夏の浴衣といった、ふだん着物がある。フォーマルな装いの着物は人のために着て、ふだん着物は自分を主体に好きなように着ていい。ジーンズを履いたり、ワンピースを着るように、色、柄、素材、アクセサリーと自由に組み合わせ、おしゃれを楽しむ感覚でいいのよ」とほほ笑む。

太いベルトを帯代わりにしたり、スカートを合わせたり、フリースタイルで楽しむ着物を、主宰する「キモノ着たい教室」やSNSなどで提案、発信。好きな布を使って作る着物や小物作りも指導している。

肩の凝らない指導と着物の世界を広げてくれる楽しさが評判となり、スケジュール帳は受講する生徒の名前で埋め尽くされる。その中には外国人の名前も。「英語が話せなくても、スマホの翻訳アプリでなんとかなる。便利な世の中になりました」。笑い声に日々の充実感が伝わる。



高校卒業後、三重県に渡り、着物談義で意気投合した那覇市出身の女性と和裁専門学校に通った。帰省後は沖縄市の高級呉服店に勤務。結婚後はしばらく育児に専念したが、育児が落ち着いたころ、着付け教室で本格的に学び、改めて「着物が好きだなあ」と感じた。PTA活動からPTA学校事務も務めるようになったとき、大きな行事の際は着物を着るようにした。「それで私に着物の印象が付いたかもしれない」と比嘉さんは振り返る。

PTA学校事務を9年勤めた後、民生委員・児童委員を委嘱され、より広く地域と関わるようになった。その縁もあり、着物教室を開設した比嘉さんに、中学校の家庭科の教員から、授業で生徒たちに浴衣の着付けを教えてほしいと依頼があった。

「着付けを学ぶ生徒たちはとても楽しそうなんですよ」と比嘉さんは目を細める。「ここ数年、授業のお手伝いをする中で、性別で着る物を決めつけないということに気付きました。華やかな色柄の浴衣を好きな男子がいてもいいし、ストライプや格子でかっこよく着たい女子がいてもいい。何を着るかは本人に選択させることで、より和装への興味が湧くし、自分らしく楽しめるならその方がいい」と話す。

授業の前には文書で浴衣の用意を促すが、持参してくることはほとんどない。「これまでに着物を着たことがある人は?」と聞くと、ゼロというクラスもあった。比嘉さんは「このままでは着物文化がなくなるのではないか」と危機感を抱いている。

授業を終えた子どもたちから「暑そうと思っていたけど、実際に着てみたら意外に涼しくて気持ちが良かった」、「夏祭りには彼女と一緒に着て歩きたい」とか、身長の低い男の子が「サイズが合わなくても着物は調整できるのでいいですね」と喜ぶ声もあった。

家庭科授業の一環で始めた着付け体験学習だが、先輩の授業を見聞きした生徒が「私たちはいつ?」と心待ちにしているという。「これからも継続して生徒たちと地域の一人として関わっていけたら」と比嘉さん。

学校でも教室でも、着物を着たときに生徒の表情や立ち姿が変わる。「その瞬間がたまらなくいい」と比嘉さんの目が輝いた。


 着物の可能性を広げる 


比嘉さんは着物を気軽に楽しんでもらおうと可能性を広げるさまざまな提案にも力を注ぐ。 その一つが和服と洋服のミックスアレンジ。着物にプリーツのロングスカート、太ベルトという組み合わせなら、ハイヒールやブーツとの相性もぴったり。

「スカートの色を黒や紫にすれば、はかまのように見え、卒業式の装いにも。実際に参考にされた方もいます。その他、帽子、手袋、ブーケ、レースのアイテムとも相性が良く、とっても華やかでおしゃれになりますよ」と比嘉さん。


 服のバリアフリーにも 


上写真の女性の着物は、半身不随で車椅子生活を送る女性のために比嘉さんがリメークしたもの。女性の生年祝いに合わせ、「和裁士だった母のために、体への負担が少なく、見た目もいい着物を作ってほしい」という家族からの依頼だった。家族が用意した着物を上下に切り分け、下は巻きスカート風に、上は本人の身長に合わせて加工。ひもを結ぶだけで着られるという形にした。

晴れ姿に本人も家族も喜び、写真などで報告があったときは「すごくうれしかった」と比嘉さん。「体が不自由だからと、おしゃれを楽しむことを奪われたり、あきらめたりするのって、すごく悲しい。工夫して手を加えれば、服のバリアフリーはできる。その手助けもしていきたい」と話した。


比嘉さんのパワーの種

Q.気分転換になることは?

毎週土曜日は、着物仲間の山城サキノさんが宜野湾市で営む「キモノバナ沖縄」で応援スタッフとして手伝っています。お客さんとの交流は楽しく、気分転換になっています。

また、お店ではこんなのあったらいいなと作った私のオリジナル小物も販売しています。好評なのがオリジナル帯揚げ(写真左)。従来は別々の帯揚げと枕帯を一体化できるので、着付けが楽に。新型コロナでマスク不足になり困っている人が多かったのでマスクも作りました(同右)。作り方も教えています。

キモノ着たい教室/宜野湾市上原2-4-8
フェイスブックやブログ(https://yumekoubou.ti-da.net)でも着物情報を発信


プロフィル
ひが・はつよ

1959年、宜野湾市出身。高校を卒業後、三重県で就職。仕事と両立して和裁専門学校にも通う。2年後、帰省し、結婚するまでは沖縄市の呉服店で勤務。子育て中はPTA活動、PTA学校事務、2010年からは9年間、民生委員・児童委員も務める。2011年、「キモノ着たい教室」を主宰。2015年より中学校で家庭科の時間に、浴衣の着付け指導も行っている。


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撮影/比嘉秀明 文/赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1360>
第1704号 2020年3月26日掲載

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