[彩職賢美]フィンガーペインターのyukakoさん|指先から沖縄を描く|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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2019年11月14日更新

[彩職賢美]フィンガーペインターのyukakoさん|指先から沖縄を描く

筆の代わりに指に絵の具を塗って絵を描くスタイルは、ガジュマルの木の強い生命力を表現できた経験がきっかけでした。海や空、草花など色鮮やかな沖縄の自然には魅力がたくさんあります。絵を通して沖縄の自然の素晴らしさを伝えていきたいです。

自然を感じ 「生命力」表現

フィンガーペインター
yukako 
さん

魂を込め、自分らしく描く アートで沖縄に恩返しを

水色、オレンジ、黄色。yukakoさんの絵はカラフルで温かみがある。「筆の代わりに指や手のひらに絵の具をつけて描くんです」と独自のスタイルを説明し、「木は茶色と緑って決められているのが好きじゃない。その時心に届いた色で描く」と笑顔を見せる。絵は海やガジュマルの木など、沖縄の自然がメイン。「私の絵は『生命力』がテーマ」

ライブペイントを行う時は何も考えない。「頭で考えることが多い世の中だからこそ、空の近さや風の流れなど『心で感じること』を大切にして表現したい」と力を込める。

名護の大きなヒンプンガジュマルに出合った頃、その生命力の強さに衝撃を受けた。それを表現したいと筆を握ったが納得できず、ふいに指で描くことを思いついた。「力強く、ガジュマルから感じた生命力を表現でき、絵が生きているように感じて」。その経験が指で描くきっかけであり、原点。「生命力」をテーマにすることで、見た人に「自然の優しさや温かさ、強さ」が届きやすいと感じている。

活動の中心は、観客を前に絵を描くライブペイント。「見ている方々からエネルギーをもらい、絵にパワーを入れられる気がするんです」。キャンバスに向かうと集中し過ぎて、周りが見えなくなる。「描き終えた後に本当に自分で描いたか分からなくなることもある」と苦笑い。最近は、県内外の小学校で子どもたちに披露したり、一緒に壁画を描くことも増えた。観客からは「沖縄の自然を意識して見ることができた」「自然に涙があふれた」と声を掛けられるという。

「いろんなことを感じさせてくれる沖縄の自然がなければ、私の絵は描けない。第二のふるさとです」と沖縄への思いを語る。


初めて沖縄を訪れたのは京都府で介護福祉士として働いていた5年前。胸の奥には幼い頃から持ち続けた「画家になりたい」という思いがあった。空、海、草花、建物など色彩豊かな沖縄の風景に創作意欲をかき立てられ、「ここでなら私らしい絵が描ける!」、そう感じ、移住した。

県内の介護施設で勤務する傍ら、自らの絵を広める機会を徐々に増やしてきた。福祉の現場から離れ、本格的に活動を始めたのは昨年6月のことだ。沖縄の自然と出合ったことで、絵を描いて生きることに不安だった自分から、常に高い目標を掲げて迷いなく前を見る自分に変わった。

プロのイラストレーターに「こんな絵じゃ食べていけない」と言われたり、個展で絵を批判されたこともある。描きたいものと求められるものの違いに悩んだ経験も。「認めてもらえず本当にショックで。だけど、ある時『自分以外の基準』に無理をして合わせる必要はないと気づいたんです」。主宰するペイント教室でも受講者には「好きな色で好きなように」とアドバイス。「私は、絵は言葉と同じように表現方法の一つで、正解も間違いもないと思っています。魂を込めて描く絵はきっと見る人に伝わる」

県内でも個展を開催する世界的アーティストとの会話を機に、現在は365日連続で絵を描くことに挑戦中。「描きたいものを積極的に探すようになった」と自身の変化を感じている。

また、県内で活動するアーティストが集まって、作品展示などでアートと人を結び、国頭の自然の世界自然遺産登録を目指すプロジェクトにも参加している。「県外出身の私を仲間として迎えてくれた。沖縄は家族のように接してくれる人が多く、出会った方々に支えられてここまでこれた」

夢は世界で活躍するアーティスト。「沖縄へ恩返しがしたい。私の描く絵を通して沖縄の素晴らしい自然を国内外にPRできれば」。思いを胸に、今日もキャンバスに色を重ねる。


沖縄の自然を大きく表現!

撮影/富名腰えり子

県立博物館・美術館で行ったライブペイントの作品。幅10メートル、高さ2.8メートルの大きな作品で、観客からは「圧巻です」「パワーをもらった」と感想が。描いたのはガジュマルの他、月桃やクワズイモなど自身が心の中に描く沖縄の姿。


県外での活動も精力的に

撮影/箕浦裕太

故郷の兵庫県や、東京都など県外でも精力的に活動。2019年10月には兵庫県の住吉神社のイベントでライブペイントを行った。「本土の自然はどちらかというと『繊細さ』を感じるけど、沖縄ではアスファルトの隙間から木の根っこが見えることも多くて、『生命力の強さ』を感じる」という。

県内では銀行やカフェ、病院などでも作品を展示。年々活躍の場が広がっている。

◆問い合わせ/https://fingerpainter-yukako.jimdo.com/ ​


自然が好きで屋久島へ


「とにかく自然が好き」と話し、2018年に旅行先として選んだのは、豊かな自然があふれる屋久島(鹿児島県)。「縄文杉を見た時は圧倒された。昔から変わらずにある自然を守らないといけないという気持ちも芽生えた」と振り返る。自然のいろいろな表情を感じ、絵を描く刺激を受けた旅だったようだ。




プロフィル
yukako

1983年兵庫県生まれ。幼い頃から絵を描くことが好きで画家に憧れる。祖母の介護に携わった医療関係者の影響で福祉の道へ。20歳から14年間、介護福祉士として勤務した。旅行で訪れた沖縄の色彩豊かな自然に魅了されて2014年に移住。2017年から県立博物館・美術館で毎年個展を開催し、現在は小学校やイベントなど観客の前で絵を描くライブペイントを中心に行う。ペイント教室の講師も務めている。


週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1349>
第1685号 2019年11月14日掲載

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この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
真面目な話からくだらない話まで、「読んだ人が誰かに話したくなる情報」
をお届けできるように頑張ります!

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