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2019年8月15日更新

[続・働き方ラボ]休み方は働き方、生き方

文・比嘉華奈江[4]
今年から年間10日以上の年次有給休暇(年休)を持っている人は、5日以上の取得が義務化された。これまで毎年取得してきた人や取得率の高い会社とっては何てことのない法改正かもしれないが、そうでない場合はなかなかの難題である。

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年5日の年休が義務化
 
休める仕組み作り

そもそも、何のための年休なのだろうか? この法改正のタイミングでは、せっかくなのでそこから考え直したい。年休は、風邪を引いたときのため? 子どもが体調を崩した時に備えて取っておくもの? 数日くらいは旅行に行けるといいなあ、というのも多くの方がよく口にする。

私は会社勤め時代、20日年休があれば、10日くらいは旅行用にと残しておいた。独身時代は、とにかく1週間でも休みが取れれば海外に出た。いろいろな国に行って多様な価値観に触れた経験は、その後の人生のベースになっている。仕事で自信をなくしたり、この会社で仕事が続けていけるだろうか、など人生の指針に迷った時、いったん日常から離れて頭をリセットするために休暇の時間が必要なのではないか。もちろん、スキルアップや勉強の時間に使うこともおすすめだ。

いずれにしても、年休という形で「時間」と「安心」が得られることは、大変ありがたいことで、チャンスなのだ。その時間をどう過ごすのかも自分次第だ。

必要な時に休めるようにするには、スキルや役割が明確化され、属人化(特定の人しか業務のやり方が分からない)しない仕組みがなければいけない。いつまでにどんな力を身につけるのか、しっかりと体系立てられた人材育成ができているからこそ、独身者も既婚者も平等に年休が取れる。ライフステージによって休暇の使い方は変わってくるので、どんな業務、どんな役割でも、属人化しない仕組みを作ることが重要だ。

パートも対象に
パートタイムなど働く日数が少ない人(労働時間が週30時間未満、週の労働日数が4日以下、年間216日以下)も、付加される年休が10日以上の場合、5日以上の取得義務が生じる(下の表の太黒囲み部分)。

              「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」厚生労働省より
 
休暇計画を話し合う

会社で仕事やプロジェクトの計画を立てるように、年度や年の初めに休暇の計画も立て、メンバーで共有してみてほしい。すると、子どもがいる人は夏休みの時期に合わせて取りたい! 独身者は、平日に取りたい! など、互いの希望を聞きながら、計画を立てられる。仕事の引き継ぎ事項や不在時の対応法まで、あらかじめ整理と準備ができる。時にはマニュアルを作成することも有益である。

もう一つ大事なことは、家族でも同様に話し合うことだ。今年はそれぞれ何がしたい?どんなことに時間を割きたい? 話し合うことで、子どものころから自分の人生に主体的に向き合う力が身につく。家族の希望をかなえることは、人生の質を上げる。何より家族の代わりは誰もできない。生き方を考えると、休み方が変わるのだ。


独身時代の10年間、有休を利用して16カ国を旅した。上写真はベトナムのメコン川クルーズ、下はニューヨーク。さまざまな価値観に触れたことが、今の会社の理念「多様性を可能性に」につながっている​




ひが・かなえ
(株)Life is Love代表。日本教育推進財団認定コミュニケーション・トレーナー。2児の母。客室乗務員を14年務め2012年起業。経営戦略や働き方改革・チームビルディングなどの組織活性から人事評価制度や賃金制度構築までコンサルティング。

http://www.lifeis-love.com/

過去の記事はこちらから

『週刊ほ〜むぷらざ』続・働き方ラボ[4]
第1672号 2019年8月15日掲載

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この記事のキュレーター

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比嘉華奈江

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株式会社Life is Love代表
日本教育推進財団 認定コミュニケーション・トレーナー
14年間の客室乗務員経験を経て、2012年起業。
経営戦略構築・働き方改革・チームビルディングなどの組織活性化コンサルティングから
人事評価制度や賃金制度を構築していく労務コンサルティングまでを
ワンストップサービスで提供。また、元客室乗務員メンバーから成るチーム「PLUS+」の総括も担当。
”価値をプラスする印象づくり”をテーマに、印象戦略支援や沖縄観光の価値の向上をお手伝い。

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