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2018年9月27日更新

[イマドキ子育て]ゆる~く離乳食

忙しい育児中、毎食の離乳食作りは負担に感じる人も多い。調理に一工夫し、周りと比べずゆったり構えて、ゆる~く離乳食を! 赤ちゃんと「食べ始めること」を楽しもう。

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冷凍、取り分けで無理なく楽しく

離乳食作りを無理なく続けるには、冷凍と大人の食事からの取り分けがポイント。那覇市保健所の保健師の濱川ルミさん、管理栄養士の山田美知子さん、桑江なおさんに、離乳食作りや進め方のコツ、注意点、レシピを聞いた。
 


公益社団法人 沖縄県小児保健協会


ネットに振り回されないで

そもそも離乳食は、飲み込みや舌の動き、食べ物を分解する消化酵素など、食べる力を育むもの。
山田さんは、「最近はネットで情報過多になっていて、周囲と比べて力が入っているお母さんが多いのですが、大人の食事を味付け前に軟らかくするイメージで大丈夫ですよ」とアドバイスする。「赤ちゃんは、消化力や運動量など、成長具合の個人差が大きい。離乳食も、ほかの子や育児書と比べず、その子に合わせることも大事」と濱川さん。マニュアル通りに進んでいなくても、親子手帳の成長曲線のカーブに沿って体重や成長が増えていれば、心配しなくても大丈夫だという。
山田さんは、まずは本を1冊購入することを勧める。「初めてで何から始めていいか分からない、という場合は本でイメージをつかみましょう。ネットは情報が混在しているので、本がお勧めです」。
首が座る、など、サインが確認できたら=左囲み参照、離乳食を始めよう。
最初は消化のいい「つぶしがゆ」から始めて、硬さを調整し、種類や量、回数を増やす。離乳食は月齢で目的が異なる。最初は食べる機能の練習なので、食べる量が少なくても気にしないでOK。9~11カ月ごろには、母乳やミルクだけではタンパク質や鉄分などの栄養が不足するので、離乳食の栄養が重要になる。今どの離乳食が適しているかは、食べ具合やうんちで確認できるという。「食べるスピードが早過ぎると丸飲みしていたり、口の中でためこんでいたら食べ物が大きかったり硬かったり。また、下痢や、うんちに食べたものがそのまま出てきたら、消化がうまくいっていない可能性があります」と桑江さん。

カレー、肉じゃがは便利

離乳食作りには、①まとめて作って製氷皿などで小分けに冷凍②大人用の食事からの取り分け、が便利だという。「特に最初は、少量しか食べないので冷凍保存が便利。炊飯時に、米の中央に、米と水を入れた湯のみを置くと、大人用と子ども用が同時に炊ける。レンジでおかゆを作れる容器も重宝しました」。取り分けできるメニューにするのも手。カレー、シチュー、肉じゃがなどは、味付け前に取り分けて、ペーストにすれば離乳食になる。山田さんは「パパにも協力してもらい、時にはベビーフードも上手に使って。頑張り過ぎず、赤ちゃんと『食べ始めること』を楽しんでください」と話した。


離乳食スタートのサイン

・首がしっかり座っている
・大人の食事に興味しんしん
・よだれの分泌が多くなり、もぐもぐする
・スプーンを口に入れても舌で押し返す力が弱くなる
・腰を軽く支えると、お座りができる
 (目安は生後4カ月後半~6カ月ごろ)


左から那覇市保健所健康増進課の桑江なおさん、山田美知子さん​

那覇市では、離乳食の教室「ごっくん教室」「もぐもぐ教室」を定期的に開催。対象は那覇市在住者。
問い合わせは、那覇市保健所健康増進課098‐853‐7961
離乳食の始め方の動画を配信中
https://www.youtube.com/watch?v=Xrem0uxaEWg​



 

離乳食 気になるQ&A

Q.沖縄の食材で向いているもの、向いていないものは?

A.冬瓜(トウガン)は5~6カ月ごろから、島豆腐は、ゆでて塩分をしっかり抜けば7~8カ月からOKです。沖縄そばは1歳から。塩分や脂質が多いので、しっかりゆがいてからあげてください。ゴーヤー、紅芋、パパイア、マンゴーなどはアクが強いので、離乳食の時期にはお勧めはしません。

Q.アレルギーが気になる。離乳食を遅らせてもいいか

A.離乳食の時期は、食感や味に慣れるため、いろいろな食材に挑戦させたい時期。自己判断で遅らせることは、お勧めしません。
心配なら、強い反応が出ないよう、初めての食材は小さじ1杯程度を目安に。病院にかかりやすい平日の日中に食べさせるといいでしょう。食べたものの記録や、発疹などの症状を撮影しておくと医師に相談しやすいです。
アレルギーが出ても、成長するにつれて食べられるようになることは多いので、悲観し過ぎないで大丈夫ですよ。

Q.食べてくれない…

A.ミルクでおなかがいっぱいじゃないか、反対に、空腹過ぎていないか。食品の軟らかさが子どもにあっているか、チェックしてみて。赤ちゃんは味覚が敏感なので調味料は不要ですが、だしを使うと食べる量が増えることも。だしは野菜スープ=右囲み=など、無添加のものを使いましょう。おいしいね、よく食べられたね、と笑顔で声をかけることも大事ですよ。
頑張って作った物を食べてくれないと落ち込みますが、一人で抱え込まないで。人に話すと気持ちが楽になります。市町村の窓口や子育て支援センターなどもご利用くださいね。


\5~6カ月のレシピ/

①重湯とつぶしがゆ


●材料
 ご飯大さじ1、水350ml

①ご飯に水を加えて軟らかく煮込む。
②おかゆの上澄みが「重湯」、軟らかくなったごはんをこし器でこしたものが「つぶしがゆ」。つぶしがゆは、重湯を足しながらこすとモチモチになりにくい。



②野菜スープとマッシュ


●材料
 ニンジン、玉ネギ、キャベツ、ジャガイモ、小松菜、ブロッコリー、水500~800ml

①野菜をざく切りにして鍋に入れ、水を加えて中火で30~40分軟らかく煮込む。アクを丁寧に取る。水が足りなくなったら足してもOK。
②野菜をざるにあける。スープは製氷皿や容器にうつして、冷凍。野菜(ニンジン、玉ネギ)は取り分けてつぶし、スープを加えてひと煮立ちさせる。水溶き片栗粉(粉1、水2)でとろみをつけると、よりなめらかになる。冷凍OK。



\大人用から7カ月、9カ月食を取り分け/

かぼちゃとひき肉のカレー


●材料(大人2人、子ども1人)
 カボチャ(2cm角切り)300g、牛と豚の合いびき肉 200g、玉ネギ(みじん切り)1/2個、バター大さじ、カレールー2~3かけ、ニンニク(みじん切り)2かけ、みそ少々、(7カ月用にカッテージチーズ10g)

★7カ月のレシピ★

カボチャ20gを取り分け、レンジで3分加熱、皮をむき、温かいうちにフォークでつぶす。カッテージチーズと合わせる。

★大人のレシピ★

①鍋にひき肉と水1/2カップを入れて火にかけ、かき混ぜながら火を通す。肉に火が通ったら、玉ネギを加えて日を通す。

★9カ月のレシピ★

①の玉ネギとひき肉20~25gを取り分ける(ひき肉は15g以下に)。水1/2カップを耐熱容器に入れ、電子レンジで50秒加熱。水溶き片栗粉とみそ少々を加え、レンジでさらに20秒加熱。ごはんにかける。

★大人のレシピ続き★

②①にカボチャと水2カップを加え、アクを取りながらカボチャが軟らかくなるまで中火で15分程度煮込む。
③火を止め、カレールーを溶かし入れる。別のフライパンにバターとニンニクを色づくまで炒め、カレーに加える。

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この記事のキュレーター

スタッフ
栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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