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2018年8月2日更新

[彩職賢美](株)丸海きあら 代表の山川美代子さん|顧客の声生かし 月桃商品を開発

月桃を使った商品の製造・販売を手掛ける(株)丸海きあら代表の山川美代子さん(68)。那覇新都心のショップで使用体験や商品の使用方法を細かく説明するなど顧客に丁寧に対応。その声を新商品開発にも生かしている。「昔から沖縄に自生する月桃の力を多くの人に知ってもらい、物づくりと地域経済の活性化へつながるとうれしい」と話す。

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物づくり・経済活性目指す

食物アレルギー対応食品専門店
(株)丸海きあら 代表

山川美代子 さん

「仕事を通して、多くの人たちに出会えることが喜び」と語る山川さん。月桃を素材にしたローションをはじめ、ジェル、みつろうクリーム、オイル、歯磨き、せっけん、マウススプレーなど多様な商品を製造・販売している。
山川さんの手掛ける商品の元となる月桃の葉は、工場のある大宜味村のJAS(日本農林規格)認定有機月桃畑で種から育てたもの。商品は、夫で工場長の清安さんが開発した独自の精油抽出法と蒸留法で原料の月桃の濃度が高い。天然成分のみで香り高く、肌にしっとりとなじむのが特徴だ。利用者からは「使い心地がいい」といった声が上がる。
現在、商品は那覇市のアンテナショップを中心に販売している。希望する顧客にはスプレーやせっけんを直接肌になじませ使用感を体験してもらうほか、月桃の品種などの基礎知識や日常生活での活用法などもアドバイスする。商品販売後も購入者に対し、商品を使ってみての感想や要望などを丁寧に聞くよう心掛けている。その声がヒントとなり「室内の消臭だけでなく、口臭ケアにも生かせるのでは」などと新商品を開発。アイテムを増やしている。
沖縄県産業まつりや手作り市など多くのイベントにも参加。「実際に商品を試してもらうことで、率直な意見や感想を聞くことができ、私もいろいろと勉強になります」。近年は、東京をはじめ、福島や神戸などのデパートやショップでも商品を展開。県外の代理店にも定期的に足を運び、自ら売り場に立つ。
山川さんは商品を売り場に陳列する際、独特のこだわりがある。「多くの人の目に触れるように袋に入れずに裸で抱えて運ぶようにしています。すると、『これ何』と商品に興味を持ってくれる人も現れ、知ってもらういい機会にもなっているんです」。やるからには一生懸命。その姿勢が喜ばれる物づくりへとつながっている。


山川さんが同社を運営し始めたのは50歳を過ぎた2002年。もともと夫とともに養豚場を営み、豚肉の調理、販売を担っていた。豚舎のふん尿の臭いを抑えようと、夫が改良した脱水処理装置で、自生していた月桃を搾り液体を抽出。それを臭い消しとして活用したのが、商品化につながった。
「豚肉を販売するついでに、雑貨として月桃の臭い消しも並べていると、ほしいという声が意外に多く出てきたんです」と話す。その反応を見て、ニーズが高いと判断。2005年、月桃を使った商品の販売へとシフトすることを決意した。「大宜味の工場から、当時浦添市にあった事務所に夫が商品を運び、私がシールを貼り、袋詰めして営業に出ていました。化粧水1本からでも配達をしていたので、時には夜中の12時までかかることもありました」と振り返る。
発売から10年以上は、口コミを中心にアンテナショップや代理店、イベントでの販売のみだったが、3年前からは息子の清仁さんのフォローがありネット販売も開始。売り上げも次第に増加している。
「将来的には、お客さまの要望に合わせた手作りの化粧水を作るのが夢。また、新たな商品を開発することで、沖縄の経済の活性化につながればうれしい」と目を細めた。




ビッグサイトで販売も

一昨年、東京で開かれたイベント「ダイエット&ビューティーフェア2016東京ビッグサイト」に出店した山川さん。「予想以上に反応が良く、『森林浴をしている気分になる』などと言ってくださるお客さまが結構いましたね」と喜ぶ。月桃のさわやかな香りに興味を持つ人が多かったそう。
「沖縄に行くときは、店に顔を出しますね」との連絡もあり、会場での購入がきっかけでリピーターになる人もいるという。


※写真は山川さん提供



共同研究の結果を会見

2013年には、月桃液の殺菌効果などについて琉球大学農学部教授との共同研究の結果を記者会見の場で発表した山川さん夫婦。
「月桃はわたしたちにとって宝。今でも配送時に道に生えている月桃を見ては、心の中で『ありがとう』って感謝しています。道端で汚れている月桃を見ると、やんばるに持っていって大切に育てたいって思うことも」とにっこり。

<問い合わせ>
(株)丸海きあら 098-988-3080
沖縄県那覇市おもろまち2-6-11
フロンティアビル 南ウィング4階


※写真は山川さん提供



山川さんのハッピーの種

Q.趣味は?
人と話すのが大好きで、今の仕事も楽しく取り組めているので、仕事が趣味と言えるかも。たまの休みには、音楽を聞きに行くことが多いですね。大好きなりんけんバンドのライブを見に行くのが、私にとっての癒やしの時間になっています。息子がキーボードを担当しているので、ときには間違えないか心配しながら見入ってしまうことも(笑)。


※写真提供=りんけんバンド



PROFILE|やまかわ・みよこ|1950年、本部町出身。高校卒業後、接客業に従事。結婚を機に夫の手掛ける養豚業を手伝う。98年、豚肉の販売を中心とする(有)丸海を夫が設立。主に販売を担当。2003年、月桃の蒸留液を雑貨商品として販売。05年、業務内容を化粧品製造、販売業へ。12年、那覇市おもろまちにアンテナショップを開設。13年、月桃ハミガキ、マウスウォッシュが特産品フェアコンテストで県知事賞を受賞。
PROFILE
やまかわ・みよこ
1950年、本部町出身。高校卒業後、接客業に従事。結婚を機に夫の手掛ける養豚業を手伝う。98年、豚肉の販売を中心とする(有)丸海を夫が設立。主に販売を担当。2003年、月桃の蒸留液を雑貨商品として販売。05年、業務内容を化粧品製造、販売業へ。12年、那覇市おもろまちにアンテナショップを開設。13年、月桃ハミガキ、マウスウォッシュが特産品フェアコンテストで県知事賞を受賞。




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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1306>
第1618号 2018年8月2日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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