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2017年11月23日更新

[彩職賢美]コズミックコンサルティング代表の波上こずみさん|働き方改革に力注ぐ

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の観点から企業向けのコンサルティングや研修、セミナーなどを行う波上こずみさん(41)。昨年、自らの経験を踏まえ組織・人材育成コンサルタント「コズミックコンサルティング」を起業。「多彩な人材を育てたい」と、働く人が輝く社会を目指し、サポートに力を注ぐ。

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コズミックコンサルティング代表
組織コンサルタント
波上こずみ 
さん

コンサルティングを通して人や会社が変わり、雰囲気が良くなっていく手応えを感じるのがやりがい」と話す波上さん。

企業向けのコンサルティング業務では、社内の各部署から選出したプロジェクトメンバーから意見を聞き、共に業務の効率化を目指す。「残業が多い」といった意見が出れば、「時間内に成果を出す働き方に変える」ことを社内で共有。まずは1日の時間の使い方を見直すことから始める。社員1人1人が自分の業務を一覧表にする「業務の見える化」で、残業が多い原因を明確にすることで改善への手掛かりにする。

「働き方改革」をテーマにしたセミナーでは、「子どものお迎えや家事などで女性は男性のように働くのは無理と考えがちで、女性自身が消極的になってしまっている。会社としても、もっと女性が活躍できる環境を整えていけば女性ももっとチャレンジする気持ちになるはず」と訴えることも。企業やセミナー参加者からは「受け身だった人が能動的になった」「子育ての悩みや現状を共有できた」といった声が上がっている。

大学生活を東京で過ごした波上さんは卒業後、東京の旅行会社に就職した。海外旅行ツアーの企画を旅行業界に提案する業務を3年続けた後、現在の夫と出会い2004年に地元の沖縄で働きたいと帰沖。同年、沖縄観光コンベンションビューローに就職、観光客誘致事業に携わった。出産のため一時仕事から離れるが復職し、人材育成担当を任された。

そこで、仕事と育児の両立をこなさざるを得ない毎日に直面した波上さんは「出産前のような働き方は難しかった。仕事を完璧にこなせず『職場に迷惑をかけてないか』、『もっと子どもに関わりたい』との思いが募る時期もありました」と話す。そんな中、第2子の出産に加え、父親が体調を崩し介護の手伝いが必要に。「悩む毎日でしたが、それが働き方を見直すきっかけになった」と波上さんは言う。

そのころ、沖縄県主催の人材育成講座に参加したことが転機に。「これまでの私の経験もあり、人を育てる重要性と、働き方を変えることの重要性を意識するようになり、ワーク・ライフ・バランスに興味を持ちました」と振り返る。仕事の傍ら数カ月間、東京で開かれている講座に通い、(株)ワーク・ライフバランス認定のコンサルタントの資格を取得した。

資格取得を機に「沖縄で多様な人材を育てたい。働く人が生き生きとした組織作りの手伝いをしたい」と昨年3月、コンベンションビューローを退職し、4月に現在の「コズミックコンサルティング」を起業。13年続けた仕事は好きでやりがいもあり、辞めるには迷いもあったが「やりたいことを頑張って」と家族に励まされたことが波上さんの背中を押した。「まだ駆け出しで不安はもちろん、何をするにもひとりなので決断することの難しさはありますが、そんなプレッシャーも楽しみの一つ」と笑顔。

現在、県内2社の企業アドバイザーとして業務見直しや意識改革などのアドバイスをする。口コミを中心にセミナー参加者も増加している。「今後はワーキングマザーのポータルサイトを作り、情報共有や交流できる場にしたい。また、働く上で悩んでいる人たちが気軽に相談できる存在でありたい」と満面の笑みを見せた。




完璧求めず今の自分を受け入れ
ワーキングマザー向けのセミナーでよく質問されるのが「仕事と子育ての両立」について。波上さんは「完璧を求めず、今の自分を受け入れること」とアドバイス。「女性はライフステージが変わるたびにさまざまな役割を担うので、本当の自分を忘れがち。『自分は今後何をしたいのか』などと、意識的に考える時間をつくることが大事」という。
また、「今後、細やかな女性の視点が企業にとって不可欠になってくると思います。消費者の大半が女性だと考えると、どんな業界でも女性のアイデアを取り込んでいかないと成長できないと思います」と話した。



旅行でリフレッシュ
以前に旅行会社に就職したのは、旅行が好きだったからという波上さん。「出産後はなかなか旅行に行けないのですが、県外で行われる人材育成向けのセミナーに参加するなど、きっかけをつくって、県外に出掛けるようにしています」と笑う。出掛けるついでに観光地を巡ったり、自身のリフレッシュも兼ねているそう。「旅行から帰ってきてからは、気持ちも穏やかになり何をするにもうまくいく気がします。忙しくなると、イライラしがち。リフレッシュすることでストレス発散にもなります」と話す。県外には友人もいて、お互いの身辺の話をして刺激を受けたり、励みにもなるそう。


ことし3月、仕事と旅行を兼ねて三重県に行き、伊勢神宮を訪れた波上さん


波上さんのハッピーの種
Q.趣味は?
小中高とバスケット部に所属し、体を動かしていたので運動は好きで、趣味でもありますね。今はバスケはしていませんが、マラソンは続けています。体力づくりはもちろん、体を動かすことで嫌な気持ちも吹き飛びます。最近では、尚巴志ハーフマラソンに出場し完走しました。現在は、12月のNAHAマラソンに出場予定なので、完走を目指して体を動かしています。


尚巴志ハーフマラソンに参加した波上さん(中)と応援を頑張った子どもたち(写真3点は本人提供)


コズミックコンサルティング
090-9330ー9105
http://kozumi-naminoue.com/​



PROFILE
なみのうえ・こずみ
1976年、那覇市出身。県立首里高校卒業後、東京の大学に進学。2001年JTBワールドに入社。04年帰沖、沖縄観光コンベンションビューローに入職。05年に結婚。出産後、組織内人事担当者として従事。16年、(株)ワーク・ライフバランス認定コンサルタントの資格を取得。同ビューロー退職後、同年4月に「コズミックコンサルティング」を起業、現在に至る。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1279>
第1584号 2017年11月23日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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