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2014年11月27日更新

[彩職賢美]わいんや「目福口福」店主 濵田聖子さん|ワンライフを楽しめる接客

ソムリエとして長年働き、ワインを販売する「わいんや目福口福」を営む濵田聖子さん。サービス業で働いてきた経験を活かし、価格や味、シチュエーションなど、飲む人、飲みたい人の状況に合ったワインを提案。人と向き合うスタイルを大切にする。挫折や父との突然の別れなど、絶望の中にいた濵田さんを救ったのはワインがつないだ縁だった。

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ワインライフ楽しめる接客

一人ひとりに合わせワインを提供
わいんや「目福口福」店主

濵田 聖子さん


土曜日の午後。店舗には「晩酌」や「贈答用に」とワインを求める人が訪れ、出合った1本を手にうれしそうに家路を急ぐ。
価格なのか味なのか、はたまたシチュエーションなのか。どんな楽しみ方をするのかを聞き取り、その状況にピッタリな1本を提案。さらには生産者や生産地など、そのワインにまつわるストーリーを伝えることも忘れない。「ワインライフをより楽しめるサービスを提供するのが私の役割」と話す。
その思いは店内に商品を紹介するポップ類をあえて用意しないなどの営業姿勢にも表れる。「要望や会話から求めるワインとめぐり合うきっかけを作ります」と濵田さん。
雰囲気も楽しんでほしいとBGMはクラシック音楽。温かみのある照明にもこだわった。さらには買い物に付き添う人も退屈しないよう本やイスを用意するなど、配慮も見せる。
いつも笑顔で客を迎える濱田さんだが、その道のりは決して平坦なものではなかった。



要望を伝え、顧客と共に好みの1本を厳選する濵田さん(左)。常連客の中には会話を楽しみに来店、順番を待つ人も少なくない


「自立」を目標に、兵庫県神戸市にある専門学校に進学。アルバイト先のバーで「ソムリエ」という職業を知った。「手に職をつけたい」と考えていた折、その格好良さも手伝い「ソムリエ」になることが目標になった。
卒業後、帰沖し県内のリゾートホテルに就職。目の前の仕事に追われる日々に「これでいいのか」と不安にかき立てられた。
そんな時、県内ソムリエの第一人者の一人、平瀬すみえ氏のレストランがスタッフを募集しているのを知り、「家族から反対されたが将来のプラスになるはず」と転職を決断した。
プロ並みにワインの知識を持つ顧客も多く、甘えは許されない世界に、辞めたい気持ちが募ったことも。そんな時に「楽しかった。ありがとう」という客の声に励まされ、思い直したことも少なくない。
その後、ソムリエの資格を取得、転機は30歳の時に訪れた。
ワイン販売の営業として就職。飲食店での経験を生かした営業方法や人柄も手伝って、顧客の数を伸ばしていた矢先、父が突然亡くなり、勤務先も閉店。「やりがいもあり、楽しかった」という仕事は一転した。「後悔や喪失感から働く意欲を無くし、家から外に出る事もなく、2年間泣いて暮らした」という。
そんな濵田さんを奮い立たせたのは、かつての顧客から告げられた「あなたがいなくなってワインを飲まなくなった」との声だった。
「私に何ができるのだろう」。考えた末にたどり着いたのはやっぱり「ワイン」だった。そこから、これまでの経験を生かした店が作れればと考えるようになった。
夫の後押しも手伝い、2011年に店舗をオープン。現在は「ワインを通したサービス業の楽しさを伝えたい」と、若手の育成も兼ねた勉強会も開催している。
「人の縁でここまでこれた。今の仕事は若い頃に応援してくれたお客様へ恩返しする気持ちも込めている」。ほほ笑む笑顔の中に力強い決心が表れていた。


 

濵田さんのハッピーの種

Q.大切にしているものはなんですか?
家族です。特に夫にはいつも助けてもらっていて、大事なパートナーです。それから昭和7年生まれの母。今でも「あなたに任せたら大丈夫、といわれるような仕事をしなさい」と教えてくれます。

Q.興味のあることは?
最近、チェロの音色が心地いいと感じています。好きなチェリストがいるのでそのコンサートに行きたい! また、着物を着ることも好きです。2015年の元旦は着物で振る舞いシャンパーニュを計画中。
夢はいつかフランスに行って、着物でルーブル美術館に行くことです。



わいんや「目福口福」
沖縄県宜野湾市普天間2-47-13(地図
098-943-1102
火曜、水曜定休
11時~19時



PROFILE
濵田聖子(はまだ・さとこ)1973年、沖縄市生まれ。1994年、兵庫県の駿台ホテル観光事業専門学校(当時)を卒業。99年、ソムリエの資格を取得。飲食店勤務や営業の仕事などを経て、2011年宜野湾市に「わいんや目福口福」をオープン。14年より日本ソムリエ協会沖縄支部の役員として県内のワイン業界を支える働きも担う。



今までの彩職賢美 一覧

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撮影/比嘉秀明・編集/相馬直子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1148>
第1429号 2014年11月27日掲載

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編集者
横浜市出身、沖縄で好きな場所は那覇市平和通り商店街周辺と名護から東村に向かう途中のやんばる。ブロッコリーのもこもこした森にはいつも癒されています。「週刊ほ〜むぷらざ」元担当。時々、防災の記事なども書かせていただいております。被災した人に寄り添い現状を伝えること、沖縄の防災力UPにつながること、その2点を記事で書いていければいいです!

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