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2015年6月18日更新

[彩職賢美](有)フタバ 代表取締役社長 大城恵子さん|9割が女性 働く環境整える

かりゆしウエアや制服など衣類の仕立て、ユニフォームの刺しゅうなどを手掛ける(有)フタバ。社員の9割が女性の同社で大城恵子代表取締役社長が目指すのは「女性が働きやすい職場環境」だ。働く親を見て育ち、自身も子育てと仕事の両立に悩んだ経験から、社員たちをサポートする環境を整える。また、女性の視点を生かしたアイテムを提案、県内外に発信を続ける。


 

女性目線で商品づくり

衣類の縫製や刺しゅう請け負う
(有)フタバ 代表取締役社長

大城 恵子さん


ブラウスや制服の仕立て、ユニフォームの刺しゅうなど、縫製全般に携わる(有)フタバ。11年前に立ち上げた、かりゆしウエアの自社ブランド「和」では大城さん自らもアイデアを出し、社員と共に商品開発に取り組んだ。

誕生した女性用かりゆしウエアは女性たちの「自分が着たい、あったらいいな」を形にしたもの。軽くて通気性の良い麻素材を選び、日焼けしにくい7分袖を採用。襟元も女性らしさを意識したチャイナカラーやヘチマ襟などを取り入れた。

同ブランドの柄やデザインは根強いファンも多く、何年にもわたり、支持され続ける種類も少なくない。また、2010年に行われた東京ガールズコレクションin沖縄では、県外ブランドとコラボした商品を発表するなど、挑戦の幅も広げている。

順風満帆だったわけではない。「経営が厳しかったことや業務に追われ苦しんだこともある。何度も辞めようと思った」と心情を吐露。そんなとき奮い立たせてくれたのが「私たちの洋服を着る人の笑顔」だ。「大手メーカーと比べると生産数は少ないが、一枚一枚思いを込めて作り、送り出している。制服でもかりゆしウエアでも、私たちのアイテムは一目で分かる」とほほ笑んだ。



スタッフらとミーティングをする大城さん=左から2人目。長男の耕太郎さん=左=、長女の香織さん=左から3人目=もアドバイス


(有)フタバは、1966年、先代の父が立ち上げた。当時の業務は制服の仕立てがメーン。忙し過ぎる母の心配や接客が苦手な父のフォローをするうちに、社内でも中心的な役割を担うようになっていった。

93年に父の後を継ぎ代表に。
目指したのは「女性が働きやすい職場作り」だ。社員9割が女性。「家事や育児、介護を担う主婦が8時間働くのは大変。家にいない、子どもとの時間がないでは、家庭を豊かにするために働いているのに逆効果。時間はお金で買えない」ときっぱり。

方針の一つが、「個々の事情に合わせた時間で働けるようにする」こと。生産性を維持するためには「前もってできることはする」「働く時間に応じて業務を分け、シフトを調整、集中して仕事ができるようにする」などを徹底。現場から「働きやすくなった」との声が聞こえた。

「本気で働きたい人の気持ちには応える」のが大城さん流。根底にあるのは自身の記憶だ。「深夜まで仕事をする母が嫌だったのに、私も同じように仕事をしていた。子どもたちに申し訳なかったし、あの悲しさはほかの子どもには味わわせたくない」。子、親それぞれの立場で悩んだ経験があるからこそ「お母さんと子どもが接する時間が必要」と力を込めた。

一方で女性が社会に出る必要性も力説。「外の空気に触れると視野も広がる。仕事と家庭とのメリハリが大事」と語った。

今、大城さんを支えるのは、同じ職場で働く子どもたちだ。「いつの間にか手伝ってくれるようになった」とはにかむ一方、「早くバトンタッチして活躍してもらいたい」と期待を込める。

それでも「工場が好き。商品に触れていると落ちつく」。作業する一人一人を見渡し、優しい笑みを浮かべた。

 

大城さんのハッピーの種

Q.将来の目標はありますか?
引退後は大学で勉強したい。私は高校卒業後、就職し、すぐに結婚。子育てや仕事に追われていたこともあり、もっと学びたい。
興味があるのが沖縄の歴史。休みの日には、玉城や久高島など、歴史的なスポットをまわることもありますよ。地元にいても知らないことはたくさんある。いいも悪いも勉強して伝えていきたい。

Q.心掛けていることは?
笑顔で接することを心掛けています。怒ること、辛いこと、ありますけど、顔に出さないように気を付けています。そうした嫌な感情ってそのまま商品に反映されてしまうんです。そうなると、お客さんに申し訳がない。それに笑顔の方が一緒に居て気持ちがいいでしょ。
私たちは皆さんが気にかけてくれて、チャンスをもらって仕事ができている。だからそれに感謝をする意味でも笑顔を絶やさずにいたいです。



(有)フタバ
沖縄県那覇市天久893-4(地図
098-868-8811
http://www.futaba-okinawa.com/​



PROFILE
大城恵子(おおしろ・けいこ)1953年、今帰仁村生まれ。沖縄県立那覇商業高等学校卒業後、合同会社西友(東京都)に入社。1973年帰沖。(有)フタバに入社、以後、子育ての傍ら、社の中心となって業務に携わる。93年、代表取締役社長に就任。2004年、かりゆしウエアの自社ブランド「和」を立ち上げる。沖縄県衣類縫製品工業組合会員。



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撮影/比嘉秀明・編集/相馬直子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1173>
第1457号 2015年6月18日掲載

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編集者
横浜市出身、沖縄で好きな場所は那覇市平和通り商店街周辺と名護から東村に向かう途中のやんばる。ブロッコリーのもこもこした森にはいつも癒されています。「週刊ほ〜むぷらざ」元担当。時々、防災の記事なども書かせていただいております。被災した人に寄り添い現状を伝えること、沖縄の防災力UPにつながること、その2点を記事で書いていければいいです!

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