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2015年8月20日更新

[彩職賢美]COCO動物病院院長 山下ちささん|動物と飼い主を全力でサポート

山下ちささん(41)は、COCO動物病院を開業して10年。看護師らスタッフも女性で「何でも相談できる病院」がモットーだ。山下さんは、「来てくれた方、みんなに笑顔になって帰ってほしい」とにっこり。「動物から学んだことを伝えたい」と、沖縄県獣医師会の学校飼育動物対策委員委員長として、学校で動物ふれあい教室なども行う。

COCO動物病院院長 山下ちささん
 

動物から命の大切さ学ぶ

動物の健康守る獣医師
COCO動物病院院長

山下 ちささん


患者は物言わぬ動物たち。表情を読み取り、飼い主の話に耳を傾け、どんな症状かを絞り込む。洞察力やコミュニケーション力を問われる仕事だ。「難しいからこそ、やりがいがある。仕事をしていると、生きている実感があるんです。趣味は無い」と笑うほど、仕事一筋だ。

華奢な見かけによらず、学生時代にバイクで北海道を一周するほどの行動派。「やりたいと思ったら、やり遂げます」と気負いなく話す。

動物と人が好きで、高校生のころから獣医師を志した。出身は千葉県。大学卒業後、就職のために沖縄へ移住した。初めて沖縄へ来たときに「空気感がぴったり合った」

当初は県職員として食肉に関わるも、「生きた動物や、人と関わりたい」と退職。動物病院で勤務し「やりたい仕事だ」と実感した。一方で「動物病院は大きな組織はほとんどなく、女性が働き続けるのは難しい。いずれ開業を」と独立を意識した。

その後、第一子の出産や子育てで2年間仕事を離れていたが、「仕事が好き」という思いが膨らんだ。



優しく声を掛けながら診察する山下さん。時には夫の秀雄さんに手伝ってもらう。診療するのはイヌ、ネコ、ウサギ。午前中と夕方は診療、その間に手術をする


開院のきっかけは自宅を新築したこと。迷ったが、病院を併設した。最も大変だったのは、開院後3年目で第二子を出産した時。子育てをしながら、勤務を続けた。産後半年は友人の獣医師の助けを借りながら、診療は休まなかった。妊娠中も手術をし「手足がバラバラになる」ような忙しさだった。それでも「信頼してくれる患者さんがいる限り、自分の力をすべて出そう」と、夢中で乗り越えた。

その後、心境に変化があった。「開院当初は不安が大きかったけど、獣医師として経験を重ねたこともあり、良いも悪いも自分の責任と覚悟が決まって。仕事が楽しくなった」。

当初から大事にしているのが、「女性目線を生かし、相談しやすい場所に」という病院の個性だ。問題が起きたらスタッフと話し合い、安心できる環境作りに励んできた。

生と死に向き合う現場。「死ぬと本当に終わりなんだと実感する。生きている間は大切に関わらないとと、心で感じるようになった」と話すなど、動物から学んだことは多い。

そうした思いを伝えたいと、2年前から獣医師会の学校飼育動物対策委員の委員長に就任。学校で飼育する動物の相談を受け、動物とのふれあい教室も開く。「動物を通して命の大切さや思いやりを学べる。みんなの命も自分の命も大切、と思える社会になるといい。そうなると、いじめや自殺もなくなるのでは」と期待する。

夫と二人で始めた病院は、常連でにぎわい、スタッフは4人に増えた。3年前から患者の要望に応え、英語での診療も始めている。通訳のアルバイトに来てもらい、自身も英語を学ぶ。「多くの人が動物と幸せに暮らせるよう、全力でサポートしたい」。今日も動物と飼い主に、百パーセントで向き合う。


 

山下さんのハッピーの種

Q.動物は子どものころから好きだったのですか?

実家には常に動物がいました。誕生日プレゼントとして、インコを買ってもらったことも。イヌ、金魚、ザリガニなども飼っていました。インコのにおいが大好きなんです!
大学時代は1人暮らしで、ネコ2匹とインコを飼っていました。それから、動物がより近い存在に。動物たちと心が通い合ったと感じました。そのときの経験は、今の診療にも生きています。
 

Q.パワーの源は?

11歳と7歳の2人の娘と夫です。家にいる時は、思い切り母親。娘たちとのおしゃべりや、一緒にいる時間が元気の源です。また、夫が子育てや家事を積極的にサポートしてくれたので、仕事も続けられています。家族がいるから頑張れます。


◆COCO動物病院
098-958-3311
沖縄県読谷村座喜味88
http://cocoanimal.com/


PROFILE
山下ちさ(やました・ちさ)1973年千葉県生まれ。1998年日本獣医畜産大学の獣医学科を卒業。その後、沖縄に移住。県職員を経て、動物病院に勤務。退職後2005年にCOCO動物病院を開院。2012年より、公益社団法人沖縄県獣医師会の学校飼育動物対策委員委員長を務める。


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マイライフ|ファンオキナワ


撮影/高野生優(フォトアートたかの)・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1181>
第1466号 2015年8月20日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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