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2016年11月10日更新

豊かな森で育つ島の木|沖縄 暮らしのでざいん

執筆/沖縄暮らしのでざいん研究会 新里香代子
【木のものづくり】沖縄には豊かな森林があり、そこで育った多様な木々で家具などが作られています。木のものづくりについて木工房島変木に聞きました。

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豊かな森で育つ島の木

木のものづくり
沖縄には豊かな森林があり、そこで育った多様な木々で家具などが作られています。木のものづくりについて木工房島変木に聞きました。


沖縄県土の約46%は森林です。約半分が森林と聞くと、ピンとこない数字かもしれませんが、森林のほとんどは本島北部と八重山諸島にあります。沖縄の森林は、戦争による破壊にあい、戦後は復興のための材として利用するために木々が大量に伐採され、いったんは荒廃してしまいました。しかし、その後森林整備が行われ、今では豊かな森林となりました。亜熱帯気候と離島県という環境のもと、多種多様な木々が育っています。

木々は、フローリング材のような建材や亜熱帯樹種の特徴を生かした家具など、さまざまな用途で利用されています。

「木は、幹や枝だけでなく皮や葉まで捨てるところなく全部使える。使った分は新たに植えることで、再生できる貴重な資源です」と話すのは木工房島変木の屋宜政廣さん(60)。建材や家具は大きな材で作り、小さな材ではおもちゃやカトラリーなどの雑貨、皮や葉は染織物の染料にするなど、木は幅広い用途で使用されています。

おなじみのガジュマルや県木のリュウキュウマツのほか、クスノキやセンダン、イタジイ、アカギなど多くの樹種があり、それぞれ特徴があります。

「木目や色の美しさ、香り、それぞれに良さがある。沖縄で育つ木は、風の影響で曲がっている木も多いのですが、それもみんな宝物。木工の作り手は長い年月をかけて育った木を少しも無駄にしないよう、作っているんです」

使い続けるうちツヤが出て、何ともいえない味わいに育つのも木の物の良さ。使うことで良さを味わえるのが木の物です。皆さんの暮らしの中にも、沖縄の木で作られた物を取り入れてみませんか。



リュウキュウマツ/センダン/クスノキ/アカギ
沖縄で育つ木の樹姿と木目。幹や葉の色、形の違いのほかにも、板になったときの違いが分かります。木目の細かさ、色などそれぞれ特徴があります。これらの木々は、森林だけでなく街路樹として利用されていたり公園などの緑地でも見られます。


子ども用カウンターチェア
1脚のイスにいろいろな樹種が使用され、イスのデザインになっています
作・木工房島変木


ロッキングうさぎ
うさぎの顔と首の部分はアカギ、持ち手はヒバ、乗り面はクスノキです



小器とトレー
カップはシークヮーサー、トレーはリュウキュウマツで作られています


お椀とカップ
お椀はセンダン、奥側のカップはヤラブ、手前のカップはカイヅカイブキ
作・オサム工房(ウッドデザイン賞2016受賞)


木工房島変木の屋宜政廣さん
木工房島変木の屋宜政廣さん。「木は全部が宝物です」

 

秋の夜長はいい音色と共に

県産クスノキをくり抜いて作られた球形のスピーカーは、その名も「HADO」。小さくても大きなホールやライブの音響まで担えるスグレモノです。空間に広がる音の波動には、癒やし効果もありそう。秋の夜長はいい音色に浸りながら過ごすのもいいですね。
<協力>
合同会社スペックプロジェクト
沖縄県那覇市首里山川町3-8-23
098-943-0072

 

沖縄ウッディフェア

「第21回沖縄ウッディフェア」が2016年11月10日(木)~13日(日)まで開催。プラザハウスショッピングセンター(沖縄市)にて。県内の木工房が一堂に会して木製品の展示販売を行う。
<問い合わせ>
沖縄ウッディフェア事務局
098-877-8588


沖縄 暮らしのでざいん
特別な節目を器で演出
豊かな森で育つ島の木
 


『週刊ほーむぷらざ』第1530号 2016年11月10日掲載

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