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2012年11月8日更新

子どもと自然「肌で触れ感じる環境を」

海んちゅ写真家 古谷千佳子のフォトエッセー「潮だまり」vol.20



子どもと自然

肌で触れ感じる環境を


植物の息吹が感じられない三面張りコンクリートの川。汚れた川にも魚が住み、パクパク呼吸し餌を探し求めている。「橋の下が魚のおうちなの?」。そんな水際の光景にも、子どもの興味の矛先が向く。しかし、親としては、ちょっと目を離した隙に、破れた金網をくぐり、川に落ちたりしたら…、想像するとぞっとする。

だから4歳の息子には日々「母さん海なら泳げるけれど、川は助けられないから、大人がいない時に絶対近づかないでね」と言ってしまう。街に住み、自然の大切さをどうやって伝えたら良いのか。親として、表現者としてのリアルな課題。

一昨日、糸満市の小学校の総合教育で行く「干潟観察会」を撮影しに同行した。学校からアスファルトの道を歩き、干潟へ渡るためには、大人の身長ほどある「護岸」を乗り越えるため、はしごを使わなければならない。水の被害から街を守るために作られた人工的な護岸が、自然と私たちを分断してしまっている。

人の目が行き届かない=危険な場所というエリア分けによる物理的、精神的な隔たり。そして生き物の生活空間の隔たり。

例えば、オカヤドカリ。子ども時代は海で暮らし、大人になって陸で住む。昔は川から遠く離れた農地などで、その姿は度々見られたという。そして夏の大潮の日、おなかに卵を抱え波打ち際へ下りていく。ひと腹に何万個もくっついていた卵は海中に散らばった瞬間にふ化し、オキアミかエビのような姿のプランクトンとして生活する。それは、河口付近の魚たちにとって貴重な食料源となる。つまり、オカヤドカリ類の数が減れば、幼生を餌にしている魚類などにも連鎖的に影響が出てしまうだろう。

熊手で砂を掘ると、いろんな生き物が出てくる。しゃがみこむと海や川のにおいがする。「先生これなんですか?」。次々と子どもたちの質問が飛び交う。遠目にただの砂に見えても、そこには多くの生き物が住んでいる。子どもたちは次第にミクロの世界に引き込まれていく。自然に触れ、人間以外の世界を知り、そのつながりの中で私たちも生きていること。それは肌で触れ、心身に響いてくる。学校、家庭、地域が連携して、子どもたちが自主的に自然と向き合える環境を作っていくことが大切なのではないか? 都会と自然の入り混じった世界であっても、どんどん連れ出すことから始めないと!




[文・写真]
古谷千佳子(ふるや・ちかこ)
那覇市在住。海の仕事に従事、スタジオで写真を学んだ後、海人写真家となる。海・自然と調和する人々の暮らしや伝統漁業を主に撮影する。TBS「情熱大陸」などに出演。著書に 写真集「たからのうみの、たからもの」、「脳を学ぶ2」(共著)ほか
http://www.chikakofuruya.com/

 
古谷千佳子のフォトエッセー『潮だまり』
週刊ほーむぷらざ 第1324号・2012年11月8日に掲載

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