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2024年3月7日更新

おいしい備蓄とポリ袋調理|今日から始める防災対策

災害への備蓄していますか? 沖縄県栄養士会JDA‐DAT(日本栄養士会 災害支援チーム)の友利潤子さん、稲垣夏子さんに、無理なくおいしく備蓄をするための工夫や災害時に役立つポリ袋調理の簡単レシピを教わりました。3月11日は防災意識を育てる日。


多めに買ってお助け食材に

備蓄はしたいけれど、ハードルが高い…という人は多いのではないか。「備蓄品になる缶詰やレトルト食品は、時間がないときや疲れているときのお助け食材にもなる。多めに買っておいて普段使いするといいですよ」と友利さんと稲垣さん。お勧めの備蓄方法やポリ袋で湯煎する「パッククッキング」のレシピを教わった。
 
沖縄県栄養士会JDA-DAT(日本栄養士会 災害支援チーム)の友利潤子さん(左)、稲垣夏子さん
 

Q どれだけ備えるべき?

A 3日~1週間分の食品の備蓄を。

過去に国内で起きた自然災害は、ライフラインの復旧まで1週間以上を要するケースが多く見られます。特に沖縄は離島県なので、災害支援物資が3日以上到達しなかったり、物流の停止で1週間ほど食品が手に入らないことが想定されます。

基本的に家族の3日~1週間分の備蓄が推奨されています。2~3日分は冷蔵庫にある食材でまかなえることも多いので、まずは3日分の缶詰やレトルト食品の備蓄から始めてみてはどうでしょうか。

 

Q 備蓄のハードルが高い…

A 普段の食事に取り入れてみては。


缶詰やレトルト食品などの備蓄食材は、時間がないときや疲れた時のお助け食材になります。おいしそうなものを買ってみて、お助け食材として使っていきましょう。例えば味付けされた肉や魚の缶詰は、食事や弁当の一品に使えます。

食べてみておいしかったものは多めに買っておき、賞味期限が来る前に消費し、買い足す「ローリングストック法」がお勧めです。何をどのくらい備えたらいいか分からない、という人は、災害が発生し1週間買い物に行けない時に何が必要になるかイメージしてみましょう。

タマネギやニンジン、ジャガイモといった日持ちのする野菜、賞味期限が長い乾物(切り干し大根、ひじきなど)、真空パックのお米を1袋余分に買っておくのも備えになります。

パスタとパスタソース、インスタントスープとアルファ米でリゾット風など、組み合わせをイメージするといいですよ。

備蓄食材は、災害時以外に体調を崩して買い物に出られない時の備えにもなります。家族構成やライフスタイルに合わせて、賢く楽しく備えましょう。

 

Q 乳児がいる場合に気をつけることは?

A 液体ミルクを備蓄しておきましょう。

避難生活では強いストレスから母乳が出にくくなることや、調乳が難しいことがあります。粉ミルクを使う際は哺乳瓶を衛生的に取り扱わなくてはいけないため、水やお湯、電気が必要です。東日本大震災で乳児のミルクの確保が課題になり、2017年に起きた熊本地震の翌年、液体ミルクが販売されました。

もしもの時に備えて、液体ミルクを1~2週間分くらい備蓄しておきましょう。また、一度も使ったことが無い場合は、いざという時に赤ちゃんが受け付けられるように、夜中の授乳時や外出時などに、試してみてはどうでしょう。

 

Q 食事に配慮が必要な人の備えは?

A 2週間分備蓄しておきましょう。

乳幼児や高齢者、食べる機能が弱い、慢性疾患、食物アレルギーなど、食事に配慮が必要な方は少なくとも2週間分の備蓄が推奨されています。

このような特殊な食品は行政の備蓄が多くはなく、ニーズに合ったものがすぐに届くとは限りません。東日本大震災では、食物アレルギーの方の食事の配布が、震災の1カ月後だったということもありました。

避難所では最初はおにぎりやパン、その後お弁当などが配布されます。血糖値や血圧が高い方に向いていなかったり、アレルギー食材が入っていたりすることも考えられます。健康を維持するために、備えておくことはとても大切です。
 




ポリ袋でパッククッキング


Q 災害時に役立つ調理法は?

A 「ポリ袋+湯煎」でパッククッキング。



耐熱性のポリ袋に材料と調味料を入れ、袋のまま鍋で湯煎する「パッククッキング」という調理法があります。

電気やガスが復旧していなくても、カセットコンロとガスボンベ、水と食材があれば温かい食事を作れます。使う水が少なく節水になる、工程がシンプルで簡単、違う料理を一度に作れる、食事の個別対応ができる、など、さまざまな利点があります。

調理には、耐熱性のポリ袋を用意します(スーパーや百均で購入可)。調理の手順とポイントを紹介します。①鍋の中に皿や布巾を敷き、お湯を沸かす。②耐熱性のポリ袋に食材、調味料を入れてよく混ぜる。ポリ袋内の空気を抜き、上の方で結ぶ。③お湯が沸騰したら②を入れ、食材に火が通るまで加熱する。

簡単なので、一度作ってみてはどうでしょうか。




【ごはん】
(1人分)材料…米カップ1杯、水カップ1.2杯
作り方…
①耐熱性ポリ袋に米と水を入れて30分吸水させる。
②鍋に水の状態から②を入れ、沸騰後20分加熱する。
③火を止め、鍋の中で10分蒸らす。
※おかゆは、米カップ1/2杯、水カップ2杯にし、同じ手順で作れる。

【親子丼の具】
(1人分)材料…焼き鳥缶(たれ)1缶、卵1個、玉ねぎ1/4個(50g)
作り方…材料を耐熱性のポリ袋に入れて30分湯煎する。

【蒸しパン】
(4人分)材料…ホットケーキミックス1袋150g、卵1個、牛乳100ml(コーヒーやジュースでもOK)
作り方…
①耐熱性ポリ袋に卵と牛乳を入れよく混ぜる。
②①にホットケーキミックスを加え軽く混ぜ合わせる。
③②を20分湯煎し、上下を返してさらに20分湯煎する。

【コーンスープ】
(1人分)材料…コーンクリーム缶60g、牛乳60g、コンソメ0.5g
作り方…材料を耐熱性のポリ袋に入れて5分湯煎する。



 記者が作って食べてみた 


上のレシピを作って食べてみた。どれもおいしく、家族にも好評だった。親子丼やスープはとても簡単なので、アレンジして普段の料理に取り入れられそう。耐熱性のポリ袋は、大型スーパーで購入。調理中にガスボンベが切れ、備蓄分だと不足しそうだなと追加で買った。  

備蓄しているアルファ米=写真=も食べてみた。水を入れるだけででき、想像より風味が良かった。パサつきが気になったので、次は水を増やしてみたい。いざという時にこれを作れる、と思うと不安が少し和らいだ。


取材/栄野川里奈子
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
第1909号 2024年3月7日掲載

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栄野川里奈子

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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