[み~んなでSDGs・株式会社ナンポー]おからで健康維持+フードロス削減|手軽に+プラス たんぱく質と食物繊維|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

特集

2023年12月28日更新

[み~んなでSDGs・株式会社ナンポー]おからで健康維持+フードロス削減|手軽に+プラス たんぱく質と食物繊維

豆腐を作る過程で出る「おから」はタンパク質など栄養豊富だが、多くは廃棄処分されている。菓子メーカーの㈱ナンポーは、沖縄の島豆腐のおからを使ったお菓子「+TASUTO OKARA BISCUIT(たすと おから びすけっと 以下、たすと)」を開発。県民の健康維持やフードロス削減というSDGsにつながる思いが込められている。工場長の砂川美由紀さんと商品を監修した大城ちか子さんと伊禮麻里代さんにその思いを語ってもらった。

特集

タグから記事を探す
「たすと」の外装と中の個包装。左からチーズ、きなこ、紅いも、シナモンの4種類フレーバーを用意。外装は環境に配慮した紙製。中の個包装は他の商品と共通デザインにすることで環境への負荷を抑える工夫をしている
「たすと」の外装と中の個包装。左からチーズ、きなこ、紅いも、シナモンの4種類フレーバーを用意。外装は環境に配慮した紙製。中の個包装は他の商品と共通デザインにすることで環境への負荷を抑える工夫をしている



(株)ナンポー 工場長
砂川美由紀さん

高校卒業後、東京でパティシエとして勤める。2016年にナンポーに入社。22年に港町工場の工場長に就任



管理栄養士
大城ちか子さん

国立大学法人琉球大学病院栄養管理部副部長。日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士。日本腎臓リハビリテーション学会認定腎臓リハビリテーション指導士



美アップアドバイザー
伊禮麻里代さん

プライベートサロンaromariyoオーナー。モデル。フィットネスウォーキング講師。日本肥満予防健康協会(JOPHダイエットアドバイザー)。第11代ミス沖縄、第4回首里城王妃。


―開発のきっかけは?

 砂川  沖縄の食文化の代表ともいえる島豆腐を作る過程でできるおからが大量に廃棄されているという現状を大学生ベンチャーの活動で知ったのがきっかけ。沖縄の菓子メーカーとしてできることをやろうと、おからを使ったお菓子の開発に取り組みました。フードロス削減だけでなく沖縄県民の健康にもプラスになるような商品を作ろうと、管理栄養士と美アップアドバイザーのお二人に監修をお願いしました。

 大城  私は管理栄養士の目線でお菓子の栄養面について監修しました。おからは植物性タンパク質と食物繊維が豊富な食材なので商品に生かしたいと考えました。それらは今の日本人には足りない栄養素なので、これをお菓子で手軽にとれるのはよいと思います。

 伊禮  私はモデル業や美アップアドバイザーの仕事をしていて、主に女性目線で監修に携わりました。健康にいいものだからおいしくなくてもよいとは考えず、おいしくて、かつ健康と美容にもプラスになるお菓子にと意見を出しました。


―「たすと」が健康維持に役立つ点は?

 大城  「たすと」に含まれるタンパク質や食物繊維、大豆の油によって少量でも満腹感が得られ腹持ちが良く、食べ過ぎを防ぐことにつながります。食物繊維は腸内環境を整え、血糖の急激な上昇を抑える働きがあります。健康維持には運動も大事。「たすと」は運動で使ったエネルギーを補給し、筋肉アップのためのタンパク質も補えます。健康寿命の全国順位が後退している沖縄。それを改善するためにも理にかなったお菓子だと思います。

 伊禮  私はジムで運動をする前に「たすと」を食べます。トレーニング中にエネルギーが切れることもなく、食べてもおなかがもたれることがないので運動前にもぴったり。部活動をしている子どもたちにも喜ばれそう。個包装で手を汚さず食べられるので、スポーツの合間でも手に取りやすく、ゴルフでグローブをしていても手軽にぱくっと食べられます。

 大城  沖縄県では食べ過ぎによる肥満率の高さが問題になっていますが、高齢者になると年齢に伴う筋力や機能の低下などにより、食欲が落ちて低栄養に陥りやすいです。こうしたフレイルなどの問題で高齢者はタンパク質をしっかりとる必要がありますが、「たすと」はあまり食欲がない高齢者でも手軽に栄養を補う一助になると思います。

 砂川  菓子メーカーとしておいしさはもちろんのことプラスアルファとして不足しがちな栄養素を補えることが商品のコンセプト。「たすと」をきっかけに健康や運動に興味を持つ人が増えて健康維持のための入り口になったらうれしいです。

 伊禮  特に女性は仕事や家事の合間に何か食べることが多いと思います。私もご飯を作る前に「やるぞ」と気合を入れる意味で何かつまむことが多いです。「たすと」は少量でも満足感が得られるので、食べ過ぎたという罪悪感を感じません。健康や美容に気をつかっていても、お菓子は食べたいという方にもってこいだと思います。

 大城  育ちざかりの子どものおやつにもぴったり。また、子どもたちの食育にも役立つと思います。お菓子を通して廃棄されているおからのことを知ってもらい、フードロス削減について考える機会になるでしょう。

 伊禮  塾に行く前の間食や受験生のリフレッシュタイムに食べてもらうのもいいかも。


菓子メーカーとしてできることをやっていきたい(砂川)

おからは栄養豊富な食材。老若男女に食べてほしい(大城)


おいしくて、かつ健康と美容にいいものを(伊禮)


―商品開発で苦労した点は?

 砂川  コロナ前から開発を進めていましたが、思うようにいかず時間を要しました。商品について「タンパク質や食物繊維を多く含む」といった栄養成分の強調表示をするには、法で規定された分量の栄養素を入れる必要があります。その分量を入れつつ、おいしさとのバランスをとるのが難しかったです。栄養素だけをクリアしても硬くなっておいしくない。食感の軽さをキープしながら栄養素をしっかり入れるために材料の配合など試行錯誤しました。

 大城  おからを入れ過ぎるとボソボソして食感が悪くなるので、試食では伊禮さんと2人で味わいについてもいろいろ注文をさせていただきました。

 伊禮  食感や口に入れた時の香りについてや、手にビスケットの粉がつくのがいやなど、細かい意見をいっぱい出しました。

 砂川  「たすと」を普段の生活で日常的に取り入れてほしいという思いで、飽きが来ないよう4種類のフレーバーを用意しています。開発では10種類のフレーバーを作ってその中から厳選しました。工場のスタッフと一丸となって開発した経験は大きな成果です。商品化までこぎつけたのはスタッフの自信や達成感につながったと思います。
 


―そのほかSDGsの取り組みは?

 砂川  工場では購入した材料はすべて使い切るよう心掛けています。また、規格外の県産フルーツを積極的に使用し、新商品の開発を行なっています。中の個包装に使うビニール袋は商品ごとにデザインを変えるとそれだけで資源を使うことになるので、環境負荷を抑えるために各商品とも共通のデザインにしています。個包装はまだ紙に替えることは難しいですが、「たすと」に関しては外装の包装を紙製にしました。袋の作りにもこだわり、持ち運びしやすいよう縦長の形状で袋を立てて置けるように工夫しました。紙製でこの形状の外装は日本ではあまり例がないそうです。こうした細かいことを積み重ねて持続可能な取り組みを続けていきたいと思います。

―今後の展開は?

 砂川  「たすと」は県内47店舗で販売しており、ドラッグストアのヴァインドラッグ、すこやか薬局、施設内に専用の自動販売機を設置しているスポーツジムのカーブス、ガルフスポーツクラブでお買い求めいただけます。「たすと」のフレーバーを増やしたり、健康に配慮した新商品の販売を考えています。監修のお二人や販売する店舗の皆さんと沖縄の健康のためにがんばっていきます。まずは地元から、ゆくゆくは全国のドラッグストアに販路を広げたい。
 

 

 豆腐文化を守るため おからの再利用を 


川上勝敏さん
川上食品代表者。沖縄市美里にある1958年創業の豆腐店の3代目

島豆腐を製造販売している川上食品3代目の川上勝敏さん。おからの廃棄や再利用など県内の状況や課題について聞いた。

2000年代まではおからを飼料として使っている農家に提供することで、処理に困ることはありませんでした。しかし、県内の農家がだんだんと飼料をおからから輸入トウモロコシを多く含む配合飼料にシフトするようになり、おからの処理に苦慮することに。食品として再利用できないかと考えました。一番の問題だったのが生のおからは日持ちがしないこと。そこで保存ができるようにおからを乾燥させる専用の機器を導入しました。乾燥おからを使ってクッキーなどをいろいろ試作しましたが、おからの含有量が増えると全然おいしくない。専門ではない自分たちには商品化は無理だと感じ、ほかの会社に乾燥おからを使ってもらえればと考えました。

自分の会社だけでも年間200トンのおからがでます。フードロスだけでなく、廃棄にかかる費用も問題です。今は県内の豆腐店ではなんとか費用を抑えていますが、近い将来廃棄にかかる費用が経営を圧迫して廃業になる店も出てくると予測しています。

地域ごとに味わいに特徴がある沖縄の島豆腐文化を守るためにも、おからの再利用などで処理にかかる費用を抑えることは必要だと考えます。多くの県民にこの問題について知ってもらえればと思います。

 

 健康維持の手始めに 地元でしっかり流通 


千々和(ちぢわ)尚幸さん
有限会社みなと薬品ヘルスケア事業部 食品バイヤー兼SV

県内でドラッグストア「ヴァインドラッグ」を展開している有限会社みなと薬品。「たすと」を県内でいち早く販売している。ヘルスケア事業部の千々和尚幸さんに導入のきっかけなど話を聞いた。

島豆腐のおからを材料にした商品コンセプトに共感し、地元企業としてしっかり流通させたいと思いました。

「おいしそうだし体に良さそうだから買ってみようかな」というお客さまも多いです。購入者の年齢層も20代から70代まで幅広く、健康のために何かしたいけど、何をしたらいいか分からないというお客さまがこれなら始めやすそうだと購入につながっているようです。「たすと」を食べていいなと思ったら次はより専門的な商品の購入につながるような健康維持のためのスタートになる商品だと思います。

私は栄養士で以前は別の会社で栄養指導もしていましたが、高齢者の方にタンパク質を運動後にしっかり取ってもらうのがなかなか難しかった経験があります。「たすと」だとおいしく手軽に取れるのではと思います。

今後もSDGsをコンセプトにした商品の扱いを増やして、多くの人に貢献できる品ぞろえをしていければと考えています。

問い合わせ先/株式会社ナンポー 電話 098(867)7902

『週刊ほ〜むぷらざ』年末年始特別号・み~んなでSDGs 株式会社ナンポー
第1899号 2023年12月28日掲載

特集

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4247

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る