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2023年12月7日更新
愛車の「ミニ」で交流|OKINAWA WHEEL CAP(オキナワ ホイール キャップ)の皆さん[人生ブラボー!⑤]
仕事の一線を退いた後も、年を重ねても、人生を生き生きと送る人を紹介するコーナー。今回は、イギリスの名車クラシックミニで集い、交流を楽しむ「OKINAWA WHEEL CAP」の皆さんに話を聞いた。
OKINAWA WHEEL CAP(オキナワ ホイール キャップ)の皆さん
愛車のミニとともに笑顔を見せるOKINAWA WHEEL CAPの皆さん。どの車も手を掛けながら大事に乗り続けられたものばかりだ。前列左から3人目が時田さん、同2人目が佐久川さん
20~80代の仲間集う
ある日曜の朝。駐車場にずらりと並んだ小さな車に注目が集まる。ミニクーパーやクラシックミニと呼ばれるイギリス生まれの名車ミニは2000年に生産終了した後も、世界各地にオーナーズクラブがあるなど、今もその人気は高い。
沖縄でも30年以上前にオーナーズクラブが結成された。メンバーの一人だった時田直紀さん(82)は、「全盛期には100台以上集まるときもあったが、次第に参加者が減り、存続の危機だった」と話す。そんな中、「もう一度、クラブを盛り上げたい」と立ち上がったのが佐久川玲音さん(22)。昨年、「OKINAWA WHEEL CAP」を設立し、クラブの活動を引き継いだ。SNSでも情報を発信して仲間を増やし、今では月1回の活動日に10人以上が集う。「若者が中心となったことで、年齢層も活動の幅も広がった」と喜ぶ時田さん。佐久川さんは「メンバーは年齢も仕事も住む場所もバラバラだけど、ミニという共通の趣味で、初対面でもすぐ打ち解け、話が弾む」と話し、メンバーの大城ふじのさん(24)も「いろんな年代の人と仲良くなれた。集まる日にはなるべく他の用事を入れないようにしている」と笑顔を見せる。
時田さんは33年前に新車で購入した愛車に乗り続けている。洗車をしないのがこだわりだ。「ミニの弱点は板金。保持するため、汚れたら都度拭き取るようにしてきた」と熱く語る。ミニの魅力を聞けば、「車というより、おもちゃとかペットのような存在。手が掛かるし、年中どっか故障している。だから話題も尽きないし、面白い。故障が自慢話になるんだよ」。時田さんの言葉に「そうそう」とメンバーも一緒に笑い、苦労話に花を咲かせる。
時田さん自慢の愛車は1990年製を新車で購入したもの。いわゆるワンオーナーと呼ばれる希少車でほとんどさびがない
憧れの存在
千葉県出身の時田さんは、アメリカなど海外生活を経て、復帰前の沖縄へ移住。米兵を相手にするクラブで働いた。車以外にもビンテージのTシャツやミニカー、美術品や書籍など収集の趣味があり、メンバーから「服装や持ち物もおしゃれでかっこいい」と憧れの的。佐久川さんも「時田さんみたいなおじいちゃんになりたい」と瞳を輝かせる。
照れ笑いを浮かべながら「趣味を一緒に楽しむ仲間の存在とその時間が人生を豊かにしている」と時田さん。ハンドルを握る先輩の背中を見ながら、メンバーも後に続く。
ツーリングで注目の的
月1回の活動日には、メンテナンスや部品調達など情報交換をし、ツーリングに出かけ、ランチを楽しんでいる。「より注目してもらうため、観光地をコースにすることもある」と佐久川さん。北谷町を走行したときは、「観光客も立ち止まって写真を撮ったり、歓声があがったりしていました」とうれしそうに振り返る。
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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1896号 2023年12月7日紙面から掲載」