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2023年8月10日更新

手作りの味を楽しむ|旧盆の重詰め料理

ことしは8月28日(月)から30日(水)の3日間が旧盆です。沖縄のお盆では先祖を供養し、もてなすのに欠かせないのが「重詰め料理」。重箱に詰める料理「御三味(うさんみ)」のレシピ3品を紹介。ほかにも、詰め方や供え方などを松本料理学院学院長の松本嘉代子さんの著書「沖縄の行事と食」を基に松本さんに寄せてもらいました。

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松本嘉代子さん(松本料理学院学院長)

 
◇      ​◇      ​◇ 

旧盆は、旧歴の7月に行われる祖霊祭です。13日のウンケー(精霊迎え)から始まり、15日のウークイ(精霊送り)までの3日間、各地で盛大に営まれます。13日はウンケージューシー、14日のナカビー(中の日)には冷やしソーメンやサーターダーグ(砂糖団子)、15日にはウークイダーグや重詰め料理が並ぶのが定番です。

特に先祖をもてなし供養するメイン料理として、重詰め料理は欠かせません。4箱を1組(チュクン)として2箱に料理、2箱に餅を詰めていたのですが、現在は1箱ずつの略式が多いようです。

一般的な御三味は主に、豚三枚肉(バラ肉)の煮つけ、揚げ豆腐、赤かまぼこ、昆布、ダイコン、ゴボウ、カステラかまぼこ、田芋のから揚げ、天ぷらなどを重箱に詰めたものが多いです=下写真参考。

餅の個数と料理の品数は必ず奇数にすること。料理では5品、7品、9品が一般的ですが、離島では品数を多くして11品、13品と詰める地域もあります。内容や飾り方は地域や家庭によって異なりますが、重箱に詰める際は仏壇側に肉、手前に昆布がくるようにします。隙間なく丁寧に詰めることがポイントです。重箱に合わせて型紙を作り=下イラスト参考、それに沿って具材を切りそろえるときれいに仕上がります。

供える際は、仏壇に向かって餅を右側に、重詰め料理を左側にします。手作りの味は格別においしいですよ!
 
仏壇側
旧盆の際の重詰め料理は、仏壇側に肉、手前に昆布がくるように盛り付ける。通常の盆は、見た目も華やかに仕上げるように赤かまぼこや結び昆布を使う。

ただし、初めて迎えるミーボン(新盆)には白かまぼこと、昆布は二つ折りにして切り込みを入れてから、その中のひとつの輪でまとめたケーシクーブ(返し昆布)を使う。


 型紙使って具材を切りそろえる 

重箱の縦横の長さを測り、9等分してオレンジの部分(一品分の面積)の大きさの型紙を作る。型紙に合わせて具材を切りそろえると、収まりがいい。


重詰め料理の中から、代表的な料理3品をピックアップ。そのレシピを紹介します。

 豚三枚肉 


●材料(21枚程度)
豚三枚肉600g、かつおだし1カップ、泡盛(30度以上)3/4カップ、砂糖1/2カップ、しょうゆ1/2カップ

●作り方
三枚肉をゆでる

 豚三枚肉は、皮に残り毛があれば直火で焼き、湯洗いする。深めの鍋にたっぷりの湯を沸かし、三枚肉をまるごと皮目を上にして入れ、軟らかくなるまでゆでる(約1時間半)。さらに肉を裏返して30分ほどゆでる。

 1の豚三枚肉を型紙に合わせて切りそろえる(長さ7~8㌢ぐらいで厚さ8㍉ほど)。

 鍋に分量のかつおだしと泡盛、2の豚肉を並べ入れて煮る=写真。次に、砂糖としょうゆを加えて、中火でつやが出るまで煮付ける。


早く炊けて味の浸透率が高まるため、泡盛は30度以上のものを使う。最初に泡盛を入れるので、アルコールは残らない。

豚三枚肉に限らず、豚ロースを使ってもよい。


 結び昆布 


●材料(21枚分)
昆布3本、漬け汁適量(かつおだし1/4カップ、砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ3、みりん小さじ1)

●作り方
 昆布は洗って塩を落とし、水に30分ほど漬けて戻す。漬け汁は取っておく。※ピンと張るまでしっかり戻す。

 1の昆布を縦二つに折り、結ぶ。 1本の昆布を連続して結ぶ=写真。


 2を1の漬け汁で軟らかくなるまで煮る(早く仕上げたい時は、酢を小さじ1杯ほど加えると良い)。

 鍋に分量のだし、砂糖、しょうゆ、みりんを煮立て3の結び昆布を入れて煮しめる。煮えたら一つずつ切り離す。


 コンニャク 


●材料(2箱分)
コンニャク1個、かつおだし1カップ、砂糖小さじ1~2、しょうゆ大さじ1

●作り方
 コンニャクは長さ8㌢・幅4㌢に切り、真ん中に切り込みを入れて返す「手綱」にして、アクを取るために軽くゆでる。
水から入れて一度煮立て、ザルにあげる。長く煮すぎると硬くなるので注意する。

 かつおだしに砂糖、しょうゆを入れて煮立て、1を加えて味を浸透させる。

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1879号 2023年8月10日紙面から掲載」

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