出産・子育て
2023年1月19日更新
お家のように安らげる|はじめての育児①
文・島袋 史
授乳、離乳食、おふろ、寝かしつけ、服の着せ方、遊びまで、初めての子育ては不安がいっぱい! そんなパパとママに向け、病院らしくなくオウチのように安らげるクリニックづくりにこだわる「ゆいクリニック」院長の島袋史さん(52)が、赤ちゃんのお世話の基本をレクチャー。第1回はクリニックの紹介を兼ね、開院のきっかけや特徴、特に力を入れていることについて島袋さんに聞きました。
Q.開院のきっかけは?
A.手に職を付けたいという思いから医師を目指し、大学進学を機に出身地の東京から沖縄に移住しました。私自身の妊娠・出産を通して、「おうちのような雰囲気で、お母さんと赤ちゃんの結びつきを大切にするお産」ができる場を作りたいと思ったのが開院のきっかけです。それを実現するために建物に木材を使ったり、診察室の名前を海の生き物の名前にするなど一般的な病院とは違った雰囲気にしました。出産後は母子同室が基本で、お母さんには赤ちゃんと触れ合い、よく観察してもらいます。空腹になると目をキョロキョロさせたり口を動かしたりするなど、赤ちゃんの変化に早いうちから気付くことが自宅に戻った際の子育ての自信にもつながります。
Q.クリニックの特徴は?
A.四つんばいや、横向きに寝た姿勢などで出産する、「フリースタイル」を取り入れています。分娩(ぶんべん)台を使用しないスタイルで、助産師がサポートします。当院でのお産や、母乳育児について学んでもらうため、私や助産師が講師になる多くの妊婦クラスを必ず受講してもらうのも特徴の一つですね。出産前にはカウンセラーとの面談もあり、出産の不安や家族の悩みを相談できる環境も整えています。
Q.力をいれていることは?
A.お母さんに質の良い栄養をしっかり取ってもらうことです。バランスの良い食事を提供することはもちろん、食品添加物を一切使用していない食事を食べてもらうため、梅干しや納豆、みそも院内のキッチンで手作りしています。栄養を吸収するためにはかみ砕いて飲み込むまでが大切なので、食べ方も指導していますよ。「白米よりも玄米が良い」など専門家から聞いたり、自ら学んだことは積極的に院内の生活に反映させています。栄養療法や自然療法を取り入れて、お産を含めたさまざまな女性の体に寄り添えるクリニックとして取り組んでいます。お産を含めたさまざまな女性の体に寄り添えるクリニックにしたいです。
院長 産婦人科 島袋 史さん(左)、理事長 小児科医 島袋 忠雄さん
2011年に開院した沖縄市登川の産婦人科ゆいクリニック。自宅のようにリラックスできる空間を目指し、建物には木材を豊富に使用。妊婦への食事には添加物を使わないなど「体に良いと分かったことはどんどん取り入れている」と院長の島袋史さん(52)。お産を通し母親として一人の女性としての成長をサポートする。
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『週刊ほ〜むぷらざ』はじめての育児
第1850号 2023年1月19日掲載