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2022年11月10日更新

[沖縄]11月11日は介護の日|ダブルケア真っ最中のAさんのケース

20代のころから母の介護を担い、現在は3人の子育てとダブルケア真っ最中のAさん。

 ダブルケア真っ最中のAさんのケース 

20代のころから母の介護を担い、現在は3人の子育てとダブルケア真っ最中のAさん。昨年から公的、自費も含め介護サービスを活用。「相談できて本当に良かった」と笑顔を見せる。その内容や解消されたことなどについて話を聞いた。

 

「介護サービス活用でお互い優しくなれた」

 程よい距離感を保つ 
一人、娘一人の家族。母親が45歳でリウマチを発症してから、20年以上、一人で介護を担ってきた。「骨折が多く、呼び出されて仕事を急に休むことも多かった」と話す。

Aさんが結婚後、母親は1人暮らしとなったが、娘以外のサポートを拒んだため、Aさんは介護と子育てのダブルケアで次第に精神的にも余裕がなくなっていった。「時間に追われ、子どもを叱ってばかりな状況がつらかった」と振り返る。

骨折で歩けなくなり状況が悪化。Aさん親子をよく知る看護師が心配して病院のソーシャルワーカーへつないだ。Aさんは「それまで介護保険制度について調べる余裕がなかった。訪問介護で日常生活の手助けをしてもらうことになった。ソーシャルワーカーさんが母を説得してくれた」と話す。その後、訪問リハビリも利用。「ヘルパーさんは母の体調で気になることがあるとすぐ連絡をくれる。私以外にも母を見てくれる人がいることがすごく心強い」と笑顔を見せる。

Aさん(手前)の母親の病院付き添いサポートについて、相談に応じるhareruya(ハレルヤ)の大城五月さん(左側)と東美鈴さん

介護と育児を両立

1カ月半に1回、3カ所の診療科を受診する。薬の量も多く、「予約された診療日に行かないと大変なことになる」。そんな中、受診日の前日に子どもが発熱。いつものヘルパーに病院付き添いができないかお願いしたら、「制度上できない」と断られた。なんとか叔母に付き添いをお願いできたが、「運転ができないし、孫の面倒を見ている叔母にだいぶ無理をさせた。これからのことを考えると不安になった」。そんな時、ヘルパーの情報から、自費で病院付き添いをしてくれる民間の事業所があると知った。

Aさんは、定期診察日に病院付き添いサービスを利用。母親の身支度から送迎、病院での受け付け、排せつ介助などもしてもらえる。「前は、診察日になると朝早くから家事を済ませ、子どもたちを学校に送り、母親のもとへ行き、身支度をして、時間に遅れないようにと焦っていた。今は、病院で合流できるし、運転も落ち着いてできる」と笑顔を見せる。

介護サービスを活用することで、「別居でも大丈夫だし、心のゆとりができた。適度な距離感があることで、お互いに優しくなれ、笑顔で明るく話せる」とAさん。「子どもたちも、おばあちゃんの様子を見て、自然と手助けできるような優しい気持ちが育っている」と目を細める。チームで取り組む介護が、家族に未来への希望をもたらしている。

 Aさんが活用している介護サービス 
■ホームヘルパーによる訪問介護(公的介護保険を利用)
・入浴 ・調理 ・掃除 ・着替えの介助など
■リハビリの専門家による訪問リハビリ(公的介護保険を利用)
■民間の自費介護サービス
・病院付き添い(身支度、送迎、病院での受け付け、待ち時間中の排せつの介助など。必要に応じて、診察の付き添い、薬の受け取りもできる)

「介護の資格を持つ人が付き添ってくれて安心。母も信頼しており、待ち時間のおしゃべりが楽しいようです」とAさん。


 同居だと受けられない介護サービスも 
介護支援専門員の大城五月さんがアドバイス


Aさんが利用している訪問介護のうち、掃除や調理は同居家族がいると公的介護保険の対象外になることがあります(家族の分や、共有部分は認められないため)。1人暮らしをする高齢の親のことを心配して、子どもの家に呼び寄せ同居する事例は多くありますが、同居したことでサービスが受けられなくなることもあるので注意が必要です。
同居は必ずしもいいことばかりとは限りません。住み慣れた環境を離れることは精神的な負担につながる場合もあります。無理な同居をするのではなく、地域で、介護制度やサービスを活用しながら、その人らしく暮らせる方法がないかというところから検討してほしいと思います。



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文・赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』特集・11月11日は介護の日|介護の孤立防ぐレスパイトケアとは?

第1840号 2022年11月10日掲載

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