役立つサービスいろいろ 

介護は、何でもすべて自分でやるのではなく、専門家の力を借り、チームで取り組もう。「つらくない介護はできる。日頃から選択肢を用意しておいて」と大城さん。そんな役立つサービスを紹介。

 

日頃から選択肢の準備を

 通所サービス・ショートステイ 
※公的介護保険で利用できる

デイサービスやデイケアなど通所サービスも間接的なレスパイトケアになる。ショートステイは、要介護者が、介護施設に１日～連続30日、泊まることができるサービス。介護者に冠婚葬祭や旅行、出張などがある場合の他、体調不良や入院など介護することが困難な状態になったときにも活用できる。ただし、あらかじめ施設側のヒアリングと、ケアプランに組み込んでおく必要がある。必要になってからではなく、月に１回活用するなどして慣れておくといい。自費にはなるが、有料老人ホームの空室があると利用できる場合もある。地域の情報に詳しいケアマネジャーに相談しておくと心強い。

 訪問介護・サービス 
※公的介護保険で利用できる

■訪問介護
・身体介護（入浴、食事、排せつの　介助、衣類の着脱の介助など）
・生活介護（調理、洗濯、掃除など）
　※利用に条件がある
■訪問サービス
・訪問リハビリテーション
・訪問看護　・訪問入浴
・居宅療法管理指導（医師や歯科医師、薬剤師などが療養上の指導、　栄養指導、　口腔ケアなどを行う）

専門の有資格者が自宅に訪問して、上記のような各種介護サービスを行う。利用条件等、ケアマネジャーに確認を。

 介護食、福祉用具 

・介護食や高栄養のレトルト食品
・高齢者用の配食サービス
　※上記二つは公的介護保険適用外
・福祉用具のレンタル・購入
　※公的介護保険が利用できる

高齢者や要介護者向けに栄養や調理法が配慮された食事の宅配サービスやレトルト食品が豊富にある。「ご飯とみそ汁は作って、おかずはそういうものを使うのも手」と大城さん。近年、介護がグッと楽になる福祉用具が多く開発されている。公的介護保険でレンタル可能か、購入か、ケアマネジャーや作業療法士などに相談を。

 自費の介護サービス 
※公的介護保険適用外のサービス

・病院付き添い（送迎、受診付き　添い、排せつ介助、薬の受け取　りなど）
・家事代行
・外出支援（買い物、墓参りなど）
・見守り　・草刈り


自費の介護サービスは、公的介護保険ではまかなえないことを必要に応じて取り入れられるのが利点。インターネットで「介護保険外○○」と検索してみると、いろいろな情報が出てくる。「自分の中で選択肢を用意しておこう」と大城さん。また、前もって問い合わせ、手続きやサービスの内容について確認を。「今は大丈夫だけど、必要なとき、どうするの？」と質問しておくと、いざというとき慌てないで済む。


 Topics　産業ケアマネフォーラムに大城さんが登壇

「離職の前に専門家とつながって」

沖縄の家族介護における現状と課題について考えようと9月30日、カイゴと働くを考える会主催による「産業ケアマネフォーラムin沖縄」が開催された。大城さんもパネルディスカッションに参加した＝写真。

フォーラムは、セミナー、パネルディスカッション、グループワークショップの３部で構成。会場となった豊見城市のトヨプラには、介護に関わる人や、企業の経営者、人事担当者、社会保険労務士など、県内外から30人が集い＝下写真、オンラインでも約30人が参加した。



沖縄で介護と子育てのダブルケアの状態にある人が多いことを聞いた県外参加者からは驚きの声が上がったほか、介護環境を整えていくには、まずは企業が産業ケアマネジャーなど専門家と連携し、積極的に取り組む必要があるとの意見が上がった。パネルディスカッションに登壇した大城さんは「介護者も企業も、介護制度の知識が追い付いていない。介護離職した後の相談がほとんどで、その前につながる必要がある」と社会全体で取り組むことの大切さを訴えた。



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文・赤嶺初美（ライター）
『週刊ほ〜むぷらざ』特集・11月11日は介護の日｜介護の孤立防ぐレスパイトケアとは？
第1840号　2022年11月10日掲載