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2022年7月28日更新

高齢者の食事 ポイントは|介護の楽ワザ⑦

介護の経験から得たこつや便利な道具、シェアしたい情報を紹介。今回は、管理栄養士で在宅訪問栄養相談を行っている、認定栄養ケア・ステーション「いのり」の山里瑠美さんが、高齢者や療養者の食事についてアドバイスします。

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 Bさんの経験談  食事バランスを再認識



食事内容を見直したら血液検査の数値が改善しました!
 
 
現在80代。複数の基礎疾患があり、厳しい食事制限を頑張ってきました。しかし、血液検査で腎臓機能が低下していることが分かり、このまま進めば透析治療の可能性があるという状態になってしまいました。

これ以上悪化させたくないと、在宅訪問管理栄養士へ栄養相談を依頼しました。すると、体のことを考えてご飯などの炭水化物を一切食べずタンパク質の摂取を中心にしていた食生活が、逆に内臓疾患を悪化させていると指摘を受けました。それからはご飯をメニューに復活させて、タンパク質を少し減らすようにしました。

再びご飯が食べられるようになったことに喜びを感じました。しばらくすると腎機能の数値も改善したのでとてもうれしく、安心しました。同時に、バランスを考えた食事の大切さを痛感しました。


 山里さんからのアドバイス  偏食、低栄養に注意!

近年、ご飯などの炭水化物を極端に排除したり、お肉などのタンパク質を取り過ぎているケースがあるなど、食事バランスが崩れている高齢者がいるのを危惧しています。

高齢者は年齢とともに腎機能が低下していることも多く、タンパク質を取り過ぎると腎臓に過剰な負荷を与えるためよくありません。炭水化物を抜いてタンパク質ばかり取ると、かなりの確率で腎機能が低下することが実証されており、糖尿病学会でも一日のエネルギーの半分は炭水化物で取るよう指示しています。

量減り栄養不足に

もう一つ心配なのが、低栄養です。メタボワースト県の印象がすっかり定着してしまった沖縄で意外に感じるかもしれませんが、食事量が減り、栄養不足に陥っている高齢者は少なくありません。

コロナ禍もあって県内では配食弁当を利用する高齢者世帯が増えていますが、それを2回に分けて食べているケースが少なからずあります。食事量が減ったことのほかに経済的な理由が含まれている場合もあり、問題は複雑です。

高齢者や療養中の人を対象にする配食弁当は、調理法や栄養バランスが考えられているため便利です。ただし、あくまで1回の食事として考えられているため、それを2回分の食事とし、間食もなければ、栄養は不足してしまいます。

猛暑でますます食欲が減退し、体調を崩してしまったりと、食事で悩むことが増えてくるはず。自費にはなりますが、管理栄養士の訪問サービスを活用するのも食の悩みを解決する一つの方法。気軽に相談してほしいと思います。

極端な食事の偏りは内臓機能に過剰な負荷を与えてしまいます。
山里瑠美さん
やまざと・るみ/在宅訪問管理栄養士。日本栄養士会認定栄養ケア・ステーション「いのり」責任者、管理栄養士

簡単ひと手間でタンパク質強化メニューに!
 
食事量が減り、栄養不足に陥る高齢者は少なくありません。そんなときは、いつもの料理にちょっとしたひと手間で簡単に栄養をアップできます。

ただし、タンパク質だけを過剰に取り過ぎると、腎機能に負荷を掛け、内臓疾患を悪化させる場合もあるので注意しましょう。炭水化物もバランスよく食べるようにしましょう。

■豆乳みそ汁■

だし汁の半分量を豆乳に変える。
※インスタントみそ汁1人分を温めた豆乳で溶かして3人分にすると、減塩にもなりおいしいみそ汁に。

■大豆ご飯■

炊きたてのご飯に、大豆、さけフレーク、ゴマを混ぜ込む。

食事内容を見直したら血液検査の数値が改善しました!

極端な食事の偏りは内臓機能に過剰な負荷を与えてしまいます。

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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1825号 2022年7月28日紙面から掲載」

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