毎日レシピ
2022年6月2日更新
【琉球料理】ポーポー、チンビン|作ってみよう 行事料理[7]
ことしは6月2日が「ユッカヌヒー」(旧暦5月4日)に当たります。昔は子どもの成長と無病息災を願い、ポーポーやチンビンが作られ神仏に供えたり、子どもたちに振る舞われました。行事の紹介や食のレシピを松本料理学院院長の松本嘉代子さんの著書「沖縄の行事と食」を基に寄せてもらいました。
子の成長、健康願い
お菓子を楽しむ
「ユッカヌヒー」(旧暦の5月4日)は、沖縄では「こどもの日」とされていて特別な日でした。そのころに行われるハーリー(爬龍船競漕)に合わせて周辺に露店が並び、玩具市が開かれていました。
家庭ではポーポーやチンビンといったお菓子が作られ、振る舞われました。名前からも分かるように、中国の影響を受けたものです。沖縄ではアンダンスー(油みそ)や黒糖を使って、その風土に合ったお菓子として受け継がれてきました。
ポーポーとチンビンの違いは、地域によって違いはありますが、一般的には、小麦粉生地に油みそを巻いたものがポーポー、黒糖入りの生地を巻いたものがチンビンと呼ばれています。また、生地が、白色で薄く表面が滑らかなのがポーポーで、黒糖を使うため茶色で生地が厚めな上、表面にブツブツと穴が開いているのがチンビンの特徴。クルクル巻きで形は似ていますが、味も食感も異なります。
手前がなめらかな薄い生地で油みそを巻いた「ポーポー」で、奥が茶色で表面にブツブツと穴の開いたきめの粗い「チンビン」
「ユッカヌヒー」の行事食「ポーポー」と「チンビン」の作り方を紹介します。
ポーポー
家庭ではポーポーやチンビンといったお菓子が作られ、振る舞われました。名前からも分かるように、中国の影響を受けたものです。沖縄ではアンダンスー(油みそ)や黒糖を使って、その風土に合ったお菓子として受け継がれてきました。
ポーポーとチンビンの違いは、地域によって違いはありますが、一般的には、小麦粉生地に油みそを巻いたものがポーポー、黒糖入りの生地を巻いたものがチンビンと呼ばれています。また、生地が、白色で薄く表面が滑らかなのがポーポーで、黒糖を使うため茶色で生地が厚めな上、表面にブツブツと穴が開いているのがチンビンの特徴。クルクル巻きで形は似ていますが、味も食感も異なります。
手前がなめらかな薄い生地で油みそを巻いた「ポーポー」で、奥が茶色で表面にブツブツと穴の開いたきめの粗い「チンビン」
「ユッカヌヒー」の行事食「ポーポー」と「チンビン」の作り方を紹介します。
ポーポー
●材料(生地の直径15㌢×10枚分)
〈油みそ〉
豚肉(肩ロース)……………50g
サラダ油………………………適量
白みそ(甘口)………………100g
砂糖……………………………大さじ2~3
ショウガ(みじん切り)……小さじ1
〈皮〉
小麦粉…………………………1+1/2カップ
ベーキングパウダー…………小さじ1
水………………………………1+1/2カップ
サラダ油………………………小さじ2
サラダ油………………………適量
●作り方
《油みそを作る》
1.豚肉はゆでて細かく切る。
2.フライパンに油を熱して1を炒め、白みそと砂糖を加えてショウガを加える。
《皮を作る》
1.小麦粉とベーキングパウダーは一緒に振るっておく。
2.ボウルに1の小麦粉を入れ、水を加えて泡立て器で混ぜ、ゆるやかなたねを作る。
3.2をあみじゃくしでこしてサラダ油を加える。
4.フライパンを弱火にかけて、少なめの油をぬって、3を薄めに流し入れ、フライパンを回しながら広げる。鍋肌から皮がそり返ったら裏返して、間もなく取り出す=下写真①。
☆焦がさないように焼く。
5.まな板の上に絞ったぬれふきんを敷き、焼いた皮を乗せ、手前から1/3のところに、油みそを棒状に置き=②、そこから折り曲げてくるくる巻く=③。
写真1
写真2 写真3
チンビン
●材料(生地の直径20㌢×10枚分)
小麦粉…………………………250g
ベーキングパウダー…………小さじ2
黒砂糖…………………………150g
水………………………………2カップ
サラダ油………………………小さじ1
サラダ油………………………適量
●作り方
1.黒砂糖は分量の水で煮溶かし、アクを取り、ふきんでこし冷ましておく。400ml分を量っておく。
2.小麦粉とベーキングパウダーをふるいにかけてボウルに入れ、1を加えてむらのないように混ぜる。
※泡立てないよう大きく混ぜる。
3.2はあみじゃくしを通してダマを取り、サラダ油を加える。
4.熱したフライパンに油を多めにぬり、3をお玉に1杯程度、流し入れ、表面にブツブツと穴があいたら=右写真①=裏返して軽く焼く。※中火よりやや弱めにして、極端に焦がさない。
5.固く絞ったぬれふきんの上に置き、手前から生地を巻き始める=②。ぬれふきんの端を持ち上げながら生地を送り、くるくる巻いて仕上げる。※形が安定するまでぬれふきんをかけておく。
写真1
写真2
まつもと・かよこ/松本料理学院学院長。新聞やメディアで琉球料理の継承について広く発信。県「琉球料理伝承人 琉球料理担い手育成講座」の指導に携わる。
『週刊ほ〜むぷらざ』作ってみよう!行事料理
第1817号 2022年 6月2日掲載