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2021年12月2日更新
[沖縄・シニアウェ~ブ in ほ~むぷらざ]お手玉遊びで心温め脳も活性 玉那覇 清子さん(82)|宜野湾市
このコーナーでは充実したシニアライフを送る人々を紹介します。今月は、お手玉の普及活動に取り組む「沖縄いしなぐの会」の玉那覇清子さん。お手玉の魅力について、「ぬくもりのあるコミュニケーションを生み、脳を活性させる」と熱く語ります。
玉那覇清子さんは定年退職後、金融広報アドバイザーとして11年間活動。現在は教員養成専門学校で非常勤講師を務める他、夏休み勉強会や子どもたちを主体にしたクリーン活動、お手玉の普及活動に取り組む
玉那覇 清子さん(82)|宜野湾市
玉那覇清子さんは1999年、40年勤めた小学校教員を定年退職。退職教員の仲間と共に、小中学生の夏休み期間の宿題をサポートする勉強会を開いたり、子どもたちを主体にしたクリーン活動に取り組むほか、お手玉の普及活動にも力を注いでいる。
地域活動の一つとして高齢者のレクにお手玉遊びを指導していた時、知人の紹介で全国組織である「日本のお手玉の会」主催イベントに参加。多数個のお手玉を使ったパフォーマンス性が高い演舞や伝承文化としての魅力、コミュニケーションツールとしての可能性に感銘を受けた。2005年から沖縄の支部設立に向けた活動を始め「沖縄いしなぐの会」を結成。初代会長として活動をけん引してきた。
子育てサロンや学校、福祉・高齢者施設などで指導してきた経験から「お手玉にはすごい力がある」と語る。お手玉の落ちる速度、方向を脳は瞬時に判断。お手玉遊びが脳の活性を促すことについて研究も進む。リズムに合わせたり、手をたたいてキャッチしたりと難易度を上げれば、ゲーム感覚で年齢関係なく楽しめるとし、「お手玉は幼児から高齢者まで、いつでも、どこでもできる。遊びを通して人格をつくり、認知症対策や、健康づくりに役立つ」と口調は熱い。
心へぬくもり伝える
小学校の保健室で出会った不登校の児童とも、お手玉でコミュニケーションを取った。「お手玉は手から心へぬくもりを届けられる。一緒に遊ぶことで心を開いてくれた」と笑顔で振り返る。
軽くて転がらないお手玉は危険性もない。一人でも大勢でも楽しく遊べる。学校で指導するときは「仲間外れを作らないことを教えている」。また、子育てサロンでは、子どもと5分でもいいから、一緒に座って遊ぶよう伝えており、「お手玉でぬくもりが伝われば、子どもは安心感を持ち自立しやすい」と話す。
会では沖縄に伝わる昔のわらべ歌に合わせたお手玉遊びをレクチャー。高齢者は「なつかしい」と表情が明るくなり、「昔はこんなして遊んだよ~」と皆の前に出るなど積極的な姿を見せる。また、子どもたちは楽しみながら、しまくとぅばを学べるので「文化継承の面でも意義深い」
「課題は活動の継承」と玉那覇さん。若い人の参加を促す。
沖縄いしなぐの会では、会員による手作りお手玉の寄贈や作り方指導も行っている。写真は同会提供
浦添子ども園の子どもたちにも、遊び方や皆で仲良く遊ぶ話をした後で、お手玉遊びを楽しんだ。左奥が玉那覇さん
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1791号 2021年12月2日紙面から掲載」