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2021年10月7日更新

[沖縄・シニアウェ~ブ in ほ~むぷらざ]命、人、地域をつないで生きる|鈴木伸章さん(74)|浦添市

このコーナーでは充実したシニアライフを送る人々を紹介します。今月は、社会福祉や防災など数多くの公益団体で代表的な役割を担い活動する鈴木伸章さん。命を見つめる温かいまなざしと、力強い行動力で、地域や多くの人々に頼りにされています。

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浦添市ボランティア連絡協議会会長を務める鈴木伸章さん。「コロナ禍で賛助会員が減り、イベント中止などで資金難となっている」として、賛助会員を募るなど支援を呼び掛けている(電話:098・874・4932)

鈴木 伸章 さん(74) 浦添市

福島県出身で、航空自衛隊では救難救助が専門だった鈴木伸章さん。定年退職後は妻の地元である浦添市安波茶で自治会長を5期10年務めた。現在は「浦添市ボランティア連絡協議会(ボラ連)」会長、「認知症の人と家族の会沖縄県支部」代表、「福島・沖縄絆プロジェクト」副理事長他、福祉、防災、医療、環境に関わる数々の団体で役職を担う。

「人々を生かすために生きる」が鈴木さんの信念。そこには、東日本大震災で被災した自身の経験があると話す。

「母の一周忌で福島に帰省中、被災しました。災害犠牲者を出さないために、隊員時代に得た生き延びるための術を沖縄で伝えていこうと強く思ったんです」。防災訓練などの実施、自主防災組織の設立、防災講演を無償で行うなど力を注いできた。

また、福島と沖縄の交流にも尽力。震災後、福島で育ったヒマワリの種を沖縄で育て、その種を福島に届ける活動を続けている。「今年も12月に糸満市の平和祈念公園で種を植える。コロナ禍で人の交流は中断しているが、心の交流が途絶えることはありません」と笑顔を見せる。


幸せを分かち合う

鈴木さんは社会福祉の活動にも注力。障がいの有無に関わらず仲間づくりやまちづくりに参加・活動するボランティアサークル「クランクス」に約20年前から関わっている。「いろいろな体験を通して、どうすれば要援護者の皆さんと笑顔を分かち合えるか知り得ることができた」と目を細める。鈴木さんは昨年、市ボラ連代表に就任した。

ボラ連は、浦添市の81団体、延べ5500人以上が活動するボランティア団体間の連携をはじめ、身体障がい者団体や作業所が入居する福祉プラザの運営を担っている。しかし、コロナ禍で賛助会員が減り、資金捻出の柱であるイベントも中止になるなど、財政難に陥った。鈴木さんは「ボランティアは老若男女を問わず誰でもでき、連携すれば必要なときに必要な支援が提供できる大きな力になる。活動への理解と賛助会員を増やし、優しい社会づくりにつなげたい」と呼び掛ける。

活動を通して生命を守り、人々と地域をつなげてきた鈴木さん。その道の先には、笑顔の花が咲き、幸せを分かち合う世界がある。



福島と沖縄の人々の交流にも尽力し、障がい者やその家族を中心に「うちな~・福島ふれあい交流」を企画した鈴木さん。2006年11月には、福島の岬学園かもめパン工房の皆さんが沖縄を訪れ=写真上=、07年4月には、沖縄から同学園を訪問し、落ち葉のプールを楽しんだ=同下


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1783号 2021年10月7日紙面から掲載」

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