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2021年5月20日更新
[沖縄]梅雨どきのカビ対策
エアコンを中心にハウスクリーニングを手掛け34年。ハウス産業㈱の照屋守道さん(66)に梅雨どきのカビ対策について話を聞いた。照屋さんは「沖縄は亜熱帯気候のため、カビは避けて通れない。カビの生態を知りこまめな掃除はもちろん、カビの発生しづらい環境づくりが大切」と話す。健康を害することもあるカビ。その発生を抑えるためのポイントや、生えてしまった際の掃除法なども教えてもらった。
梅雨どきのカビ対策
カビの生態知り発生しづらい環境に
Q 原因は?
A 温度、湿度、栄養で発育
カビが生える条件として温度、湿度、栄養が挙げられます。空気中に浮遊しているカビの胞子は室内の表面に付着して、温度が5℃~35℃前後の場所で、付着した表面の水分と栄養で発育するといわれている。温度の5~35℃という条件は通常私たちが生活する環境なので、除外するわけにはいかない。そのため、湿度や栄養の条件を取り除くことを考える。
三つの条件がそろうと発生
温度…最適温度は25℃~28℃で、5~35℃前後で生育するといわれている。
湿度…一般的なカビは湿度80%以上が発生条件。乾燥状態を好む一部のカビでも湿度65%は必要。
栄養…タンパク質や炭水化物、油脂などの有機物が栄養に。主に皮脂汚れやほこり、食べこぼしなど。
Q 防ぐには?
A 湿度を下げ、栄養源を断つ
基本は空気の入れ替えを常に行い、湿度を低く保つようにすること。また、結露などの水分をまめに拭き取り、髪の毛やほこりなどカビの栄養源を断つことも必須。こまめにそうじをすることを忘れずに。対策をきちんと行えばカビの発生は減らすことができる。
また、部屋の隅々やベッドの下、クローゼットや靴箱、トイレなどに木炭などを置いておくのもおすすめ。湿気を取るのはもちろん、嫌な臭いも緩和してくれる。効果が薄れてきたら木炭を天日干しするだけで再び利用できるので、半永久的に使えるエコなアイテム。炭は綿素材の袋など、通気性のいい袋に詰めて活用するといい。窓を開けて換気ができないときは、除湿器やエアコンの除湿運転(ドライ)機能を使うのも手。
ポイント
こまめに掃除をするのが理想。
換気を常に意識し、湿度を低く保つようにしたい。
除湿器やエアコンの除湿運転機能を使うのもいい。
木炭を通気性のいい袋に詰めて、部屋の気になる所に置く。
Q どこで発生しやすい?
A 水回りや収納部、手が届きにくい所
浴室や洗面所などの水回りをはじめ、クローゼットや押し入れ、靴箱などの収納部、エアコンなど。水分やホコリがたまりやすいところや手が届きにくい所は特にカビが生えやすくなる。
対策として
浴室
風呂に入った後は壁や床を熱湯で流し、雑巾やタオル、ワイパーなどを使って壁や床の水分を取り除く。その後、完全に乾燥するまで換気扇を回しておく。浴室の窓を開けて換気する場合は、窓が対面にあり空気の流れを作ることができればいいが、窓が一つしかない浴室の場合は換気扇のみを使うこと。窓が一つしかない場合、窓を開けながら換気扇を回した方がいいと思いがちだが、窓を開けて換気扇を回すと、窓周辺の空気のみ換気され、カビの発生しやすい床や壁のところが換気されにくくなってしまう。換気扇のフィルターの掃除も忘れずに行うこと。換気扇がカタカタと音を立てるようであれば、ホコリが大量に付着していることで故障の原因になる可能性が高いので、専門家に相談を。
クローゼットや押し入れ、靴箱
除湿器や除湿剤などを使うのもいいが、狭い場所の湿気対策として力を発揮するのが、木炭などの炭。除湿はもちろん、狭い場所にこもった臭いを緩和してくれる。また、新聞紙も吸湿力があるので、押し入れや靴箱に敷くなど、炭と併用するのもいい。
エアコン
エアコンは掃除を怠っていると中で菌が繁殖し、部屋中にまき散らしてしまうため、使う前にはクリーニングをすること。自動でフィルターを掃除する機能がついている場合はいいが、そうでないものはこまめにフィルターをはずして洗うこと。ホームセンターなどで購入できるエアコンのクリーニングスプレーで年に数回ほどクリーニングするのもいい。ただし、2~3年も放置して汚れが蓄積している場合にスプレーを使うと、汚れがドロドロになり排水管に詰まるなど、故障の原因になるので使い方に注意しよう。
Q 発生してしまったら?
A 除菌洗剤や消毒用アルコールを使う
まず最初に除菌洗剤や消毒用アルコール(エタノール)剤を布などになじませ、カビの部分を拭く。ある程度きれいになったら、直接スプレーを吹きかけて乾燥させ作業は終了。最初に布などでカビを拭き取らないで、すぐにスプレーするのは避けること。カビが四方に散ってしまうことがあるため。
ハウス産業株式会社 代表取締役の照屋守道さん。
◆問い合わせ先/同社
☎0120(121)329
『週刊ほ〜むぷらざ』梅雨どきのカビ対策
第1763号 2021年5月20日掲載
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 安里則哉
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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。