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2021年4月1日更新

Q.自分の性に違和感がある|思春期の性教育[12]

文・百名奈保|家庭では話題にしづらいけれど、大切な性教育のこと。このコーナーでは、助産師の百名奈保さんが、思春期の性教育についてつづります。

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Q 自分の性に違和感がある
A どの性で生きるか変えても大丈夫


LGBTという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

これは、いろいろな性的少数派のうち、代表的な「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー」の頭文字をとった総称ですが、最近は、さらに広い範囲での解釈「SOGI」や「LGBTQ+(プラス)」という言葉で表現しようと考える人も増えてきました。

※SOGI(ソジ)とは Sexual Orientation(性的指向=好きになる相手の性)、Gender Identity(性自認=自分の性別に対する認識)


 10%は多い? 少ない? 

LGBTの割合は日本人の10%くらいといわれていますが、多いですか? 少ないですか?

日本人の「左利き」「AB型の人」の割合も10%で、「糖尿病患者さん」も10人に1人くらいと言われています。

みなさんの周りに、左利きの人はいませんか? 私の夫と息子が左利きです。

みなさんの周りに、糖尿病を患っている人はいますか? 私の親戚が糖尿病で治療中です。

性的少数派といわれているけれど、思いのほか身近なところにいるかもしれないという割合です。


 子どもの「好き」一緒に見つけて 

助産院には、沖縄県内からの相談が多いのですが、県外からメールをくれる子もいます。

「幼稚園生のころから自分は女の子じゃないと感じていて、中学生になって制服を着て登校することが苦しい。月経の時に手当てをするのがツラい、自分が女性である現実を突きつけられてしまうから」という相談メールです。

話しにくいことを相談してきてくれた生徒さんには「ありがとう」と伝えています。制服や学校のトイレ、体育の着替えなどは、県内の学校であれば養護教諭などに協力してもらえるよう相談することもあります。月経の手当てについては「現実を見るのはツラいけど、清潔で健康に過ごすために最低限してほしいことはあるよ」と話します。

今の自分の性別に違和感を感じている人は、幼少期から気づいていたという人がかなりいます。

親は、子どもが赤ちゃんの時から、男の子は「青い服、車のおもちゃ」「女の子はピンクの服、お人形のおもちゃ」と決めつけることなく、子どもが好きなものを一緒に見つけてあげるのが大事なことだと思います。



 
 「好きな女子だれ?」が苦痛 

男子生徒さんが、性欲や性的指向について「自分は性欲が全くわかない、性的に人を好きになったことも一度もない。どこかおかしいのか?」「友だちから、好きな女子だれ? と聞かれるのが苦痛」と、電話で相談してくることもあります。

性欲は個人差があり、男性で性欲がほとんどない人もいるし、女性で性欲が強い人もいます。アセクシャルという、どの人にも恋愛感情や性的欲求を抱かない人もいます。というようなことを彼に伝えると「安心しました、僕は異常じゃないんですね」と言って電話を切りました。

性には四つの要素①体の性②心の性(性自認)③好きになる性(性的指向)④表現の性があり、ほとんどの人はこのグラデーションのどこかに所属しています。

私は、①体の性は女性②心の性も女性③好きになる性の対象は男性④ひらひらしたフリルのついた女性っぽすぎる服装は苦手、といった感じです。

どの人もグラデーションの中で揺らぎながら生活しているので「これが正しい」というものはないと思います。

進学や就職など生活に大きな変化があるときに、自分は「どの性」で生きていくのかを決めればいいと思います。一度決めても、心地よく生活するために途中で変更しても大丈夫です。
 

 
ひゃくな・なお/那覇市嘱託助産師・保健師として、学校で性教育について講話。子どもたちからの相談も受け付けている。那覇市首里で、「助産院*きらきら」を開業
same-moon@comet.ocn.ne.jp
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1756号 2021年4月1日紙面から掲載」

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