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2021年2月18日更新

不妊治療のイマ⑧|見通し立てて費用を考える

文・大嶺美幸(不妊症看護認定看護師)
不妊治療は、通院回数や保険外診療が多く、経済的負担が大きくなりやすいです。治療が長期にわたることもあり、先の見通しを立てておくことが必要になります。

治療後も生活は続く


保険外診療もある

不妊治療は、保険診療(ひと月内の検査回数に制限あり)と保険外診療があります=右上図。厚生労働省の調査では、保険外診療の人工授精は1回1~3万円、体外受精など生殖補助医療は1回20~70万円となっています。


今年から助成金が拡充

不妊治療には、医療費控除、高額療養費制度、市町村独自の不妊治療助成費など経済的負担を軽くする制度があります。また、体外受精等の治療を受ける対象者への支援もあり、今年から助成金の拡充も決まりました=上図。今後さらに治療費の負担が軽減されることが期待されますが、不妊治療の保険診療化については慎重に議論を重ねている段階で、実現には時間を要するものと思われます。


不妊治療の位置付けを話し合う

不妊治療の経済的負担は大きく、少なからず生活にも影響してきます。いったん治療を始めると、治療の内容や実施の有無について何度も選択を迫られる場面があり、女性の年齢を考慮した治療の可能性と経済的負担の板挟みになる場合もあります。

不妊治療中における経済的な負担により日常生活の質が下がると、自己肯定感の低下やストレスフルとなり、それがきっかけでパートナーとの関係が悪化する恐れがあります。費用についての話し合いを先送りにしていると、互いに支え合わないといけない場面で協力し合えないケースも出てきます。こうした事態を防ぐため、早い段階から話し合いを通じて互いの価値観を理解し合い、不妊治療の優先度を検討しておく必要があります。

できれば治療を始める前に、治療内容や費用、社会資源などの情報をパートナーと共有し、いつまでどこまで治療をするのかの見通しを含め、「わが家」における不妊治療の位置付けを考えておきましょう。

その他にも、共有の資産をどの程度まで治療費に充てるのか、どの程度の資金を準備する必要があるのか、金融機関からの借入等も選択肢に入れるのかについて具体的に検討しながら準備を進めていき、状況の変化に応じて、その都度話し合いをしていくことが大切です。

不妊治療のその先もパートナーとの生活は続きます。不妊治療は人生の一部。自分たちが将来にどんな希望を持っているのかを確認しながら互いの理解を深め合う中で得られた気づきや経験は、カップルそれぞれのかけがえのない人生につながっていくことと思います。




おおみね・みゆき。不妊症看護認定看護師。日本不妊カウンセリング学会不妊カウンセラー。友愛医療センター不妊外来に在勤。 

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1750号 2021年2月18日紙面から掲載」

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