彩職賢美リターンズ
2021年1月21日更新
[彩職賢美リターンズ]株式会社Caloria代表取締役社長 管理栄養士の宇栄原千春さん|楽しく食べてダイエット
彩職賢美に出た人が再登場する「彩職賢美リターンズ」。自身のダイエット体験、管理栄養士としての知識と経験を生かし、ファスティング(断食)と日々の食事管理を組み合わせた独自のダイエットプログラム「ミールトレーニング」を開発。160人以上を指導する宇栄原千春さん(52)。「専門知識を持った先輩として、きちんと食べながらやせる習慣づくりをサポートしていきたい」。個々の体と心に寄り添い、ダイエット成功へと導く。
株式会社Caloria 代表取締役社長 管理栄養士
宇栄原 千春 さん
自分見つめる食 先輩として伴走
いつまでも元気に輝くためには、体重コントロール、つまりダイエットが欠かせません。
ダイエットで重要なのは、「どのように食べるか」ということ。体が必要としている食べ物をきちんと選び、過不足なく、適切な形で取り入れる知識と経験を身に付ければ、運動が苦手な方でもリバウンドすることなく減量できます。
私の役目は、一人ひとりの体の状態や食の好み、ライフスタイルに徹底的に寄り添って最適な食事を指導し、習慣化までサポートすること。みなさんしっかり食べて、着実に体重を落としています。
10キロ超の減量経験 鍵は栄養と食べ方
20歳でアメリカに留学した際、食事の変化やストレスで体重が激増。アメリカのダイエット施設で食事指導を受け、10キロの減量に成功したことが、栄養と健康を重視したダイエットを追求する私の原点です。ダイエットしたことで疲労感なく朝スッキリと起きられるようになり、便通も改善。心も軽くなって、世界がキラキラ輝いて見えました。
「体重の悩み、体の不調を抱える人をサポートしたい」と、帰国後、管理栄養士の資格を取得。病院に勤め、患者さんの食事管理に携わりましたが、もっと一人ひとりに寄り添いたいという思いが募り、独立・起業しました。
健康的にやせる鍵は、栄養バランスと摂取カロリーです。食事指導する中で、沖縄ならではの食べ物と料理のカロリーを説明する資料が足りないと感じ、2007年に「沖縄カロリーブック」を出版。ちょうど沖縄男性の肥満問題が注目された時期で、県内のベストセラーに。彩職賢美にも掲載され、ダイエットコーチとして注目していただく機会になりました。
「本を参考にして食べて体重が落ち、血圧も安定しました」といううれしいお声の一方、「カロリー計算が難しい」というご意見もいただき、分かりやすく続けられる方法を模索。自分の手のひらをものさしにして、食材の必要量と理想的な栄養バランスが分かる、手ばかりダイエットを考案し本にもまとめました。
体を作る、燃焼するために必要な栄養素をしっかり、たっぷり、きっちり食べて、脂肪だけを燃やしてやせる。私自身が目指すダイエットの基本を確立できました。
断食に出合い開眼 体の仕組み生かす
たっぷり食べてほしいのに普段の食事で不足しがちな野菜。その野菜をおいしく食べるヒントになればと、2009年にはカフェをオープンしました。毎日忙しく、疲労困憊(こんぱい)。そんな時、ファスティング指導の著名な先生の沖縄合宿をお手伝いすることになり、6日間の断食を初めて体験しました。
ファスティングは、食事を取らないことで腸の負担を減らし、デトックスや細胞の修復を促す食事療法。食べていないのに空腹感はなく、次第に疲労感が抜け、なかなか治らなかった口内炎も良くなってびっくり。食べない時間を大切にすることで食への意識が変わることも実感し、手ばかりと組み合わせることで、より効果的に体を整えられると確信しました。
興味を持ったら何でもやってみたい性分。コーチングに分子栄養学、マクロビオティック、ヨガ、アーユルヴェーダなど、さまざまな角度から体と心、食を学んで、実践してきました。
ダイエットの提案では、科学的に有効とされた方法を優先。学生時代から30年研究し続けた、ダイエットの成功法則を、「ミールトレーニング」として体系化しました。
30年研究続け結実 心も環境も整える
ミールトレーニングは私が作った造語です。ミール=食事は健康な体を作る材料や体調を整える栄養を得るのはもちろん、家族や仲間とコミュニケーションを楽しむ大切な時間でもあります。単なる食事制限ではなく「食べること」を通じ栄養と環境、心を整えることを目指しています。
トレーニングでは、個々に合わせて必要な栄養とカロリーを調整した最適な食事と、体調管理法を提案。それが習慣になる仕組みづくりまで徹底的にサポートします。クライアントからは自身の体重減に加え、「家族もサラダを食べ出しました」「社員の弁当持参が増えた」とうれしい報告が届きます。周りの環境の変化も習慣化の後押しに。「楽だった」という言葉が私にとって最高の言葉です。
より多くの方をサポートできるよう、現在はトレーナーの育成に力を注いでいます。私も認定トレーナーも先生ではなく、ダイエットを実践した先輩という気持ちで伴走しています。食を通して自分の体と心と向き合い、理想の自分を作る食の取扱説明書を手に入れるお手伝いを続けていきたいですね。
宇栄原さんに聞いた!
腸を鍛えるポイント
腸を鍛えると、カロリーの燃焼や免疫力が上がり、睡眠も深くなって疲れも取れます。年末年始で食べ疲れの腸をいたわり、鍛えるポイントを教えてもらいました。
1 バランス良くしっかり食べる
2 体質に合わせた食べ方をする
3 食べない時間を大切にする(「ノーベル生理学賞受賞の時間栄養学」より)
4 メンタルを整える
5 リズムを作る
宇栄原さんのハッピーの種
宇栄原さん提供
Q.パワーの源と癒やしは?
2年前、国道の真ん中にいたところを他の車を止めて保護し、飼い始めた愛猫・小夏(メス、2歳)=写真=です。パソコン作業中にやってきて、お手伝いしてくれるのかと思いきや、そのまま寝てしまう。そんな小夏がかわいくて、癒やされます(笑)。
プロフィル
うえはら・ちはる
1968年、読谷村出身。管理栄養士として病院に勤務した後、2006年に独立。ダイエットトレーナーとして減量指導にあたる。18年、独自のダイエット理論を体系化した「ミールトレーニング」を開発。(一社)心とカラダの食育協会代表理事。著書に「おきなわカロリーブック」「手ばかりダイエット」などがある。
初登場の紙面(2007年10月11日号に掲載)
撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<10>
第1746号 2021年1月21日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 比嘉千賀子
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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。