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2021年1月14日更新

[彩職賢美]十文字屋呉服店の中西洋子さん|老舗呉服店を親しみやすく

創業から109年の、沖縄で最も歴史がある呉服専門店で、若女将(おかみ)として店に立ち14年。5代目社長の夫を支えながら、着物をより身近に感じてもらえるよう、ブログやインスタグラムでコーディネートやメンテナンスの方法を紹介したり、時代の流れやニーズに対応した取り組みを目指しています。

長く着て楽しむ着物を提案

十文字屋呉服店
中西洋子
 さん

代々築いた信頼を大切に
時代のニーズにも対応


「新しい年を迎えた時季の掲載だから」と、見る人の気持ちも浮き立つような春色の着物姿で撮影に応じてくれた十文字屋呉服店の中西洋子さん(53)。

つむぎ地に京絞りの着物は、中西さんが一目ぼれし、「初めて自分で購入することを決めた」お気に入り。同店会長で義母の康子さんから譲り受けたという白い名古屋帯を合わせた着こなしは、すがすがしく華やか。中西さんの人柄が表れる。

「実は着物を心から楽しめるようになったのは最近」と笑う。かつては県内の大手企業で企画や広報などの仕事に携わってきたキャリアウーマン。夫が大正元年創業の家業を継いだのに伴って、2007年、17年間勤めた会社を退職。老舗呉服店の若女将(おかみ)として「修業が始まった」と話す。

「着物の知識も経験もなかったけれど、100年続く店を絶対に失ってはいけない、守っていこうという思い」で飛び込んだ。東京の学校や義母から、古典的な着物の着付けや知識をゼロから学び、資格も取得。現在は店舗2階で着付け教室も開く。

同店は、礼装を中心に100年以上も良質な着物を提供し信頼を築いてきた。中西さんは、それを大切にしながら、近年、お出掛け着としての着物が人気であることなども考え、時代の変化やニーズに合わせてブログやインスタグラムで情報を発信している。

「着物は時代によって変化している。それは当然の流れ。今後は、礼装だけでなく、ファッションの一つとして気軽に選べる着物のラインアップを増やしたい。自分が好きな、自分に合う着物は気分が上がる。アレンジで全く違う雰囲気にできるし、着物はすごく楽しい。その楽しさを伝えていきたい」

以前は若女将としての責任感や理想像を求め身にまとっていた着物を「やっと自由に楽しめるようになった」と話す中西さん。以来、親しみを感じてもらうための取り組みや店づくりがより大切だと考えるようになった。「お客さまが要望などを話しやすいように」と、笑顔で和やかな雰囲気の接客を常に心掛けている。


着物の魅力について、「着物は女性を美しく、かわいく、男性はかっこよくする。お祝いの場に着物を着ていくと、祝意や敬意の気持ちを表すことができるし、場が華やぎ、主催者にも喜ばれます。初対面でも着物が話題作りになって助かることもある。着物を着たら、どこへ行っても最強です」と笑顔で語る。

また、「良い着物は孫の代まで受け継ぐことができる」とも。近年は、母が着た振り袖のサイズを直して娘が着る「ママ振り袖」が人気で、以前から対応していたという同店でも相談は増えている。「昔の着物って、今では目にすることが少ない柄や色使いのものが多く、個性的で斬新。だからこそ、どこにもない、誰も着ていないような着物になり、個性を出せる」と、古い着物の活用も呼び掛ける。

着物が新しく生まれ変わったとき、着る本人だけでなく、家族も喜ぶ。「それを見るのが本当にうれしい」。世代や時を超えて、家族や着る人の思いをつなげ、感動を生むのも着物ならでは。

最近、男性客の利用も増えていると言う。「着物が落ち着いた色だからと赤い草履をポイントに取り入れるなど、みんなすごくおしゃれ。男女問わず、人生を楽しみたい人が着物を楽しんでいる」と喜ぶ。

店の歴史とともに受け継がれた信頼を「夫と二人三脚で守り続けたい」と中西さん。変化する時代を美しく、しなやかに生きる。


 家族の思いつなぐ「ママ振り袖」 

中西さん提供

母が着た振り袖のサイズを直し、現代的な小物と合わせて娘が着る「ママ振り袖」=写真右側=が人気だ。県外ではレンタルを上回る勢いがあると中西さん。気を付けたいポイントは早めの準備。クリーニングなどを考慮すると、少なくとも3カ月は考えておいた方がいいと言う。

おすすめの方法は、着物を全部解いて、一つの反物に戻し、それをきれいに洗う「洗い張り」の後、着る人の寸法に合わせて仕立て直すこと。

3代にわたり受け継がれた振り袖のサイズ直しを対応したときは、本人だけでなく母親が涙ぐむほど喜び、祖母も喜んでいたと聞いて、中西さんも「うれしかった」と振り返る。帯揚げなどの小物を新しくすれば着物の雰囲気が変わる。「娘さんにぴったりのオリジナルな着物になった」と目を細めた。

着物のお手入れ法は、HPやブログでも情報を提供している。

十文字屋呉服店HP
https://jumonjiya.jp


 スポーツには熱くなります 

中西さん提供

学生時代は、バレーボールやハンドボールをやっていて、陸上、体操、テニスもやっていたというスポーツマンの中西さん。「スポーツはやるのも見るのも大好き。いつも熱くなってメラメラ」と意外な一面を見せる。

学校PTAのソフトバレーボール大会に参加したとき=上写真=は、「回転レシーブをして相手コートまで転がっていき、みんなが驚いていた」と思い出して大笑い。

子どもたちの部活の試合=下写真=を観戦すると、思わず大声で叫んでしまうので、子どもから「試合の応援に来てもいいけど、絶対に大声を出さないで」と言われているのだそう。

最近は、就寝前に布団で子どもたちと漫画「鬼滅の刃」を読む「鬼滅タイム」が楽しみと、中西家の仲むつまじい様子が伝わる。



プロフィル
なかにし・ようこ
1967年、那覇市出身。90年、琉球大学法文学部を卒業後、沖縄電力(株)に入社。企画、広報の仕事に携わる。97年、高校時代の同級生である十文字屋呉服店現社長・中西久治氏と結婚。2007年、沖縄電力を退社し、十文字屋呉服店で修行開始。古典的な着付けの基礎から学び、きものコンサルタント、きもの着装師範の資格を取得。生け花草月流師範も持つ。プライベートでは小学生から大学生まで二男二女を子育て中。

今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1375>
第1745号 2021年1月14日掲載

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