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2020年11月26日更新

[彩職賢美] シンコペーション代表 浦添市立宮城ヶ原児童センター館長の池原千佳子さん|子どもと地域 つないで育む

児童センターの館長として、地域の子どもたちに関わるようになって7年。長年続けてきた音楽を軸に、子どもたちが「本物」に触れて、楽しく学べる居場所づくりや、こども食堂に取り組んでいます。どの活動も、地域の人たちの温かな思いと行動が大きな支え。一人一人の得意なことをつなぎ、刺激を与え合いながら、子どもたちの未来と可能性を広げていきたい。

可能性信じ、やるならとことん

シンコペーション代表
浦添市立宮城ヶ原児童センター館長
池原千佳子
 さん

音楽とこども食堂で支え
“本物”に触れる居場所を


毎週金曜日の夕方、宮城ヶ原児童センターの館内には、バイオリンとピアノの音色が響きわたる。同センターに利用登録する小中学生20人が参加する、「音楽クラブ」の練習だ。琉球交響楽団コンサートマスターの阿波根由紀さんがバイオリンを指導し、池原さんがピアノを伴奏する。

「音楽を通して私ができるのは、本物を見せること。賛同してくださった由紀先生と一緒に、児童センターで演奏会を始めたんです。そしたら、子どもたちから『バイオリンをやってみたい』という声が上がり、クラブ活動を立ち上げました」

スタートから5年、市の小中学生音楽コンクールの入賞者も生まれた。「やるならとことん」がモットー。「ベネズエラでは、プロの音楽家が貧困層の子どもたちを一流の音楽家に育てる、『エルシステマ』というプロジェクトがあります。その沖縄版を目指したい」

地元の専門家が、しまくとぅばや空手、琉球舞踊などを指導する「うちなークラブ」、大人気の「ダンスクラブ」があるほか、職員の企画でさまざまなイベントも開くなど、子どもたちが楽しく地域と交流し、可能性を伸ばせる居場所づくりに力を尽くす。

同センターのもう一つの核はこども食堂だ。2015年、毎日遊びに来ていた小学生の女の子が夏休みになってやせ細っていく姿に驚いた。 「話を聞くと、家でほとんど食べてなくて。命にも関わる問題。職員で家から食材を持ち寄って、ごはんを作ってあげたことが、こども食堂を始めるきっかけです」

食材はもちろん、調理道具も食器もない状態でのスタート。「最初に相談に向かった地元の企業は、子どもたちのためにと3時間で調理器具や食器をすべてそろえて届けてくれて、本当にありがたかった」

地元の企業や有志を中心に県外から毎年、180キロのお米を送ってくれる企業など、食材支援の輪は広がっている。「地元愛の強い地域。ご自身に余裕があるわけではないのに、食材を購入して届けてくださる方も。ワンコインでも力になれれば。そんな愛情深い人たちの行動が子どもたちの支えになっています」


子どもの頃から電子オルガンを習い、東京に進学。卒業後は、大手音楽教室の講師となった。「沖縄で最初に、電子オルガンの最高段位を取ったことが評価され、コンクールに生徒を送り出すエリートクラスを受け持ちました」。決められた時間とカリキュラムの中で、子どもたちの力を最大限に引き上げることに力を注いだ。 

結婚、出産後も二重、三重保育を経験しながら、深夜まで仕事。「私が好きなことを続けられるのは、夫の理解と全力のサポートがあるからこそ」と感謝する。

長女が小学生になり、PTA会長に就いたことをきっかけに、子育てに主軸を置こうと退職。その後、社会教育指導員として3年間、浦添市中央公民館で講座やイベントの企画・運営に携わった。

「企画運営のノウハウや人脈はすべて公民館で培ったもの。人生の師と仰ぐ館長に出会え、とても貴重な時間を過ごさせていただきました」

周囲の声に推され児童センター館長の採用試験を受けて、14年に宮城ヶ原児童センターの館長に就任。「PTA会長の時には気づかなかった、地域の状況や子どもたちの様子が今はよく見えます。コロナ禍では担当部署に掛け合い『原則、休館』にしてもらい、食事の提供はお弁当に切り替えて、支援が必要な子が置き去りにならないように努めました」

2020年4月からは、センターの指定管理を請け負う。団体名のシンコペーションは、規則的なリズム進行に変化を与えることを意味する音楽用語。「児童センターは、異学年の子どもが集い、私たち職員だけでなく地域の大人も一緒になって交流する大きな家族。私が得意なのは一人一人の個性、得意を生かしてつなぐこと。いろいろな人が刺激を与えあって、楽しいハーモニーを奏でられる場にしていきたい」と目標を掲げる。


 年齢、職種も多種多様 若い力が強み「シンコペーション」

池原さん提供

池原さんが代表を務める「シンコペーション」(法人格取得申請中)は、今年4月から宮城ヶ原児童センターを指定管理している。

20代〜50代までのメンバー=写真=は、音楽家に図書館司書、リズムジャンプや絵本、キャリア教育の専門家など、職種も幅広く、それぞれの得意分野を生かして、児童センターを利用する子どもたちの成長をサポートしている。

「新型コロナの影響で、出鼻をくじかれた感はありますが、指定管理だったからこそ、公共施設が軒並み休館せざるを得ない状況になったときも、感染対策に気を配りながら、こちらの裁量で子どもたちの支援ができました。損することは何もない」と、池原さん。何事もポジティブに捉えて前を見据える。

問い合わせ先/宮城ヶ原児童センター
098(876)1895


こども食堂の広がり、つながり強化に


こども食堂の取り組みをより多くの人に知ってもらおうと、2020年11月28日(土)、29日(日)の両日、つながる! ひろがる! こども食堂ネットワーク「レッツクッキングプロジェクト」を、浦添市立宮城ヶ原児童センターで開く。浦添市内でこども食堂を運営している団体が参加してのゆんたく会などを実施。池原さんは、「こども食堂の運営・支援に携わる団体がつながりを深め、互いに手を取り合うことで、子どもたちのサポート環境の充実につなげたい」と期待する。28日は午後1時〜、29日は午前10時〜、入場無料。



プロフィル
いけはら・ちかこ
1964年、浦添市出身。東京コンセルヴァトワール尚美を卒業後、大手音楽教室の講師を23年間務める。浦添市中央公民館の社会教育指導員を経て2014年、市立宮城ヶ原児童センターの館長に就任。19年にシンコペーションを設立し、20年4月から同センターを指定管理する。

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撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1371>
第1738号 2020年11月26日掲載

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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