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2020年9月3日更新

月経と上手に付き合うには?|思春期の性教育[5]

文・百名奈保|月経のメカニズムを正しく理解するのは、出産経験のある女性にも難しいことかと思います。中高生にはさらに難しく、講演でポカンとした表情で月経や排卵の話を聞いている生徒がたくさんいます。


A 痛み止め、低用量ピルも一つの手

月経のメカニズムを正しく理解するのは、出産経験のある女性にも難しいことかと思います。中高生にはさらに難しく、講演でポカンとした表情で月経や排卵の話を聞いている生徒がたくさんいます。

女子大生も知識はあやふや

女子高校生に「卵子」がある場所は、どこですか?」と質問すると「卵巣」と正しく答える生徒もいますが、「心臓。大事な場所だから」「子宮にあるって聞いた」と、間違えて答える生徒もいます。

小中学校で何回か学習してきたはずなのに、正しい知識を自分のこととして身につけるのは、高校生でも難しいことのようです。

大学生でもあやふやなことが多く、20歳の女子学生に「月経の出血は、何が出てきていますか?」と質問したとき「胎盤ですか?」と答えたときは本当に驚きました。

月経とは、1カ月くらいのサイクルで子宮の内膜が受精卵を受け止めるために厚くなり、必要がない(妊娠しない)ときに剥がれ落ちて血液と共に外に出て行く現象です。初潮は、赤ちゃんを産める準備を始めたサイン。健康な大人に成長するためのしるしで、恥ずかしいことではありません。
 

男子にも知ってほしい

義務教育の中学校卒業までに、男女それぞれが「異性の心と体」について知っておいてほしいので、思春期講演では「月経」「妊娠」「精通」「マスターベーション」の話をします。

教師や保護者から「男子に月経の話、女子に精通の話なんて必要ありますか?」と、言われることもありますが、お互いの心身の変化を理解することは、相手を思いやる気持ちを育てる、大切な人間教育の一つだと思います

男子大学生に月経や妊娠の話をすると、「もっと早く知っておきたかった。そうしたら、その大変さがわかり、もっと姉や母に優しくできたかもしれない」「生理前に彼女がイラつく原因が分かった、ずっと謎だった」と、言っていました。

小学5年生の男子に月経や妊娠の話をしたとき、「女子の体の中ではスゴいことが起きているんですね。女子を大切にしなきゃと思いました」と、感想を述べてくれました。素晴らしい!


月経痛がつらいときは

女子は避けて通れない月経ですが、月経痛に悩む生徒は少なくありません。痛みが強いため、勉強に集中できない、部活がツラいという生徒もいます。そういう生徒には市販の痛み止め(小中高生が飲める生理痛の薬)を勧めますが、母親に止められてしまう子もいます。

母親が「飲んだら癖になる」「昔から、女性はみんな痛みを我慢してきたから」「将来、赤ちゃんが出来にくくなるよ」と、間違った情報を子どもに伝えているので、生徒は痛み止めを飲むことを“悪いこと”と、思ってしまいます。

月経痛がひどいときは、子宮内膜症のような婦人科系の病気が隠れていることもあります。学校に行けないくらい寝込んでしまうような痛みがあるときは、一度婦人科で診てもらうことをお勧めします。

中高生は閉経まで約450回

また、女子高校生(必要なときは女子中学生にも)に、低用量ピルの情報を伝えることもあります。低用量ピルは、「避妊」「副作用が強い」「怖い」というイメージを持つ保護者が多いのですが、「月経痛を和らげる」「月経の出血量を減らす」「月経の時期をずらす」というメリットがあります。

受験や部活の大会の日が、月経2日目だと想像してみてください。人によっては実力が発揮しづらく、絶望的な気持ちにさえなると思います。

中高生は、これから閉経までおよそ450回の月経がきます。月経と上手に付き合う方法を知ることは、快適に過ごせる日が増えることにつながります。

女子中学生の2~3割の子が「お母さんと生理の話をするのは気まずい、でも本当は話をしたい」と、言います。お母さん、娘さんと月経や妊娠の話をしたことはありますか? 月経の話をするのは“普通のこと”です。あまり難しく考えず、自分が生理の時に工夫していることや、失敗してしまったことなど、日常会話の中でさらりと話ができたらいいなと思います。
 

 

 
ひゃくな・なお/那覇市嘱託助産師・保健師として、学校で性教育について講話。子どもたちからの相談も受け付けている。那覇市首里で、「助産院*きらきら」を開業
same-moon@comet.ocn.ne.jp

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1726号 2020年9月3日紙面から掲載」
 

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