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2017年2月9日更新
プロに聞く! おいしい『珈琲』の抽出方法|家でおいしいコーヒーを
温かい飲み物が恋しい季節。コーヒー豆を販売する「豆ポレポレ」(沖縄県沖縄市)の仲村良行さんに、黄金ルールを教えてもらいました。
分量と時間の黄金ルール
「同じ豆でも入れ方で味が変わります。基本は、時間と分量を量ること。そこから、濃さや抽出具合など好みの味に調整していくといいでしょう」と仲村さん。深煎りの豆はペーパードリップ、浅煎りにはフレンチプレスが向いているという。
基本となる黄金ルールはシンプル(参照)。粉と湯の量を量り、蒸らす時間をしっかり取ろう。蒸らすことで炭酸ガスが抜け、コーヒー豆とお湯がなじみうまみ成分が抽出される。コーヒーは豆をひくと酸化が進むので、密封できる袋や容器で冷凍保存(2~3カ月)を。
仲村さんは「浅煎りの軽いコーヒーにはクッキーやスコーン、深煎りにはチョコやケーキなど重いものが合うでしょう」とアドバイス。コーヒーの香りが漂う入れる時間も楽しみのうち。リラックスしたい時や気持ちの切り替えに、丁寧に入れた一杯、いかがですか。
基本の黄金ルール
①粉とお湯の分量を量る
ペーパードリップは2杯分で粉18~22g、抽出されるコーヒーの量240ml
フレンチプレス2杯分は粉17~20g、お湯270ml
②お湯を数回に分けて注ぐ
③しっかり蒸らす。ペーパードリップの抽出時間は合計3分プラスマイナス30秒。フレンチプレスは4分
ペーパードリップは、抽出時間でコーヒーの濃度を変えられる。どっしり重い味にしたい時は時間を長く、さっぱり軽い味にしたい時は短くする
必要な道具はタイマー、はかり(ドリッパーの付属スプーンでもOK)、ドリップポット(ポットの先が細いと湯の量を調整しやすい。ティーポットでもOK)
中煎り、深煎りの豆に
ペーパードリップ(台形型)
①お湯を沸かし、ドリップポット=写真=に移す。しっかり沸騰させた後、お湯を移すと適度な温度(95度前後)になる。
②ペーパーフィルターをセットし、フィルターにコーヒーの粉を入れる。粉の表面を平らにならし、お湯を中心に向かって注ぎ、粉全体に含ませる。
③30秒ほど、そのままにして蒸らす。お湯を注ぎ蒸らす、を2~3回繰り返す。蒸らす時間は合計3分前後。最後まで落としきらず(渋みやえぐみを出さないため)、ドリッパーを外し抽出したコーヒーを混ぜてカップに注ぐ。
中煎り、深煎りの豆に
ペーパードリップ(円錐型)
①は台形型に同じ。
②お湯を少量(1円玉大程度)注ぎ少し待つ、を数回繰り返す。待つ間、泡を落とし切らずにお湯を入れる。
③湯の量を徐々に多くし(10円玉→100円玉→500円玉→全体)、注いで少し待つ、を繰り返す。最後まで落としきらず、抽出したコーヒーをかき混ぜてカップに注ぐ。
浅煎りの豆に
フレンチプレス
①コーヒーの粉をフレンチプレスに入れて、熱湯を1/3入れる。20~30秒蒸らす。
②お湯をすべて注ぐ。注ぎ終えたら、ふたをして4分ほど待つ。プランジャーをゆっくり押し下げカップに注ぐ。
浅煎りの豆に
番外編・茶こし
①カップにコーヒーの粉を入れ、熱湯を1/3ほど入れ、20~30秒蒸らす。お湯をすべて注ぎ、4分ほど待つ。その後、カップを振り全体をかき混ぜる。
②茶こしなどでこす。
Q.道具の使い分けは?
A.中煎り、深煎りの豆は、ペーパードリップがお勧め。中煎り、深煎りの豆は苦みやコク(ボディー)があり、油分が多いのが特徴。ペーパードリップを使うとフィルターにある程度油分が吸着され、キレのある味を楽しめる。
浅煎りの豆にはフレンチプレスが向いている。浅煎りの豆は香りがよくフルーティーなのが持ち味。豆そのものの味が出るフレンチプレスが、豆の香りや甘みを引き出す。
Q.ペーパードリップの台形型と円錐型の違いは?
A.お湯を通す穴が大きい円錐型は、台形型に比べて湯の注ぎ方によってお湯が落ちるスピードを変えらえれ、味に変化をつけやすい。台形型は、お湯のスピードが一定で安定した味になる。
スペシャリティコーヒー豆自家焙煎店「豆ポレポレ」の仲村良行店主。
SCAA/CQI認定Qグレーダー
098-927-3260
http://mamepolepole.ti-da.net/
編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』第1543号 2017年2月9日掲載