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2021年10月21日更新
[沖縄スポット]シマ散策④|宜野座村
記者が地域の人におすすめのスポットを案内してもらい、地域の魅力を再発見! 今回紹介するのは、宜野座村松田。同地区体験交流センターの島袋直人さんに鍾乳洞のメーガー洞やウーヌメー洞などを案内してもらいました。
集落の地下にある鍾乳洞 【宜野座村】
松田地区体験交流センターを出発し鍾乳洞へ向かう途中、1軒の住宅の前を通りかかった。島袋さんは「この家は松田の発祥とされる三家の一つ、ニーブ屋です。かつて琉球王府へ奉公へいったこの家の先祖が褒美としてもらったとされる高石垣が今でも残っています」と説明する。黒々とした石垣が歴史的な雰囲気を漂わせている。
地下河川が流れるメーガー洞。テナガエビなどの生き物も生息していて、運がよければ県指定天然記念物のクロイワトカゲモドキに出合うことも
かつては大切な水場
先を進み、うっそうと木々が茂るくぼ地を下りていくと横穴の洞窟、メーガー洞が姿を見せた。洞窟の長さは約800m、内部には地下河川が流れているが、穴の入り口から20mほどまでは遊歩道が設置されいて気軽に散策できるようになっている。島袋さんは「ここは水道がない頃は大切な水場でした。地下河川の上流は飲料水や洗濯用、下流は馬の水浴び用として使い分けていました。子供たちの水遊びの場でもありました」と笑顔で話す。集落の地下にある鍾乳洞を利用していた昔の人々の生活の様子にしばし思いをはせた。
洞窟の天井から鍾乳石がいろいろな方向に曲がって伸びている。島袋さんは「鍾乳石は表面に育ったバクテリアの働きによって光の指す方へ曲がって成長するそうです。ここの鍾乳石は、入り口からの光だけでなく地下河川に反射する光の影響などで、いろいろな方向へ曲がっています。曲がった鍾乳石が数多く存在するのは世界的にも珍しいそうです」と説明する。長い時間とさまざまな偶然が重なることで独特の造形を作り出す自然の姿を目の当たりにして心が踊った。
地下世界を探検
次の目的地のウーヌメー洞の入り口は縦穴になっていて、設置されたはしごを下りていくと光の届かない地下世界にたどり着いた。洞内はほぼ自然なままの洞窟でライトの明かりだけがたより。探検気分を味わいながら、自然が作り出す鍾乳石の神秘的な景観に圧倒された。
鍾乳洞は、普段は農業などをしている地域の人がガイドを務めている。地域の史跡や自然を観光資源として活用することでその保全にもつながっているようだった。
入り口から指す光や地下河川に反射する光などの影響でさまざま方向に曲がった鍾乳石
メーガー洞内には遊歩道が設置され気軽に散策できる
歴史の重みを感じさせるニーブ屋の高石垣
案内人
松田地区体験交流センター
地域支援員 島袋直人さん
■鍾乳洞は松田区が管理している。見学するには同センターに申し込みが必要。入場料等あり。問い合わせは、☎︎098(989)8100
『週刊ほ〜むぷらざ』シマ散策
第1785号 2021年10月21日掲載