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2021年9月16日更新

[タイ深発見]石造神殿のクメール遺跡〈9〉

タイ国政府観光庁で働く冨松寛考さんが、タイの観光地や食べ物、人々の暮らしぶりを連載で紹介。今回は、タイのクメール様式の建築物について取り上げます。

石造神殿のクメール遺跡
タイには、長い歴史の中でさまざまな王朝によって建築された遺跡が数多くあり、遺跡巡りを目的に訪れる人もいます。

かつてクメール王朝の支配地でもあったタイ東北部(イサーン)の南イサーン地域には、クメール王朝の影響を受けた石造神殿の「クメール遺跡」が数多く残っています。一口に石造神殿と言ってもその建築様式はさまざま。有名なアンコールワット様式のほかにも複数あります。

中でもパプオーン様式で建築された、ナコーンラーチャシーマー県にある「ピマーイ遺跡」はタイ国内最大規模のクメール遺跡。カンボジアの世界遺産アンコールワットのモデルになったと言われ、神殿の正面はクメール王朝の首都アンコールに向かって南向きに建てられている貴重な遺跡です。

クメール王朝時代の王たちは神殿を神聖な住居として建造しており、神殿を中心に人、物が集まり、都市ができたことでクメール文化は発展していきました。


● 石造神殿の見どころは主塔 ●

古代クメール建築の石造建築物は、用途別に三つに分けられます。一つ目の石造神殿(寺院)は儀式を執り行う場所として作られました。二つ目のアロガヤサラーは病人などの治療施設として、三つ目のタマンサラーはアンコールからピマーイまでの道中に旅人が立ち寄るための家として使用されました。クメール建築は、そのほとんどの基礎に赤土が使われ、建物には曲線の装飾を施した砂岩が使われています。一部の建物はれんが造りですが、大半は軟らかくて彫刻がしやすい砂岩です。

ピマーイ歴史公園は国内最大規模の遺跡が残されている貴重な史跡公園

石造神殿の見どころは、神殿の最も重要な部分のスタッコ(飾りしっくい)や石の彫刻デザインで装飾された主塔。クメール石造神殿には宗教の混和がよく見られ、ヒンズー教であったり大乗仏教であったりと、宗派によって装飾が異なります。また、建物の向きも特徴の一つ。先に紹介したピマーイ遺跡などのように、アンコールにつながる道に向かって南向きの造りもありますが、神殿のほとんどは東向き。年に一度朝日が直線的に建物内に差し込む現象がみられる構造となっています。

時間があれば足を運んでいただきたいのが、「パノムルン歴史公園」です。クメール語で「大きな丘」を意味するパノムルンはアンコールワット様式の建築。ピマーイ遺跡と並んで最高峰の建築物と称されています。丘の上に建つこの場所から、晴天時にはカンボジアとの国境にあるドンラック山脈がおぼろげに見えます。私も以前訪れた際に見ようと試みましたが残念ながら山脈までは見えませんでした。


取り囲む回廊の門から、中央の神殿がのぞけるのもクメール遺跡の特徴

パノムルン歴史公園は、神殿正面から日の出が差し込むように設計されている
 



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タイ語で「ありがとう」は「コープン」です。「ありがとうございます」と丁寧に言うときは、「コープン」の後に「クラップ(男性)/カー(女性)」をつけるのを忘れずに!
例:コープンクラップ または コープンカー


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とみまつ・ひろのり

 執筆者 
とみまつ・ひろのり
タイ国政府観光庁福岡事務所マーケティングマネージャー


◆タイ国政府観光庁 福岡事務所
092(260)9308 メール info@tatfuk.com
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「タイ深発見」のバックナンバーはこちらから。
『週刊ほ〜むぷらざ』タイ深発見<9>
第1780号 2021年9月17日掲載

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