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2025年2月6日更新
Q.iDeCoの継続が難しい|A.解約は不可 減額か停止|マネーのヒント!⑪
iDeCoをNISAに変更できますか? と、相談を受ける事があります。変更希望の理由を聞くと二つに分かれます。
Q.iDeCoの継続が難しい
A.解約は不可 減額か停止
iDeCoをNISAに変更できますか? と、相談を受ける事があります。変更希望の理由を聞くと二つに分かれます。
一つ目の理由は、結婚、出産、転職などで働き方が変わり毎月の積み立てが資金的に継続困難になったこと。二つ目の理由は、iDeCoの仕組みが難しく、制度変更がある度に変更点が自分のお金に与える影響が分からず、不安を感じるという、iDeCo制度の難しさが引き起こす不安からくるものです。
iDeCoは解約できる?
iDeCoは原則的に60歳まで解約できません。一部例外はありますが、かなり厳しい要件(「脱退一時金の受給要件」で検索)を満たす場合以外は途中でお金を引き出すこともできないので、1度始めると60歳まで積み立て続けることになると意識しておきましょう。そうは言っても結婚、出産、転職など状況の変化により経済的に苦しくなりiDeCoを継続するのが難しくなる事はあると思うので、その場合の対処方法を二つ紹介しましょう。
①掛け金を減額して継続
◆掛け金を最低金額の5千円/月に減額する。
◆手続き方法は、契約している金融機関から「加入者掛金額変更届」を入手して提出。
◆掛け金額の変更は、1年に1回のみ可能なので注意する。
②掛け金の支払いを停止
◆支払い停止手続きをして、「運用指図者」として、積み立てたお金の運用のみ継続する。
◆停止中は管理費用がかかる。66円/月と金融機関が定める運営管理手数料。
◆手続き方法は、契約している金融機関から「加入者資格喪失届」を入手し、喪失理由に「運用指図者となるため」を選んで提出する。
注意したいこと
iDeCoの加入中(掛け金を支払い中)は171円/月プラス金融機関が定める運営管理手数料が毎月かかり、停止期間中は66円/月プラス運営管理手数料がかかり続けます。60歳以降にお金(老齢年金)を受け取る際は信託銀行に払う手数料が1回あたり440円かかるので、それらの手数料に負けない運用を考える必要があります。安全性の高い商品で運用をしていると残高が減ってしまうリスクがあるので、信託報酬が低い投資信託を組み合わせるなど、運用する商品の選び方に注意しましょう。
途中解約はできない
iDeCoは原則、途中解約ができないのでNISAに変更はできません。お勧めの対処方法はiDeCoの掛け金を最低額の月額5千円に減額して、継続しながら減額分をNISAへ回す方法です。この方法ならiDeCoに拠出する年額6万円分を所得控除で節税をしながら、NISAで利益が非課税になる投資運用が可能になります。
iDeCoは途中解約・引き出しができない事がデメリットですが、貯金が苦手で老後資金に不安がある場合は、途中解約できない点をメリットと考えて制度を利用するのも良いでしょう。iDeCoは、継続してこそ意味がある制度です。掛け金額を5千円に下げることで続けられるなら、ぜひ続けてみましょう。
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
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『週刊ほ〜むぷらざ』マネーのヒント!⑪
第1956号 2025年2月6日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。