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2025年1月23日更新

女性特有の不調は鍼灸に!|月経困難症、PMS、更年期障害など 婦人科の悩み|鈴木先生が解説 なるほど鍼灸⑧

体を各パーツに分けて診る西洋医学と異なり、全身を診る東洋医学の鍼灸は、西洋医学だけでは改善しない症状の最後の砦ともいわれます。このコーナーでは、鍼灸の治療法や特徴、その魅力について、沖縄統合医療学院の鈴木信司先生が分かりやすく紹介します。

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鈴木信司(沖縄統合医療学院 学校長)
 

琉球大学大学院医学研究科博士課程修了、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。医学博士。県内初の鍼灸学科を開講した沖縄統合医療学院学校長。はり師・きゅう師等の国家資格と養成教員資格を持つ。全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会等に所属。
 

◇    ◆    ◇    ◆    ◇


 体 が冷えやすい冬は血行不良になりやすく、月経痛などの婦人科の悩みが増える季節です。下腹部痛や腰痛、下痢、イライラなど月経に伴う心身の不調が起こる月経困難症。ホルモンバランスの乱れなどから月経の3~10日前に、下腹部膨満感や乳房緊満感、気分の変動のような心身の不調を発症するPMS。のぼせ、顔のほてり、動悸や息切れ、めまい、気分の浮き沈み、イライラ、うつ、不眠など、閉経に向かう時期から始まる更年期障害。こうした女性特有の不調を抱えながらも、「病院へ行くほどではないから…」と我慢している方が少なくありません。

月経困難症、PMS、更年期障害などの症状は、東洋医学では気(エネルギー)・血(血液)・津液(リンパ液や尿など血液以外の液体)の流れを整え、健康の維持に欠かせない自律神経系、内分泌系、免疫系の三つを整える全人的な治療で症状を緩和する、鍼灸の施術が適しています。これらの婦人科の不調に対する鍼灸での治療は、下腹部痛などの鎮痛効果、筋肉の緊張を緩和するリラクセーション効果などが西洋医学でも認められており、身体的な症状だけではなく、イライラ、うつ、睡眠障害など精神的な症状の改善も期待できます。


腹部・腰・足のツボ
鍼と灸でダイレクトに


鍼灸での月経困難症、PMS、更年期障害などの治療に有効なツボは、腹部や腰だけではなく足にもあります。子宮や卵巣に近いツボは、おへその下部にある「関元(かんげん)」と、腰の下部に位置する「次髎(じりょう)」です。膝のそばにある「血海(けっかい)」と、冷え性の改善に有効なツボとして前回ご紹介した足首の近くにある「三陰交(さんいんこう)」も、月経痛など婦人科の症状の改善に役立つことで知られています。これらのツボに、鍼灸でダイレクトにアプローチすることで、痛み緩和と症状の改善を狙います。

ただし、不正出血、月経時以外の痛み、体重減少、貧血、授乳期以外の乳汁分泌、帯下、強い精神症状などを伴う場合は、他の疾患の可能性がありますので、専門の医療機関を受診してください。



ツボ刺激でセルフケア
月経痛や更年期障害に


月経困難症、PMS、更年期障害など女性特有の悩みにおすすめのツボは、おへそから指4本分下に位置する「関元」、背骨の一番下にある三角形の仙骨にある左右4対のくぼみの上から二つ目の左右1対のくぼみの「次髎」、膝のお皿の上端の内側から指3本分上にある「血海」、足の内側のくるぶしから指4本分上の骨のくぼみにある「三陰交」です。気持ちいい程度の強さで10秒ほど、押しやすい指で、くり返し押してみてください。「次髎」は自分では分かりにくいので、お尻の割れ目の少し上の左右を指で押してみて、気持ちいい位置でOKです。「関元」と「次髎」はインナーのシャツの上から使い捨てカイロで温めるのもオススメです。



鍼灸ひとくちメモ
 鍼灸がアスリートに選ばれるのはなぜ? 

オリンピックやパラリンピックには多くの鍼灸師がトレーナーとして帯同しており、バスケット、サッカー、野球などのチームや部活動などにもスポーツトレーナーとして鍼灸師が帯同するケースが増えています。それは、筋肉痛や関節痛、靱帯(じんたい)損傷、骨折、捻挫などのけがの痛みの改善に、筋肉などに直接アプローチする鍼でしかできない治療や、患部の深部に温熱刺激を与える灸ならではの治療が、効果的であることが知られているからです。施術を行うのは、解剖生理学や病理学、運動学などの専門的知識を身につけた国家資格を持つ鍼灸師で、スポーツ鍼灸という分野も確立されており、この分野を専門とする研究などが学会でも多数発表されています。

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取材/堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』鈴木先生が解説!なるほど鍼灸
第1954号 2025年1月23日掲載

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