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2023年1月19日更新

心臓の病気① 70代から増える不整脈|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(104)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。今回から3回にわたり、心臓の病気にスポットを当て、その専門医である、ひがハートクリニックの比嘉耕一院長に話を聞きます。今回のテーマは不整脈です。

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約4割の人は自覚症状なし
心臓の病気①

 心房細動は早期治療が必要 

Q1 不整脈とは?

不整脈には、トン・トン・トンと規則的なはずの心臓の拍動のリズムがトン・ト・トンと不規則になる期外収縮、拍動が異常に遅くなる徐脈、拍動が異常に早くなる頻脈などがあります。高齢になって増加する心房細動は、約4割の人に自覚症状がなく、自分では気づきにくいのが特徴です。そのため、24時間ずっと記録してくれる小型の心電図の装置や、1週間記録できる装置で、不整脈があるかどうかを検査することもあります。

もし脈の乱れや動悸(どうき)を感じたら受診するのはもちろん、自覚症状がなくても気になる方は、特定健診などで心電図を追加したり、不整脈を教えてくれる腕時計型のデバイスなどを身に着けておくのもおすすめです。
 

Q2 心房細動はどんな人がなりやすいの?

高齢化に伴い、全国的に増えていて、70代の男性は7・1%、女性は3・4%、80代になると男性は10・5%、女性は6・4%と増えてきます。高齢者以外にも、心臓弁膜症、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進(こうしん)症、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさったメタボリック症候群などの疾患がある方は、不整脈になるリスクが高いので、特に注意が必要です。
 
 


Q3 心房細動は何が心配なの?

拍動が異常に早くなる不整脈のうち、心臓が細かくけいれんを起こす心房細動は、心臓の中の心房で血液がよどんで固まり、血栓ができ、それが脳へ運ばれると、脳梗塞を引き起こします。脳梗塞のうち27%は、この心原性の脳梗塞です。そのため一刻も早く見つけ、血液をサラサラにする抗凝固薬を投与して、脳梗塞を予防する必要があります。

心房細動は、心臓の左房という部分から発生する不規則な刺激で、これが正常な刺激を邪魔します。この電気信号の乱れを起こすポイントが集中している部分を「心房細動の巣」と呼び、そこから異常な電気刺激が外に出ていかないように心房筋を焼灼(しょうしゃく)するアブレーションという治療を必要に応じて行い、再発を防ぎます。

次回は、狭心症と心筋梗塞について聞きます。


◇       ◇       ◇
 

比嘉耕一さん/ひがハートクリニック院長 日本循環器学会専門医
比嘉耕一さん/ひがハートクリニック院長 日本循環器学会専門医
ひが・こういち/広島大学医学部卒。東京女子医大心臓血圧研究所、牧港中央病院などを経て2009年10月ひがハートクリニックを開院。日本循環器学会専門医。日本内科学会認定内科医。モットーは「患者さんの立場に立つ親身な治療」。


ひがハートクリニック
電話098-875-4810
浦添市港川2-23-2


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<104>
第1850号 2023年1月19日掲載

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