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2022年10月20日更新

[沖縄]尿の困りごと② 臓器が下垂する骨盤臓器脱|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(101)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。中高年女性に多い尿の困りごとにスポットを当て、日本泌尿器科学会の専門医である町田典子先生に話を聞きます。今回のテーマは中高年女性に多い骨盤臓器脱です。

排尿障害、頻尿、尿漏れの原因にも
尿の困りごと①

 全体の約6割は膀胱瘤! 
Q1 骨盤臓器脱とは?

両脚の付け根の間にはハンモックのような骨盤底筋という筋肉や靭帯(じんたい)があり、膀胱(ぼうこう)、子宮、直腸などの臓器を支えています。しかし、加齢や出産により、この筋膜が弱くなり支えきれなくなって、膀胱や子宮などの臓器が膣に下がり、外へ出てしまうことがあります。これを骨盤臓器脱といいます。

全体の約6割を占めるのが膀胱瘤(りゅう)(膀胱脱)、次に多いのが子宮脱で2~3割を占め、他にも直腸瘤、小腸瘤、膣脱などがあります。

症状としては、膣の中に何かが下がってきているような感じ、股に何かが挟まっているような違和感、下着にすれて出血することもあります。

60代から増えてきますが、妊娠出産の回数が多いほど骨盤臓器脱になりやすく、40代や50代での発症も少なくありません。肥満の方、便秘の方、仕事で重い物を持つ機会が多い方は、腹圧がかかり、骨盤臓器脱のリスクが高まります。なお、子宮を摘出する手術を受けたことのある方は、膣脱が起こることがあります。
 

Q2 進行するとどうなるの?

骨盤臓器脱は排尿障害を起こしやすく、尿が出にくい、頻尿、尿漏れといった症状が起こりやすくなります。特に膀胱瘤がひどくなると、排尿しても膀胱内に尿が残り、膀胱炎をくり返すことがあります。また、子宮とともに膀胱が下がってくるケースもあり、ひどくなると尿道がふさがり、排尿しづらくなることがあります。


Q3 どうやって治療するの?

軽症の方や手術を希望しない場合は、骨盤底筋を鍛えるトレーニング、下がっている膀胱や子宮を支えるペッサリーという器具の装着、下垂した臓器を押し戻した状態で膣口を押さえるフェミクッションという補正下着の着用といった保存的治療を行います。

症状が重い場合は手術になりますが、近年は腹腔鏡下手術やロボット支援下手術など、身体への負担が少ない手術が増えてきています。下垂が思い当たる方はぜひ泌尿器科または婦人科を受診してください。

次回はGSM(閉経関連泌尿生殖器症候)について聞きます。



◇       ◇       ◇
 


町田典子さん/まちだ泌尿器科クリニック院長 医学博士
まちだ・のりこ/琉球大学医学部医学科卒。日本泌尿器科学会専門医。琉球大学医学部附属病院、那覇市立病院、中頭病院、中部徳洲会病院などを経て、2021年12月にスタッフが全員女性のまちだ泌尿器科クリニックを開業。



まちだ泌尿器科クリニック
電話098-921-4145
沖縄市美里仲原町28-18

文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<101>
第1837号 2022年10月20日掲載

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