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2022年9月22日更新
[沖縄・美容形成外科]そのできもの トウフのカシーでは?|教えて!ドクター当山〈252〉
痛みやかゆみはないけれど、触るとコリコリする小さなしこりがある―。そのできもの、トウフのカシーでは?「沖縄の方言でよく耳にするトウフのカシーとは、皮下にできる良性の腫瘍『粉瘤(ふんりゅう)』のこと。放置したり指で押しつぶしていると感染してしまうので、形成外科で早めに治療を」と、当山美容形成外科の当山拓也院長。粉瘤の原因や治療法について聞いた。
「トウフのカシー」放っておくと感染することも
自己処置はダメ 早めに治療を!
そのできもの トウフのカシーでは?
痛みのない小さなシコリ
背中・お尻はじめ全身に
―粉瘤とは?
当山
皮膚の下にある袋に皮脂や角質といった皮膚の汚れがたまってできる、できもののことです。背中、お尻など皮膚の厚いところにできやすいのですが、それ以外にも頬や手足、頭皮、耳の周りなど、あらゆる場所にできます。
痛みはなく、触るとコリコリしたしこりを感じる程度ですが、自然になくなることはありません。2~3㌢から大きいものは10㌢程度になることもあります。
―沖縄でトウフのカシーと呼ばれるのは?
当山
しこりを強く押すと、皮膚にあいている小さな穴から内容物が飛び出してきます。その内容物がつぶした木綿豆腐のカスように見え、悪臭を放つため、沖縄ではこの名前が付いています。
一度内容物を押し出すと小さくはなりますが、皮下の袋は残っているため、また少しずつ大きくなります。自分で何度も押し出したり放置しておくと、ばい菌が付いて赤く腫れたり痛みを伴うなど感染してしまうので、自己処置は絶対にしないでください。
切除が基本で保険適応
手術は局所麻酔で日帰り
―原因は?
当山
不潔にしているとできやすいと思われがちですが、きちんとお風呂に入って清潔にしていてもできる人はできてしまうのが粉瘤。食べ物や生活習慣はあまり関係なく原因は不明です。
―治療法は?
当山
基本は手術で切除。保険適応で、一度切り取ってしっかり縫合すれば再発は少ないです。ただし、感染がひどい場合は一度切開して内容物を出し切って消毒し、感染が落ち着いてから縫合することもあります。
健康診断などで相談し、「『放っておいて大丈夫』と言われたから」と、感染し痛みを伴ってから来院される方も少なくありません。また皮膚科からの紹介で当院を受診される方も多数いらっしゃいます。
―粉瘤に心当たりのある読者にアドバイスをお願いします。
当山
当院は月に100件以上の手術を行っていますが、その半分がいわゆる粉瘤の治療です。手術経験豊富な形成外科専門医4人で診療しており、症状や部位に応じた手術方法を提案できるのが強み。粉瘤の手術は基本的に局所麻酔で日帰りで行い、状態が良ければ10日から2週間ほどで抜糸可能です。早いうちに手術すれば傷も小さくキレイに治ります。
粉瘤は良性疾患ですが、まれに粉瘤だと思って放置していたところ悪性腫瘍だったということもあるため早めの受診をお勧めします。
※次は「おすすめ男性美容トップ3」です。
当山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2017年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。2018年、同院院長に就任。
<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com
<過去記事一覧>
『週刊ほ〜むぷらざ』 教えて!ドクター当山<252>
第1833号 2022年9月22日掲載