ヘルスケア
2022年6月30日更新
[沖縄]足の悩みを緩和しQOL向上|整形靴技術者が教える! 足と靴のコト①
靴の修理やインソール、整形靴を手掛ける大田製靴店。まひや外反母趾(ぼし)など、足のトラブルで歩行機能に悩む人たちをサポートしている代表の大田守誠さんが足と靴のことについてお伝えしていきます。
当店は創業93年、紳士靴の製造から靴修理業などを行っていました。2017年から家業を引き継ぐにあたり、ドイツ整形靴技術を取り入れ、事故や病気などで、まひや変形した足に合わせた整形靴やインソールの製作を行ってきました。昨年からは下肢全般の装具を製作できる体制を整え、県民の“歩く”ことをサポートしています。外反母趾や扁平(へんぺい)足といった足の悩みから、脳卒中の後遺症や子どもの発育をサポートする装具の必要性を実感しています。
適切な時期に足の保護や矯正をすることで筋力の維持や変形の予防になり、将来的な生活の質(QOL)の向上にもつながります。県内では整形靴をはじめ、装具の認知度が低く、足に合わない靴を無理して履くしかないと諦めている人が多いという現状や、過去に装具を作ったがどこに相談したらいいか分からないと、困っている方から多くの足や装具の相談を受けることがあります。
人生100年時代と言われる中、1人でも多くの方の足のトラブルを解決することが重要だと考えています。そのためには、整形靴や装具のことを伝え、技術の伝承、啓蒙(けいもう)活動が必要だと思います。整形靴やインソールは他の装具と同様に医療保険や福祉制度が適用されることもありますので、歩くことに悩みを抱えている方、自分の足に合う靴はないと諦めている方は、お気軽にご相談ください。
執筆者
大田守誠(おおた・もりまさ)
1929年創業の大田製靴店3代目。ドイツの整形靴技術、材料、機械など、靴製作に関わる技術と知識を取得。
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1821号 2022年6月30日紙面から掲載」