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2021年1月28日更新

県内で持続可能な再生医療の仕組みづくりを目指す|教えて!ドクター当山〈230〉

患者自身の脂肪幹細胞を使い、体の組織や機能を回復させる再生医療を行う当山美容形成外科。同院が新たに、幹細胞が分泌する情報伝達物質「エクソソーム」を使った再生医療の実用化に向け、取り組みを始めた。これはエクソソームの抽出等について研究を行う2社と共同で行う県の補助事業。その概要や同院の役割、治療が期待できる分野について聞いた。

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県の「先端医療産業技術事業化推進事業」で2社と提携

エクソソーム使った再生医療 沖縄から

◆実証事業の取り組みを関係者と発表
昨年12月25日に県立図書館で行った同事業のキックオフミーティングにて。当山拓也院長(右から2人目)とセルソースの裙本理人社長(右)、フルステムの千葉俊明社長(左から2人目)の3者が事業提携。大阪大学の池松靖人特任准教授(左)らは技術面でのサポートを行う


細胞の分化や老化に関連
情報伝達担うエクソソーム


―「エクソソーム」とは?
当山
あらゆる細胞が分泌している30~100ナノ㍍の小胞のことで、近年、細胞の分化や老化、さまざまな免疫系統にも関わることが分かってきました。特にエクソソームの持つ情報伝達物質としての働きが注目されており、がん治療やアルツハイマーなどの神経変性疾患、生活習慣病、不妊治療や老化に対しても関連を指摘され、その研究に期待が集まっています。

―その「エクソソーム」を使った再生医療の事業化に、県の補助を受け着手したそうですね。経緯は?
当山
県内でも再生医療の産業化に向けた取り組みを実施してきましたが、安全な治療法ならびに安定した細胞の培養技術や輸送法といった必要な周辺技術の確立が難しく、事業化している医療機関が少ないのが現状です。そうした課題を解決すべく、大阪大学の支援の下、エクソソーム製剤の製造技術を持つフルステム社、セルソース社と、当山美容形成外科の3者が事業提携=右図。県の補助事業「先端医療産業技術事業化推進事業」=※1参照=として、県内における持続可能な再生医療の製造・治療システムの構築に向け、昨年10月から取り組んでいます。

薄毛、皮膚老化、慢性疲労
効果的な治療の確立目指す


―当山美容形成外科の役割は?
当山
当院は県内で唯一、第二種再生医療等提供計画番号を複数取得しており、再生医療の治療実績が豊富です。その経験を生かし、美容医療におけるエクソソームの効果的な治療法・評価法の確立を担当。今年中にはエクソソーム製剤の効果の確証が得られる見通しのため、来年には男女の薄毛や皮膚の老化、慢性疲労に対する治療を始める予定です。

◆当山美容形成外科の役割と期待できる 治療
※1)沖縄県先端医療産業技術事業化推進事業とは 県内医療機関において再生医療の治療および治療に必要な周辺技術の課題解決や、県内で再生医療が実施できる仕組みの構築を行う事業者を支援する事業。県内の医療機関において持続的に再生医療が実施できる仕組みの構築と対象疾患を広げた治療展開を最終目的としている。

―期待を寄せる読者に向け一言
当山
エクソソームを使った再生医療は、必ずしも自分の細胞を採取する必要がない上、幹細胞を体内に注入するより効果が高まるのではないかと期待されています。 今回の取り組みが実用化されれば日本初。県民の利用はもとより、高品質な再生医療の拠点として県外、国外からの医療ツーリズムの需要が見込め、コロナ後の新しい県経済の基盤づくりにもつながります。沖縄県、日本の医療産業にとっても大変意義深いこの取り組みに、ご期待ください。



当山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長

東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2016年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。17年6月、同院院長に就任。


<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com

※次回は「V.I.O脱毛初体験!」です。

<過去記事一覧>


『週刊ほ〜むぷらざ』 教えて!ドクター当山<231>
第1747号 2021年1月28日掲載

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