「ももはじめてさく」|本村ひろみのコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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COLUMN

本村ひろみ

2019年3月8日更新

「ももはじめてさく」|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。fun okinawaコラム「おきなわ暮らし散歩 Vol.52」

 季節の暦をみると、三月のこの頃は「桃始笑(ももはじめてさく)」と呼ぶ。
3/10〜3/14頃。
この頃は桃のつぼみが開き、花が咲き始める。新しい季節の喜びを込めて、昔の人は“咲く”という言葉を“笑う ”と表現した。解けていく春の風景を「笑っている」と擬人化する感性のやわらかさ。
うなってしまいます。
 
おさらいすると
節分を基準に一年を二十四等分して、約15日ごとに分けた季節を「二十四節気」と言います。そしてその二十四節気をさらに5日ずつの三つに分けた期間が七十二候です。で、この各七十二候の名称は気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっているのです。
古代中国で考案されたものらしいのですが、自然を尊ぶ繊細さが季節の風景や美しい言葉に置き換えられていて声にするとなんだか懐かしい。
懐かしさを呼び起こすのです。
ちなみに二十四節気「啓蟄」のこの時期は、生き物たちがやぁやぁやぁと土の中から現れたり、テントウムシやハチが飛び始めて野原がにぎやかになったり、ネコや犬が庭先で、大きな伸びをしながら春を楽しんでいます。
 
“見知らぬ町を ひとり歩いたら 風は空から 花びら散らす
過ぎゆく春の 投げる口づけは 髪に両手に はらはら停まる

 
この場所で嵐見送れば 時の流れに 埋もれてしまう
 
薄紅が なんて優しいの 拾い集める人もいないのに
見知らぬ町を ひとり歩いたら 風は空から 花びら散らす
髪に両手に はらはら停まる”

(荒井由実 アルバム『COBALT HOUR』より 「花紀行」 1975年)


 
また春がやってきたね。
 

暖かい風の吹く日曜日、宜野湾の新城界隈(かいわい)を歩いた。
高台にあるバス停から遠くに光る海が見え
雲はびゅんびゅんと風に押し流され刷毛で描いた鳥の羽のようだった。
 


バスの窓から見かけるたびに気になっていたショップをゆっくりと散歩する探検。
旅人の気持ちになって町を歩く。
 


「Waters-design factory」
そのたたずまいがずっと気になっていた
間口はそう広くなく、流木の取っ手
窓際には椅子を置いているらしい
入ってみると縦長の空間にアクセサリーやお洋服が並び
壁には一面、陶器が飾られている
反対側の襖の部屋はチャイナテイスト
サイトには「沖縄の小物と日常の洋服」という文字が記されている


 
テンション上がりました。
この器でお茶を飲んで、このピアスにこのブラウス合わせて。
フカフカの大きな椅子で座って居眠り。
そんな妄想を楽しみながら時が過ぎてゆく。


 
もうすぐ「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」頃。
モンシロチョウのようにひらひらふわふわと歩こう
散歩で出逢う新しい気分は、きっと楽しい明日を運んでくる。


 

* セレクトショップ
「Waters – design factory」
HP http://journal.waters.asia

 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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