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COLUMN

本村ひろみ

2017年11月2日更新

街のシルエット|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.36」




10月は月夜を歩くことが多かった。
明るい時間に通ると見えなかったものに出合ったり
幻想的な花の香りが漂っていたり。
犬たちは解放され
人間と黙々と走っていたり、
草の中から猫がミャッとささやいたり
風のうねりで木々は踊り
まだ半袖の私の腕には湿ったヒンヤリが通り過ぎたり。
月夜の散歩は異界をのぞき見するような
そんな楽しさに出合える時間です。

明るい時間は
いろんなことに心がとらわれていて、
いつも歩いている街の風景が目隠しになっている。
ルーティンのマジック。
ある日突然立ち止まって、
ここにこんなモノがあったかなって気づくまで
見ているようで見えていない。
そんなことはよくあること。
だから新しい建物にビックリしたり
開通した道路に不思議な気分になる。
時はそんなふうに過ぎていく。

NHK BSで放送している「世界ふれあい街歩き」、
旅人の目になってカメラが街を歩く。
朝から夜までの1日をつづったり
夕方のサンセットタイムで静かにエンディングになったり、
日々のいとなみが
呼吸をするように自然に、
ゆったりと流れている。
行きかう人と会話をしながら、
時には庭仕事をしている人の家にお邪魔して
お茶を頂きながら家族の話を聞いたり、
別れぎわには笑顔で手を振り
「良い1日を」と声をかけ合う。
この番組を見るたびに、
行ったことのない街も
懐かしい気分になるのはなぜだろう。





先日、「シアトル」の街歩きを放送していた。
高校生の時に交換留学で滞在した街。
私のホームステイ先は緑豊かな郊外の湖の近くだった。
滞在していたアンダーソン家のお父さんは建築士で、
シアトルの街の象徴「スペースニードル」の設計にも携わった人物。
家には建築中の建物の写真や設計図が飾られていた。
北欧系の明るい家族のおかげで恵まれた留学の日々を送り、
たくさんの思い出を胸にシアトルをたつ日。
お母さんは留学生のみんなの長い旅のおやつにと
カップケーキを山ほど焼いて持たせてくれた。
機内で泣きながら食べたあの味は今でも忘れられない。

留学先のシアトルで聴いていたベッドミドラーの「The Rose」。
この曲を聴くと、
記憶の地図に刻まれた
私だけのあの頃の風景が浮かびあがる。

自分だけの「街のシルエット」を描くために
今日も街歩きに出かけよう。



 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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