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仲眞愛鈴

2017年6月1日更新

おふくろの味は菌の味?|仲眞愛鈴のコラム

女性専門鍼灸サロン紅陽庵の鍼灸師 仲眞愛鈴さんのコラム[vol.02]

私たちのカラダに存在する常在菌(じょうざいきん)。
菌というと、悪いイメージを持っている人が多いと思いますが、常在菌は主にカラダに存在する微生物(細菌)のうち、多くの人に共通してみられ、病原性を示さないものを指します。常在菌の種類は多種多様で、地域環境や生活習慣、カラダの部位により違いがあります。ただし、「健康なカラダにも存在する菌」であって、「全ての人間が持っている菌」という意味ではありません。
基本的には人の健康に影響を与えず、侵入した病原性微生物の繁殖を抑え、発病を防ぐ効果もあると考えられています。ところが、強力な抗生物質を使うと常在菌が極端に減少し、他の細菌やカビなどが繁殖するため、病原性を示すことがありますので、抗生物質の使い過ぎは要注意です。

「菌」ですが、日常よく見られる食品にもあります。日本では、日本酒、焼酎、ワインなどの酒造りが盛んであり、味噌や醤油、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品も、「菌」の力がかかわってきます。



酒造りは蒸したお米と水と麹(こうじ)菌、酵母菌がその材料です。これに触れることができるのは「杜氏(とうじ)」とよばれる酒造りの技をもつ職人の手のみ。時代がたつにつれ酒造りは女性の現場の立ち入りが許されない男の仕事になりました。
しかし、実は飛鳥時代以前は酒造りは女性の仕事だったと考えられています。
また、味噌と醤油も、蒸したお米と麹菌と水にゆでた大豆が加わり醸造技術により造られますが、これも人の手が加えられています。
考えてみると、私たちが普段何げなく口にしているものは人の手が入ったもので、つまり、造る人の手にいる常在菌が材料に入り、その味付けに関わっているということです。



ある研究によると手には、およそ150種類もの細菌が住んでいるそうです。102個(1人両手は2個とカウント)の手から検出された細菌の種類は4700種類におよんだようですが、共通して見られた細菌はわずか5種類。
面白いことに、同じ人の右手と左手を見ても、両手に共通する細菌の種類は、わずかに17%。
そして、「住まわせている」 細菌の種類の多さは、女性の手の菌が、男性をはるかに上回っているということが判明したそうです。

私たちが普段何げなく口にしている一番の人の手が入ったもの。それは、お母さんが作るご飯。
小さい頃から、お母さんの手の菌を食べて育ち、大人になっても忘れることはない「おふくろの味」。
なぜなら、私たちはお母さんの手の菌という愛情に支配されていたから。
ぬか漬けの味はその家によって味が違うことが知られていますが、ぬか漬けを作る時も、ぬか床と野菜を混ぜるのはほとんどが家庭の主婦、お母さんの手。



各家庭によって違う「おふくろの味」は、私たちが小さいときから慣れ親しんだお母さんの手の菌の味ということです。そりゃあどんなに頑張ってもかないませんね。
でも、「おふくろの味」にはかなわなくても、自分が妻や母親になり、自分の手の菌が入ったご飯を毎日食べてもらうことは、家族を手の菌の愛情で支配することができるってことです。
少しずつ、旦那さまもお子さまも皆さんの手の菌の味を覚えます。
最近、手料理をサボってるなっと思っているあなた。
旦那さま、お子さまがいうこと聞かないなと思ったあなた。
ぜひ、大切な人や愛する家族をあなたの手の菌で支配してみませんか?
それは簡単! ちょっと一手間、手を入れるだけ。
お総菜を買ってきた日も、お箸でお皿に移すのではなく、少しだけでも触れて手の菌という愛情を入れるだけ。
胃袋をつかむのは、案外女性の手にしかいない常在菌が活躍してくれてるおかげかもしれませんね。

次回は、「季節で変わるカラダのケア」について紹介します。お楽しみに。





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妊活鍼灸師
沖縄県中頭郡中城村出身。大阪で鍼灸師の資格を取得。大阪、東京、沖縄の治療院・病院などで約3万6千人を施術。女性特有のホルモンバランス、自律神経の調整、鍼灸での妊活施術を専門に「あなたに寄り添う、やさしい鍼灸」をポリシーとして、2014年宜野湾市伊佐で妊活鍼灸サロン紅陽庵をオープン。

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