本村ひろみ
2021年3月30日更新
「謎めいているからいいものもある」|本村ひろみのコラム
フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。fun okinawaコラム「おきなわ暮らし散歩 Vol.77」
3月最後の月曜の夜はキレイな満月だった。やさしい春色の満月。
そしてユーミンの苗場ライブの初日。いつもなら2月の雪のシーズンに開催されるライブも感染症の自粛期間の影響で春のライブ開催となった。雪解けの苗場スキー場で41回目のサーフ&スノーライブ。ツアータイトルは
“woman in the moon”
満月の夜に初日だなんて、これは偶然? それとも気づいた時にうれしくなるサプライズ効果を狙った? ファンはいろいろと勝手に考えるわけですが、その答えは知らなくてももちろんオッケー。このご時世、ライブがあるってことだけでうれしい限りです。私はネットの生配信を楽しむ予定。ライブでお決まりの振り付けをリビングで踊ってひとり盛り上がります。
この季節、街を歩くと通りがカラフル。
ピンクにイエローにオレンジに赤に白。ついこの間までは無愛想な感じで弱々しい草木だったのに、突然天からの光をうけてキラキラと輝き始め、いつの間にか色とりどりの花に覆われている。あれ、毎日通っているのにいつの間に! ヒカンザクラに至っては、ブローチにしたいくらいかわいい赤いサクランボの実まで付けて。いやー、ビックリ。私の3月は、半分くらい何をしていたのか記憶にないくらい。そんなことを考えながら、花の美しさに見とれて写真を撮っていたらバスに乗り遅れそうになった。世界の胎動にグルーヴしなきゃもったいない。時間なんてあっという間に過ぎていくと思った春の朝でした。
それにしても自然は不思議ですね。いろんな色を持っていて、ちゃんと自分の季節に花ひらくんですから。巡り巡って忘れずに。いまは“春4月”担当の花々がいっせいに張り切って美の競演をしている。花の咲いている場所に光がさして(そんな印象)、翳(かげ)りを帯びたところにはひっそりと次の季節が眠っている。
先日、そんな木陰に猫の親子が日向ぼっこしていました。
親猫はこっちを向いて何か言いたげな表情で。もしかして不思議の国のアリスのチェシャ猫がティパーティへのお誘い? なーんて、ファンタジーで謎めいた気分になった。謎めいているから春は好き。答えはいらない時もあるから。
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。