読了時間 約6分
生活習慣病の一つ「脂肪肝」と深く関わるアルコール。お酒は好きだけど体に気を遣いたいという人必見! お酒の適正量や休肝日の設け方、肝臓に優しいおつまみの選び方を、全国健康保険協会沖縄支部(協会けんぽ)の管理栄養士に聞いた。(編集部/栄野川里奈子)
適量を守り、つまみと一緒に
休肝日は週2日、連続で
Q 脂肪肝のリスクって?
A 肝臓に脂肪がつく「脂肪肝」は、進行すると肝硬変や肝がんのリスクが高まります。県外では肝がんや肝硬変の原因はウイルス性が多いのですが、県内ではアルコール性や肥満が原因となっていることが多いです。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、かなり悪くなるまで自覚症状がないため、気付いたときには進行していた、ということがあります。ただ、脂肪肝は初期なら食事や運動で元に戻すことが可能です。早めに気付くには、定期的な健診が大切です。
Q お酒を飲む時に、気をつけたいことは?
A まずは適量を守ること。1日のアルコールの適量は、男性20グラム以内、女性10グラム以内=下図。休肝日は週に2日設けることが望ましく、連続のほうが肝臓が休まります。

飲んだお酒の量を入れるとアルコール量を計算してくれるアプリも便利です。沖縄県でも、「うちな~節酒カレンダー」というアプリを出しています(App Store・Google playをそれぞれクリックすると、アプリのダウンロードサイトに移動します)。
気をつけた方がいいのは、飲む回数が少なくても適量は変わらないこと。逆に、たまの深酒は、肝臓に負担がかかると言われています。
また、空腹時の飲酒はアルコールの吸収が高まるので、おつまみを食べながら飲むことを意識して。アルコールには利尿作用があり脱水しやすいので、同量のお水を飲むよう心がけるといいですよ。
遅い時間は消化力が落ち、特に午後8時以降は飲食したものが脂肪肝になりやすくなります。遅い時間まで飲み食いせず、早めに切り上げられるといいですね。
Q どんなつまみがいい?
A ぜひ意識してほしいのが、カロリーです。お酒を飲むと、肝臓はアルコールの解毒を最優先で処理するため、燃焼されずに余ったエネルギーは肝臓で中性脂肪となり、溜まっていきます。脂肪肝を防ぐには、揚げ物やご飯物といった高脂肪食はできるだけ避けて低カロリーなものを選びましょう。
ほかに、アルコールの分解を助けるタンパク質や、アルコールの代謝・分解に必要なビタミン類もお勧めです=下図。

Q 無理なく節酒するには?
A 飲んでいるお酒をアルコール度数の低いものやノンアルコール飲料に変えてみてはどうでしょう。誰かに宣言をするほか、アプリなどで記録をつけるのも、モチベーションアップにつながります。
栄養指導では、お酒を減らすことで途中覚醒がなくなった、朝スッと起きられるようになった、体重が減った、という声も。健診前など飲まない期間の体調が、いつもとどう違うか意識してみるといいですよ。
簡単に作れる、おつまみ3品
もずくときのこの豆腐あんかけ(1人前・117キロカロリー、塩分1.2グラム)

【材料】3人分
絹ごし豆腐…300g
生モズク…100g
エノキ…1/2袋(約50g)
シメジ…1/2袋(約50g)
マイタケ…1/2袋(約50g)
ニンジン…1/2本(約50g)
小ネギ…1/2袋(約15g)
★
だし汁…250ml
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1
酒…大さじ1
おろしショウガ…小さじ1
片栗粉…大さじ1
【作り方】
①豆腐を食べやすい大きさに切り、耐熱皿に並べる。ラップをふんわりかけ、電子レンジ(600W)で2~3分温める。出てきた水分を軽く切り、器に盛る
②生モズクは流水でさっと洗う。水気をしっかり切り、長い場合は食べやすい長さに切る
③小ネギは小口切りにしておく
④エノキ、シメジ、マイタケはいしづきを切って食べやすくほぐす。ニンジンは細切りにする
⑤鍋に★を入れ、④を入れて煮る
⑥火が通ったら、モズクを加えて1~2分ほど温める
⑦水大さじ2(分量外)で溶いた片栗粉を鍋に少しずつ加えて混ぜ、とろみをつける
⑧①の豆腐に⑦のあんをかけ、小ネギとおろしショウガを添えて完成
ポイント!
◆モズクにはアルコールで失われるミネラル類が豊富に含まれています
◆キノコ、ニンジン、モズクに含まれる食物繊維は、脂肪の合成を抑えます
豚肉と豆苗のレンチン和え(1人前・162キロカロリー、塩分1.1グラム)

【材料】2人分
ニンジン…1/2本(50g)
豆苗…1/2パック(50g)
豚ロース…80g
☆
塩コショウ…少々
酒…大さじ1
★
水…50ml
鶏がらだし…小さじ1
おろしニンニク…小さじ1
ごま油…大さじ1/2
ゴマ…小さじ1
糸トウガラシ…適量
【作り方】
下準備…豆苗は根元を切り落とし5センチ幅に切る。ニンジンは細切りにする。豚肉は食べやすい大きさに切る
①耐熱容器にニンジン、豚肉の順に乗せ、☆をふりかける
②ラップをふんわりかけたら、電子レンジ(600w)で5分温める
③②が温かいうちに、豆苗と★を入れてあえる
④皿に盛りつけ、ごまをふりかけ、糸トウガラシをのせたら完成
ポイント!
◆レンチンで簡単!
◆アルコールの分解を助けるタンパク質、アルコール代謝に使われるビタミンBが含まれる豚肉は、おつまみにおすすめの食材
アサリと白身魚のアクアパッツァ(1人前・183キロカロリー、塩分0.8グラム)

【材料】3人分
アサリ(殻付き)…300g
タラ(白身魚)…200g
ブロッコリー…100g
ミニトマト…8個(100g)
オリーブオイル…小さじ2(8g)
おろしニンニク…小さじ1(5g)
塩…少々
酒…50ml
水…50ml
【作り方】
①アサリは砂抜きして、洗う
②タラはキッチンペーパーで水気をとり、塩を振っておく
③ブロッコリーは食べやすい大きさに切る
④熱したフライパンにオリーブオイルとおろしニンニクを入れる
⑤④を弱火にしニンニクの香りが出たらタラを入れて中火で両面を軽く焼く
⑥アサリ、ブロッコリー、トマトを加える
⑦酒、水を入れてふたをし、中火で5~7分ほど加熱する。アサリの殻が開き、タラに火が通ったらOK
⑧ふたを外し、汁を煮詰めて完成
ポイント!
◆アサリのうま味や塩味、トマトの酸味でおいしくいただけます
◆タラにはアルコール代謝に使われるナイアシンとタンパク質、アサリには亜鉛、鉄が含まれています
教えてくれたのは

企画総務部保健グループの目取眞佳苗さん(左)、菅野茉莉絵さん。栄養指導を担当
↓画像をクリックすると、「協会けんぽ、日々しんぽ」の特設サイトに移動します
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」簡単レシピで生活習慣病予防(4)
第2046号(2026年10月29日発行)より転載
